勝海舟(四) の商品レビュー
坂本龍馬と中岡慎太郎が近江屋で暗殺される。2人の奔走で大政奉還が遂に成ったが、鳥羽伏見の戦いで幕軍は敗戦。15代慶喜は挙兵する勢いを見せながら、突如帰東する。 勝海舟は陸軍総裁と若年寄りを委任されるが、若年寄りを辞退。錦の旗を揚げる薩長の官軍と相対する陸軍総裁に就く。
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子母沢寛が面白い、キレが良く臨場感があり引き込まれるところは司馬遼太郎以上だ。 福沢諭吉との関係が常々気になっており、やっと読み出したが、あの時代に没入させてくれる。慶喜のこともこれからいろいろ出てくる、フィクションとは思えど、一応納得させられるであろう。 ・オルトラン「海洋全書...
子母沢寛が面白い、キレが良く臨場感があり引き込まれるところは司馬遼太郎以上だ。 福沢諭吉との関係が常々気になっており、やっと読み出したが、あの時代に没入させてくれる。慶喜のこともこれからいろいろ出てくる、フィクションとは思えど、一応納得させられるであろう。 ・オルトラン「海洋全書」を盗み見し書写する件 ・鵜殿団次郎(蕃書調所教授)と河井継之助の読書論 春風は博覧強記、継之助は精読常に紙背に徹した 春風の碑文を勝が書いた ・「小吏天下の大勢を知らず、己れに侫するを悦 び、その説に逆らうを悪む、今や狎邪の小人、家 邦を危うくす、その急、実に焦眉よりも甚だし、 勝はその憤懣でいっぱいであった」 ・益満休之介を追う新徴組の片山喜間多と勝との対 面の場面 ・「昔から天下の乱れは、獄内の状によって察し得 べしという」 ・「やる時あやるよ。そ奴をやるとかやらぬとか、 予め極めておいてどうするえ。網を張ったとてそ の上を鳥が飛び越していったらなんともならねえ よ。智慧の網、策の網、みんな、そんなものを張 るからおのが張って、却っておのが、にっちもさ っちも行かなくなる。人間はねえ、肚ん中に、只 赤誠の二字せえあれあ、それだけでいいんだ よ。」
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子母沢寛 「勝海舟 」4&5/6 大政奉還→江戸城開城 勝海舟と西郷隆盛が目指す日本国が近づいている
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
幕府と雄藩の対立はいよいよ深まり、もはや公武合体の機運は失われた。折しも土佐藩より、大政奉還の建白がなされる。 世情は混乱をきわめ、巷には「ええじゃないか」が流行、幕府に世の流れをおしとどめる力はなかった。 十五代将軍徳川慶喜は勝を召し、涙とともに胸中を吐露する。 「安房、この上頼れるは、その方只一人なるぞ」 再び檜舞台に立つ勝、その大任は大政奉還であった。 (当書裏表紙あらすじより) 書いていて「?」となりました。 裏表紙の言葉。 勝の仕事が大政奉還? これはおかしいと思うんですけど・・・どうなんでしょう。 だって大政奉還が為された時、勝は江戸にいたはずだし、そもそも本文をどう読んでも大政奉還を任じてはいないんです。 歴史も知らず、本文も読まずに裏表紙のあらすじを書いたのかな?? ま、いいけど(笑) 本巻で竜馬暗殺があります。 そして鳥羽伏見の戦いが勃発し、慶喜が江戸に船で逃げ帰って来ます。 さらに勝が陸軍総裁の職に就く所までが描かれています。 竜馬暗殺を描かれた後辺りから読むスピードが上がりました。 ドラマや映画、他の小説などで歴史の展開は知っていましたが、それを遠く離れた江戸にいる勝の目を通してみる、という少々変わったシチュエーションを描いているので面白くなってきたのだと思います。 相変わらず文字に置き換えられた江戸言葉には難渋していますけど(^^ゞ 残り2巻。 もう一気に読破したいところです。
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第4巻読了。大政奉還から討幕へ。次巻はいよいよ江戸無血開城に向けての西郷との大一番。 歴史の表舞台は京ながら、本小説の舞台は勝のいる江戸が中心となっており新徴組の動きや益岡等の薩摩の暗躍等、興味深い。 時に勝の命を狙いに元氷川を訪れる刺客に対しての勝の応対も面白く且つその際の言葉...
第4巻読了。大政奉還から討幕へ。次巻はいよいよ江戸無血開城に向けての西郷との大一番。 歴史の表舞台は京ながら、本小説の舞台は勝のいる江戸が中心となっており新徴組の動きや益岡等の薩摩の暗躍等、興味深い。 時に勝の命を狙いに元氷川を訪れる刺客に対しての勝の応対も面白く且つその際の言葉に名言も多い。 また、勝の家族思いの一面もこの小説でなくてはならない部分。 以下引用~ ・「人間は、なんでも揺るがぬという事が大切だ。え、朝明けの富士を見て、びくともしねようになれあ、人間その時はじめて一人前だ」 ・「日本国というのは、どなた様のものか知ってるかえ、幕府のもんじゃあねえよ、まして薩摩のものでも、庄内のもんでもねえよ・・・みんな日本国というものを忘れているわさ」 ・「薩摩にゃあ、小松、西郷、大久保、中にも西郷吉之助という、幕府役人なんぞにゃあ、鉄の草鞋で探してもいねえ偉い奴がいる。まあ、したい事を黙ってさせて置け、あ奴あ何をやったって、ちゃんと目安をつけているよ」 ・「日本国の伝習生は、これから、短い間に、命がけで勉強をするんだ。え、いいか、それもおのが為にやるんではねえ。出世をしてえとやるんでもねえ、いいか日本国将来の為にする勉強だ。そんなのろまな遣り方でどうするんだ」 ・「幕府だって、薩摩だって、同じ日本国の人間だろう、それが喧嘩するに毛唐人の手を借りる、馬鹿馬鹿しいにも程がある。兄弟喧嘩あな、たとえどんなにやって見たところで何時かはけろりとしてしまうもんだ、それへ他人が入っていろいろやるから却って事が面倒になる。面倒になるのはともかく、恥ずかしくあねえか、恥ずかしくあ」
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幕府と薩摩、長州の対立は深まり、15代将軍慶喜の大政奉還、その後少しまでです。 この巻は時代の流れ、幕府からすれば非常に暗い約300年に及ぶ幕府終焉への流れ。大政奉還後、徳川は天皇の一配下という立場になるも、結果的には失敗した行動ののち明治維新への流れをつくる。勝海舟が表舞台に...
幕府と薩摩、長州の対立は深まり、15代将軍慶喜の大政奉還、その後少しまでです。 この巻は時代の流れ、幕府からすれば非常に暗い約300年に及ぶ幕府終焉への流れ。大政奉還後、徳川は天皇の一配下という立場になるも、結果的には失敗した行動ののち明治維新への流れをつくる。勝海舟が表舞台にでる前触れのような巻です。
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大政奉還の舞台で苦悩、活躍する人物たちの掛け合いが生き生きと語られる。が、一気に読まないと、いつの場面か時間の流れが掴みにくい瞬間ができる。少し冗長に感じる。10.8.17
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