剣客商売 九 待ち伏せ 新装版 の商品レビュー
剣客商売シリーズ8「狂乱」の前に読んでしまったのが不覚たが、それぞれの物語が独立しているのでそんなに気にならない。 「待ち伏せ」「秘密」は人の二面性を題材にしており、読み終わった時はやるせ無い気持ちになった。「ある日の小兵衛」では若かりし頃の小兵衛の話でほのぼのする。 剣客商売は...
剣客商売シリーズ8「狂乱」の前に読んでしまったのが不覚たが、それぞれの物語が独立しているのでそんなに気にならない。 「待ち伏せ」「秘密」は人の二面性を題材にしており、読み終わった時はやるせ無い気持ちになった。「ある日の小兵衛」では若かりし頃の小兵衛の話でほのぼのする。 剣客商売は父の小兵衛が問題解決する話と息子大治郎が問題解決する話もある。どちらも綺麗事では無い人間模様が描かれておりさもありなん、と読めるところが面白い。
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▼収録作は以下▼待ち伏せ▼小さな茄子二つ▼ある日の小兵衛▼秘密▼討たれ庄三郎 ▼冬木立▼剣の命脈 ▼「ある日の小兵衛」小兵衛が、幽霊を見る。厳密に言うと、旧知のヒトのマボロシを見る。ということは、相手は死んだと思いこむ。確かめに会いに行ってみる。ところが間違っていて、生きていた...
▼収録作は以下▼待ち伏せ▼小さな茄子二つ▼ある日の小兵衛▼秘密▼討たれ庄三郎 ▼冬木立▼剣の命脈 ▼「ある日の小兵衛」小兵衛が、幽霊を見る。厳密に言うと、旧知のヒトのマボロシを見る。ということは、相手は死んだと思いこむ。確かめに会いに行ってみる。ところが間違っていて、生きていた。相手は若き日に情を交わした女性で、色々思い出す。ちなみにその日いろんなことが起こる。 ▼‥‥それだけの話。この、「間違う」ってところが気が利いてます。小粋なモノクロのフランス映画を見るようです。 ▼悪い詐欺師をやっつけるんだけど、犯人が昔馴染みだったという「茄子二つ」。 ▼死病にあえぎ、最期に大治郎と戦いたい剣士が、ぎりぎりそれを果たせぬまま死んでしまうという「剣の命脈」。 どれも池波節、ちょっと皮肉でちょっと肩透かしな味わい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「待ち伏せ」「秘密」、二話とも仇討の話。そして静かな切ない話。藤沢周平の世界を思わせるような。二面性、それどころが人は多くの顔を持っている。大治郎、三冬のような時々一つの顔しかもっていない人に出くわす。すごいと思う。
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「親の敵……」夜の闇につつまれた猿子橋のたもとで、秋山大治郎は凄まじい一刀をあびせられた。曲者はすぐに逃げ去り人違いだったことがわかるが、後日、当の人物を突き止めたところ、秋山父子と因縁浅からぬ男の醜い過去が浮かび上がってくる「待ち伏せ」。 小兵衛が初めて女の肌身を抱いた、その相...
「親の敵……」夜の闇につつまれた猿子橋のたもとで、秋山大治郎は凄まじい一刀をあびせられた。曲者はすぐに逃げ去り人違いだったことがわかるが、後日、当の人物を突き止めたところ、秋山父子と因縁浅からぬ男の醜い過去が浮かび上がってくる「待ち伏せ」。 小兵衛が初めて女の肌身を抱いた、その相手との四十年後の奇妙な機縁を物語る「或る日の小兵衛」など、シリーズ第9弾。
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「鬼平犯科帳」を始めて4年、昭和47年、池波正太郎49歳のとき、「剣客商売」がスタートしたそうです。「待ち伏せ」、剣客商売(九)、2003.1発行。待ち伏せ、小さな茄子二つ、或る日の小兵衛、秘密、討たれ庄三郎、冬木立。剣の命脈 の7話。本巻は、ずしりと心に重く響く、哀しみの7話で...
「鬼平犯科帳」を始めて4年、昭和47年、池波正太郎49歳のとき、「剣客商売」がスタートしたそうです。「待ち伏せ」、剣客商売(九)、2003.1発行。待ち伏せ、小さな茄子二つ、或る日の小兵衛、秘密、討たれ庄三郎、冬木立。剣の命脈 の7話。本巻は、ずしりと心に重く響く、哀しみの7話です。読後感はとても辛いですが、一方で、ある種潔さの美を感じました。
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剣客商売 九 「待ち伏せ」「討たれ庄三郎」は、どちらも仇討ち(果し合い)の話で、共通しているのは、仇とされている人が本当は違うのに自分から“討たれてあげる”事です。 どちらも清廉な人が理不尽な目に合う哀しい結末です。 「秘密」も理不尽&哀しい結末という部分では上記2話と繋がる部...
剣客商売 九 「待ち伏せ」「討たれ庄三郎」は、どちらも仇討ち(果し合い)の話で、共通しているのは、仇とされている人が本当は違うのに自分から“討たれてあげる”事です。 どちらも清廉な人が理不尽な目に合う哀しい結末です。 「秘密」も理不尽&哀しい結末という部分では上記2話と繋がる部分を感じます。 「或る日の小兵衛」は、小兵衛さんが行く先々で災難に遭う“小兵衛受難の巻”です。ラストの“人違い”まで含めてここまで小兵衛さんがトホホな回は珍しいかも。
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剣客商売9作目。 「待ち伏せ」は、おりくさんのその後が読みたいなー。。 「或る日の小兵衛」は、行く先々で騒動にぶちあたる小兵衛さん。 男性は、過去のことに拘るのですね。 女性は、そんなことないかも。。 「秘密」「討たれ庄三郎」「冬木立」は、なんとも言えぬ人間模様。 複雑な中...
剣客商売9作目。 「待ち伏せ」は、おりくさんのその後が読みたいなー。。 「或る日の小兵衛」は、行く先々で騒動にぶちあたる小兵衛さん。 男性は、過去のことに拘るのですね。 女性は、そんなことないかも。。 「秘密」「討たれ庄三郎」「冬木立」は、なんとも言えぬ人間模様。 複雑な中に悲しい結末。 待ち伏せ 小さな茄子二つ 或る日の小兵衛 秘密 討たれ庄三郎 冬木立 剣の命脈
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待ち伏せ 人違いで襲われる大治郎 小さな茄子二つ 博打と金貸しがグル 或る日の小兵衛 幽霊見たけど人違い 秘密 人殺しを頼まれる 討たれ庄三郎 黒猫の黒兵衛 冬木立 小兵衛の当身が自在 剣の命脈 死ぬ前に大治郎と死合いたかった
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①待ち伏せ 若林の御隠居、どうなのかね? ②小さな茄子二つ 住吉桂山 いい絵師になれたんだろうに‥ ③或る日小兵衛 おきねさんじゃないし‥ ④秘密 江戸では名君‥ ⑤討たれ庄三郎 なんと息子とは ⑥冬木立 おきみ 刻印 ⑦剣の命脈 志村又四郎 真剣勝負
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表題作「待ち伏せ」にしても、「秘密」にしても殿様と呼ばれる者の所行が家臣に累を及ぼす切ない話だ。小平衛が歩けば事件に当たる「或る日の小平衛」は、本シリーズを通底する面白さがある。剣客として成長している大治郎が遭遇する悪者とも思えない相手と、行きがかり上真剣勝負をしなければならない...
表題作「待ち伏せ」にしても、「秘密」にしても殿様と呼ばれる者の所行が家臣に累を及ぼす切ない話だ。小平衛が歩けば事件に当たる「或る日の小平衛」は、本シリーズを通底する面白さがある。剣客として成長している大治郎が遭遇する悪者とも思えない相手と、行きがかり上真剣勝負をしなければならない流れとなるが、その相手が時に別の悪者に、時に病に斃れるというパターンが多いが、それでさえ読者は安心をし剣客商売を楽しめるのだなぁ。
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