愛の年代記 の商品レビュー
背景はイタリア 愛憎物語 暗い 重い 深い しかし、面白い ”フィリッポ伯の復讐” が一番心象に残る 最後の一文を読んだとき思わず悲鳴をあげてしまった この話は読み手の胆と場所を選ぶ
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中世末期からルネサンスの時代に愛に生きていったイタリアの女性たちを描いた短編集。 最初の『大公妃ビアンカ・カペッロの回顧録』から、『ジュリア・デリ・アルビツィの話』へのつながりが面白かった。主人公だったカペッロが次の話では悪役のように描かれていて、視点が変わるとここまで変わるのか、とこの時代のイタリアの恐ろしさを感じられた。 他にも『エメラルド色の海』では海賊に惹かれる女性を描いたり、恋に踊らされる女性のみならず男性も描かれており多彩な物語を読めて面白かった。 最後の『女法王ジョヴァンナ』も史実か伝説かわからないところが非常に興味をそそられた。塩野先生も書いていたが、現代の中でずっと男性社会を貫いている教皇庁においてこれが史実ならば本当に痛快な皮肉のであろう。『ダビンチコード』でも、実は教皇の座は女性になるはずだったということを描かれており、つながりが見え面白かった。
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時代背景や人種などの違いはあっても、人間というのはいつの世も変わらないものなのだなと実感しました。こういう人間味の感じられる話は大好きです。特に「エメラルド色の海」はロマンチックで夢もあってとても素敵でした。イタリアの地理や歴史をちゃんと勉強したくなりました。
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塩野夏生さんらしい短編集。史実や実際の古文書をベースにした創作のようだ。 中世イタリアを舞台にした人間模様が、宝石のように輝き官能的に描かれている。一方、人間の嫉妬という感情は何百年も昔から変わらず、いろいろな人生を狂わせてきたのだなと思わされる。夢に出てきそうな恐ろしい話もあっ...
塩野夏生さんらしい短編集。史実や実際の古文書をベースにした創作のようだ。 中世イタリアを舞台にした人間模様が、宝石のように輝き官能的に描かれている。一方、人間の嫉妬という感情は何百年も昔から変わらず、いろいろな人生を狂わせてきたのだなと思わされる。夢に出てきそうな恐ろしい話もあった。 文章が丁寧で美しいので、読んでいてとても気持ちがいい。
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イタリア中世末期からルネサンスを舞台にした9編の故意の物語。結末は全部ハッピーエンド、という安いものではなく、あくまでその時代時代の世相・風習・民衆意識・世界観を忠実に反映したものになっている。 どれもフィクションのはずなのに、どこか欧州の博物館などに大事にしまわれている資料に書かれているかのごとく、鮮明に迫ってくる物語でした。 どれもその時代に降り立ったかのような、新鮮な風が吹いていました。
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イタリア中世~ルネサンス期の愛の物語。"恋は、より多く愛した者が敗者になる"という言葉もあったが、愛とは本当に人を残酷なまでに狂わせる。美しく情熱的で、熱い思いが込み上げる作品。
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中世を舞台にした短編集 一番面白いと思ったのは最後の話のジョバンナでしょうか。 ローマ法王は歴代男性のみですが、女性の法王がいたという伝説?史実?があるそうです。カトリックでは当然女性法王の存在は消されているようですが。 とても博識な女の子が修道女になり、女を捨てて修道士になり...
中世を舞台にした短編集 一番面白いと思ったのは最後の話のジョバンナでしょうか。 ローマ法王は歴代男性のみですが、女性の法王がいたという伝説?史実?があるそうです。カトリックでは当然女性法王の存在は消されているようですが。 とても博識な女の子が修道女になり、女を捨てて修道士になり…果てはローマ法王に上り詰めます。ですがこの短編集が愛の〜と題されているので、これだけじゃつまらないですよね。やっぱり途中で恋心に目覚めちゃいます。 結末ですが、法王は女であることを隠し、ある日突然出産します…この結末は○ンペストがよく似ていて、この章にヒントを得ているのではないかなと思いました。。
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古代ローマの本で有名な塩野七生さん。 読んでみたかったので短編から手を出してみた。 なかなか面白い。 しかし壮絶な恋愛をして死んでいくよね、中世の女性たち。 女はあまり賢くない方がいいという昔ながらのセリフを 最後の話で改めてかみ締めました。
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舞台、トップガールを観て、女法王ヨハンナの話が読みたくなり手にとった。15世紀頃の話なのに、女たちのありさまは現代でも違和感はない。 ただ、男女の色恋がすぐに生き死につながり、その所業も凄惨を極めるのは、現代なんて目じゃないわ。 時代や特異性に興味はもつけど、心には残らず。
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女って、すごいなーと思うわけです。 女、おんな、オンナ、ヲンナ・・・ 古人は、こんなに簡単に人を殺していたんでしょうか。 現代人は、死というものを恐れすぎなんでしょうか。 死生観について、ちょっと考察してみたいなぁー。
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