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極北に駆ける の商品レビュー

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13件のお客様レビュー

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2010/01/11

-エスキモーたちには、きまった食事時間というものはない。腹の空いたときが食事時間なのだ。イガーパルは刃渡り四十センチほどある包丁をとり出し、天井からぶらさがっている生肉にとりかかった- 汚れた脂と血でドロドロの生肉、バケツの便器、フリーセックス、お酒三昧、狩り・・・とこれだけ書...

-エスキモーたちには、きまった食事時間というものはない。腹の空いたときが食事時間なのだ。イガーパルは刃渡り四十センチほどある包丁をとり出し、天井からぶらさがっている生肉にとりかかった- 汚れた脂と血でドロドロの生肉、バケツの便器、フリーセックス、お酒三昧、狩り・・・とこれだけ書くと、微妙なかんじのするエスキモーの姿。植村直己自身も最初は「えっ」と拒絶反応を起こす姿も含めて率直に描かれている。そこらへんからだんだんと偉大なる冒険家「植村直己」様と自分が同化していってしまい、最後には自分が「3000キロ単独犬橇」を達成したキブンに!冒険家という肩書におさまらない筆致!

Posted byブクログ

2009/11/03

 南極大陸の単独横断という大きな夢を実現するために、まずはその訓練にと、人類最北の地・グリーンランドのシオラパルク村を拠点に冒険をした際の手記。有名な「グリーンランド犬ぞり縦断」を為遂げたのはこの時である。  いつものとおり、大げさな装備をなにも持たず、いきなり現地に行き、現地の...

 南極大陸の単独横断という大きな夢を実現するために、まずはその訓練にと、人類最北の地・グリーンランドのシオラパルク村を拠点に冒険をした際の手記。有名な「グリーンランド犬ぞり縦断」を為遂げたのはこの時である。  いつものとおり、大げさな装備をなにも持たず、いきなり現地に行き、現地の人々の間に溶け込み学ぶことから冒険は始まる。最初は子供達から、しだいに村人たち皆と仲良くなり、ついには長老の養子にされてしまうまでの様子がなんともユーモラスで可笑しい。その過程でアザラシ漁、セイウチや鳥の狩、犬ぞりなどの技術を身につけ、ついには一人前(?)のエスキモーとして遠出(冒険)を始める。  こうした植村氏のスタンスは、大量装備と近代的機器で「自然を征服する」西洋型の冒険スタイルとは明らかに異なるものである。そうではなく、現地の人、知恵から学び、その地で生き抜く技術と力を身につけることによって、自らの冒険に挑んでいく。  シオラパルク村での描写では、当時のエスキモー(民族的にはイヌイット)の風俗習慣の貴重な記録にもなっている。目が覚めたら起き、腹が減ったら天井から吊るした肉を食べ、それがなくなったら狩に行き、狩がだめなら隣の家に行って食う。と、いかにもお気楽そうだが、彼らは全員が一流のハンターである。ついでに大酒のみだが。その生活風景の描写も、この本の大きな読みどころであろう。

Posted byブクログ

2009/10/07

植村直己32才のときの記録。南極大陸3000キロ横断を実現する技術を習得するために、グリーンランドのエスキモー村に単身乗り込み、エスキモーから犬ぞり技術を教えてもらい、トレーニングの集大成として厳冬のグリーンランド沿岸の往復3000キロの単独行を行う記録。面白い。

Posted byブクログ