秘本三国志(一) の商品レビュー
『三国志』における私の推しは、何を隠そう、曹操です。 「演義」系でなく、正史寄りの「三国志」 、善玉悪玉の色分け無しの語り口が好きです。五斗米道の張魯の母・少容の視点がストーリーを立体的にしているな、と感じます。 第一巻は、黄巾の乱の前年(西暦183年)から、董卓による洛陽破壊ま...
『三国志』における私の推しは、何を隠そう、曹操です。 「演義」系でなく、正史寄りの「三国志」 、善玉悪玉の色分け無しの語り口が好きです。五斗米道の張魯の母・少容の視点がストーリーを立体的にしているな、と感じます。 第一巻は、黄巾の乱の前年(西暦183年)から、董卓による洛陽破壊まで。曹操の初登場は、29歳、騎都尉の地位にある頃でした。
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(1983.01.19読了)(1982.10.31購入) (「BOOK」データベースより) 乱世の幕開きを告げる黄巾の乱、曹操・董卓・呂布ら梟雄・智将の登場。正史『三国志』、『三国演義』の不備を卓抜な構想力で補完し、群雄並び立つ乱世を雄渾に描き抜いた、陳舜臣文学の偉大な達成。「三...
(1983.01.19読了)(1982.10.31購入) (「BOOK」データベースより) 乱世の幕開きを告げる黄巾の乱、曹操・董卓・呂布ら梟雄・智将の登場。正史『三国志』、『三国演義』の不備を卓抜な構想力で補完し、群雄並び立つ乱世を雄渾に描き抜いた、陳舜臣文学の偉大な達成。「三国志」の決定版。 著者 陳 舜臣 1924年神戸生まれ。 大阪外語大印度語科卒。 1961年、「枯草の根」で江戸川乱歩賞 1969年、「青玉獅子香炉」で直木賞受賞 1970年、『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』により日本推理作家協会賞 1971年、『実録アヘン戦争』により毎日出版文化賞 1976年、『敦煌の旅』により大佛次郎賞 1989年、『茶事遍路』により読売文学賞(随筆・紀行賞) 1992年、『諸葛孔明』により吉川英治文学賞 1993年、朝日賞 1995年、「作家としての業績」により日本芸術院賞を受賞 日本芸術院会員
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どちらかといえば、正史三国志準拠。というより、正史の裴注をもとにしていると思う。ストーリーは、五斗米道の女性・少容を中心に語られ、英雄の中では曹操が主立って登場する。より現実的な解釈で、三国志を展開している。戦略の裏のかけ引きや、妖術の裏の科学的なからくり、非情な仕打ちに潜む人間的な苦悩、人間が人間らしく描かれていると思う。
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数多の三国志(って全部読破してるわけではないですが)の中でも淡々とした書きっぷりが心地よかったです。綺羅星のごとき豪傑もここではただのアホ。SF三国志「蒼天航路」と一緒に読むのも良いかも。
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演義の悪影響を受けたくない人にはたまらない。可能な限り正史を採用しており、それでいて時系列がきちんとしている。だから歴史の勉強にもなる。特に、道教や仏教に関わる人たちがどのように乱世を生き抜いていたか、そのあたりが興味深い。反面、英傑たちのあらゆる戦いが八百長で片付けられていると...
演義の悪影響を受けたくない人にはたまらない。可能な限り正史を採用しており、それでいて時系列がきちんとしている。だから歴史の勉強にもなる。特に、道教や仏教に関わる人たちがどのように乱世を生き抜いていたか、そのあたりが興味深い。反面、英傑たちのあらゆる戦いが八百長で片付けられているところが好きになれない。
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全6巻。 三国志。 一般的に知られてる三国志は 「三国志演義」っていう講談とかで広まった 正義の蜀vs悪の魏って構図のお話。 これは真逆。 というか必要以上に演出されてる部分をなくして、 個人的解釈ではあるものの 本当の歴史を小説にしていこうとしてる感じ。 なんで劉備はじめ...
全6巻。 三国志。 一般的に知られてる三国志は 「三国志演義」っていう講談とかで広まった 正義の蜀vs悪の魏って構図のお話。 これは真逆。 というか必要以上に演出されてる部分をなくして、 個人的解釈ではあるものの 本当の歴史を小説にしていこうとしてる感じ。 なんで劉備はじめ関羽なんてボロクソめだし、 曹操が主役っぽい。 そして 五斗米道がもう一つの主役、メインなのが興味深い。 文章は読みやすいけど若干淡白。 泣く程移入はできなかった。 基本の三国志を知ってから読んだほうが良いと思う。 ずっとへーって感じ。 でも基本の三国志の方が夢があってワクワクする。
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『蒼天航路』が出るまで、魏ファンを支えた一冊ではないでしょうか。 そしてこの本のすごいところは、どの陣営も格好いいというところ。 大好きです。
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P191、洛陽、わが手にあり 「そのなかには沙漠的ムードあり、水田的な情緒もあり、 読者は歴史の壮大さに酔うことになるのだ。」
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三国演技をベースとした物語が多い中、この小説は『正史三国志』をもとに書かれた名作である。蜀の劉備陣営ではなく、魏の曹操陣営を中心に描かれている点も面白い。 第1巻は、黄巾の乱から、董卓が洛陽を灰にするところまで。
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「三国志演義」ではなく、歴史書の「三国志」よりの小説。 主人公は、五斗米道の教主の妻という少し異質な作品です。 「三国志演義」をある程度理解してからのほうが、面白く読める作品だと思います。
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