ちょっとピンぼけ の商品レビュー
なんにもない空白の時間に、どんなことを思い描こうとも、自由は自由、いくらでも僕の勝手にできるだろう。彼がいた時代。キャパが生きた日々に思いを馳せる。僕は、想像することしかできないのだけれど、だからこそ、なのだと思う。僕は、いくらでも、それに時間を費やすことができるのだから。僕は他...
なんにもない空白の時間に、どんなことを思い描こうとも、自由は自由、いくらでも僕の勝手にできるだろう。彼がいた時代。キャパが生きた日々に思いを馳せる。僕は、想像することしかできないのだけれど、だからこそ、なのだと思う。僕は、いくらでも、それに時間を費やすことができるのだから。僕は他にできることはないし、そもそも想像とか、するとか、しないとか、そんなことすら気づかないことだって、数えきれないほどたくさんあるだろう。『ちょっとピンぼけ』という本の時代背景。戦争の世紀なのだ、という。 平和とか戦争とか、その都度、人々は誓いを立ててきたけれども、それら思いは現状に至るまで、どれくらい活かされてきただろうか。どこまでも、どこまでも懲りない人々。彼は何を残したのか。彼が残したものに、人々は気づいているだろうか。
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★図書館だよりNo.79 「一手指南」 冨永 知徳 先生(土木工学科) 紹介図書 ➣記事を読む https://www.sist.ac.jp/about/facility/lib/letter.html#079 【所在・貸出状況を見る】https://sistlb.sist....
★図書館だよりNo.79 「一手指南」 冨永 知徳 先生(土木工学科) 紹介図書 ➣記事を読む https://www.sist.ac.jp/about/facility/lib/letter.html#079 【所在・貸出状況を見る】https://sistlb.sist.ac.jp/opac/volume/264944
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コーヒーを飲みながら、10年以上前に読んだロバート・キャパの著書「ちょっとピンぼけ」を再読。 ふらふらと放浪するように旅をしたり、写真を撮ることが大好きだった若い頃、偶然知った一枚の写真”崩れ落ちる兵士”からキャパを知り、キャパの他の写真を見れば見るほど、どんどん彼の写真に惹き...
コーヒーを飲みながら、10年以上前に読んだロバート・キャパの著書「ちょっとピンぼけ」を再読。 ふらふらと放浪するように旅をしたり、写真を撮ることが大好きだった若い頃、偶然知った一枚の写真”崩れ落ちる兵士”からキャパを知り、キャパの他の写真を見れば見るほど、どんどん彼の写真に惹きつけられて、、、そんな時、この本を読みました。 なんか当事を思い出したなあ。 また写真を始めてみようかな。
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伝説の報道写真家ロバート・キャパが、自らの、第二次世界大戦の従軍の足跡と、時に愛や死を語った手記。邦訳は、第二次大戦に先立つスペイン内戦当時に、パリでキャパと生活を共にしていた、川添浩史と井上清一。 現在は日本にも、戦場カメラマン、戦場をメインのフィールドとするフォト・ジャーナリ...
伝説の報道写真家ロバート・キャパが、自らの、第二次世界大戦の従軍の足跡と、時に愛や死を語った手記。邦訳は、第二次大戦に先立つスペイン内戦当時に、パリでキャパと生活を共にしていた、川添浩史と井上清一。 現在は日本にも、戦場カメラマン、戦場をメインのフィールドとするフォト・ジャーナリストと呼ばれる写真家は多数おり、彼らの写真や著作は、戦争の悲惨さや理不尽さを我々に十分に伝えている。 そして、本書も、キャパが第二次世界大戦に従軍し、シチリアでは戦闘部隊と共に落下傘降下を行い、ノルマンディー上陸作戦においては攻撃部隊の先鋒としてフランス上陸を試みたという意味においては、その戦争の最前線での経験、記述が、我々に貴重な何かを伝えてくれてはいる。 しかし、本書を読んで印象に残るのは、どんなに厳しい状況においても、心の余裕、ユーモアを失わないキャパの姿であり(過去を振り返って書く手記であるから、そのように書けるのかもしれないが)、そのようなキャパの生き方なのである。 世界で最も有名な戦場写真「崩れゆく兵士」を巡って近時改めて注目される、ロバート・キャパの素顔に触れられる作品である。 (2011年5月了)
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戦争という過酷な環境の中で活躍する写真家の本を読んだのはこれが初めて。キャパの写真は学生時代に教科書に載っていた写真「崩れ落ちる兵士」の1枚しか見た事がなかったし、彼がこの1枚によってピューリッツァ賞を受賞したという事しか彼の事を知らなかった。キャパを知るのに良い一冊だったと思う...
戦争という過酷な環境の中で活躍する写真家の本を読んだのはこれが初めて。キャパの写真は学生時代に教科書に載っていた写真「崩れ落ちる兵士」の1枚しか見た事がなかったし、彼がこの1枚によってピューリッツァ賞を受賞したという事しか彼の事を知らなかった。キャパを知るのに良い一冊だったと思う。
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写真家キャパが第二次大戦のヨーロッパ戦線に従軍したときの手記。人を食ったような茶目っ気のある文章。戦争という非日常な出来事の中で、かかわった人々への優しい愛情がにじみ出ている。キャパの写真には、そこにいる人々への優しさとやり切れなさを感じることが多い。表現方法が異なる、写真と文章に似たような印象を受けるのが面白い。
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借りたもの。 キャパの戦争写真を補完するエッセイ。 イタリア降伏、パリ解放までのエピソード。 戦場のただ中にも関わらず、あまり恐怖を感じさせない軽快さがある。あえて記さなかったのだろうか? むしろ、死ぬ人々の事よりも、これから生きる人々、生きることを考えていたのかも知れない。 ...
借りたもの。 キャパの戦争写真を補完するエッセイ。 イタリア降伏、パリ解放までのエピソード。 戦場のただ中にも関わらず、あまり恐怖を感じさせない軽快さがある。あえて記さなかったのだろうか? むしろ、死ぬ人々の事よりも、これから生きる人々、生きることを考えていたのかも知れない。 Dデイ(ノルマンディー上陸)作戦の有名な写真と「そのとき、キャパの手は震えていた――」この名句の裏話にブレがあるのは現像の失敗だったなど、時にユーモラス。 キャパの人柄が伺える。人懐っこく、人間を観察する彼の姿。それ故に撮れた写真なのかも知れない。 "ピンキィ"と呼ぶ女性についての言及は、戦地へ赴く己への弁明だろうか?
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まったく写真に興味がない人でも、キャパの名前ぐらいは聞いたことがあるのではないだろうか。有名な写真は数えきれいくらいないあるが、例えばノルマンディ上陸時の写真や、スペイン内戦での写真はどこかで一度ぐらいは目にしたことがあるはずだ。 この本はもともと名前は知っていたのだが、ずーっ...
まったく写真に興味がない人でも、キャパの名前ぐらいは聞いたことがあるのではないだろうか。有名な写真は数えきれいくらいないあるが、例えばノルマンディ上陸時の写真や、スペイン内戦での写真はどこかで一度ぐらいは目にしたことがあるはずだ。 この本はもともと名前は知っていたのだが、ずーっと読まずに放置をしていたものだった。それが、偶然にも・・・というか、キャパの名前にひかれて沢木耕太郎の「キャパの十字架」を読んでから俄然興味がわいてきて、改めて手に取った、というわけ。 本書はキャパの自伝 - 第二次世界大戦中のキャパの従軍記 - ということになっている。「なっている」というのは、あまりに話が面白くてとても全部が本当であるとは思えないぐらいだからだ。恋あり、銃弾の飛び交う戦場の話があり、そして写真がある。話を盛るという表現があるが、実際に比べたら「特盛り」というのが、この本ではないだろうか。 とはいっても、ところどころに出てくるキャパの呟き・・・や感想は戦争の本質を端的に表している。特にノルマンディ上陸作戦の帰りの船の中で、唯一生き残った兵士との会話のシーンは、戦争とは人間をこういう気持ちにさせるものなのか・・ということを感じさせる。 しゃれっ気のある翻訳と合わせて、キャパの人柄を感じることのできる一冊。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ロバートキャパの第二次世界大戦・ヨーロッパ戦線での撮影手記。米軍軍属として、北アフリカ、イタリア、ノルマンディー上陸、パリ解放に従軍。自ら落下傘降下したり、ノルマンディーでも揚陸艇に乗り海岸まで達したり(結局は引き返した事は有名ですが…)と、戦場を描く一方で、ロンドンに残した恋人や、酒、ポーカーに興じる様など、不思議と悲惨さをあまり感じさせない味のある文章です。
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『キャパの十字架』を読んだ後に購入。 1956年、キャパ自身が非業の死を遂げた後に邦訳が刊行されたようだが、訳文が古臭い上に愚直訳なのかストーリーがとりづらい。単に時代なのだろうか、それともキャパと親交があった川添氏、井上氏がプロの翻訳家ではなかったこともそのように感じる要因の...
『キャパの十字架』を読んだ後に購入。 1956年、キャパ自身が非業の死を遂げた後に邦訳が刊行されたようだが、訳文が古臭い上に愚直訳なのかストーリーがとりづらい。単に時代なのだろうか、それともキャパと親交があった川添氏、井上氏がプロの翻訳家ではなかったこともそのように感じる要因のひとつかもしれない。 訳者後記に「しかし、キャパの原文のもつ、英語の旧さを世界人の思想や感想の新しさに創造したような、あざやかなスタイルは、到底、そのまま日本文には写し得なかったことをお詫びする次第である」..とある。言い訳でもあろうし、また本人がもうこの世にいないため裏を取ることがなしえなかったことも大きいのではないかと思う。 『キャパの十字架』でもその真偽を疑われたスペイン内戦における「斃れゆく瞬間の民兵」の写真について、訳者の川添氏、井上氏ともに「不審気な顔をした」際にキャパが必死に反論をしたことが文庫版出版の際に付けられた後書きで付記されている。キャパの近くにいたこの二人はすでに疑問を感じていたということだろう。 それにしても、キャパが命懸けで撮った106枚の写真のうち、暗室でのミスで8枚、しかもピンボケ状態、しか残らなかったのはつくづく残念なことだ。その事実についてキャパ自身は本書の中では非常に淡泊な記述にとどめている。彼自身にとっては。その写真が公の目に届くよりも、自身がそこにいて実際にカメラに収めたという事実の方が重要であったのかもしれない。
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