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球形の荒野 新装版(上) の商品レビュー

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松本清張の小説には…

松本清張の小説には象徴的な題名の本が多くこの本もその例に漏れません。「球形の荒野」なんと象徴的、暗示的な題でしょう。舞台は「秋の大和路の唐招提寺や安居院」である。芦村節子が芳名帳に見たものは大戦末期、赴任地で病死した外交官の叔父の特徴ある文字の筆跡だった。亡命者の悲劇の緞帳が静...

松本清張の小説には象徴的な題名の本が多くこの本もその例に漏れません。「球形の荒野」なんと象徴的、暗示的な題でしょう。舞台は「秋の大和路の唐招提寺や安居院」である。芦村節子が芳名帳に見たものは大戦末期、赴任地で病死した外交官の叔父の特徴ある文字の筆跡だった。亡命者の悲劇の緞帳が静かに上がる。ミステリー・ロマンのプロローグです。「球形の荒野」という題にたくされた作者・清張の思いが読み進んでいくうちに、理解できてくる。 1960年1月から1961の12月までオール読物に連載された清張円熟期の小説です。

文庫OFF

2021/05/23

久しぶりの松本清張。 奈良や京都の寺の描写が美しい。 女性の話し方や所作に品がある。 こういう少し前時代の小説を読むのもいいと感じた。 第二次世界大戦中に外交官として活躍した叔父が、外国で亡くなって数年。 節子は彼が好きだった奈良の寺で、彼にそっくりな筆跡を発見する。 その話...

久しぶりの松本清張。 奈良や京都の寺の描写が美しい。 女性の話し方や所作に品がある。 こういう少し前時代の小説を読むのもいいと感じた。 第二次世界大戦中に外交官として活躍した叔父が、外国で亡くなって数年。 節子は彼が好きだった奈良の寺で、彼にそっくりな筆跡を発見する。 その話に興味を持った新聞記者が外交官の最期を調査するが、当時の仕事仲間はみな口を閉ざす。 そして外交官のかつての近しい仕事仲間が次々と不可解な死を遂げ始める… -------------------------------------------- 全く古さを感じさせない、骨太なミステリー。 何となく事件の輪郭が浮かび始める。 下巻へ。

Posted byブクログ

2014/03/08

大戦中に現地で亡くなった外交官に絡んだストーリー。設定が古いが、のめり込んでいく。デッサンのモデルを頼んだ画家が変死。突然見知らぬ女性からデッサンを返すと京都に呼び出されるが肩すかしを食う。外務省役人には不穏な動きが。14.3.8

Posted byブクログ

2012/05/06

“『日本を裏切った日本人(一個背叛日本的日本人)』と書名変更して再出版し、中国で人気”との記事 http://www.j-cast.com/2012/04/15128356.html をきっかけに再読してみました。

Posted byブクログ

2010/12/20

戦時中に死んだと言われていた外交官の父の筆跡を寺院の奉名帳に発見する娘。 父の影を追い求める彼女に、恋人である新聞記者はもしかしたらという疑問を抱く。 清張の推理小説としては少し毛色が変わった話かも。かなり叙情的な話だった気が・・・(笑!あんまり覚えてない) でも最後に父と対面...

戦時中に死んだと言われていた外交官の父の筆跡を寺院の奉名帳に発見する娘。 父の影を追い求める彼女に、恋人である新聞記者はもしかしたらという疑問を抱く。 清張の推理小説としては少し毛色が変わった話かも。かなり叙情的な話だった気が・・・(笑!あんまり覚えてない) でも最後に父と対面を果たす場面とか、とにかく感動的で当時は一番好きだと思ってた。

Posted byブクログ