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橋のない川(第6部) の商品レビュー

4.3

10件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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2024/04/21

植物と生きる生命本来の在り方が感じられる。 私が好きな住井すゑさんの生活の慎ましい幸福と、根を張る努力が描かれている。好きだ。 部落間差別が激募らせる時代では、貧民と一般の縁組ですら叶わない。 部落間では渡る橋もない大きな川が、映らずともごうごう流れる。 私は総括のようなこの...

植物と生きる生命本来の在り方が感じられる。 私が好きな住井すゑさんの生活の慎ましい幸福と、根を張る努力が描かれている。好きだ。 部落間差別が激募らせる時代では、貧民と一般の縁組ですら叶わない。 部落間では渡る橋もない大きな川が、映らずともごうごう流れる。 私は総括のようなこの第六部が好きだ。

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2023/06/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 この一週間は、読書の中心は「橋のない川」です。第7部はありますが完結編といわれた第6部迄一気に読了しました。12年余りで書かれた大長編、3271頁を1週間で(^-^) 第6部は大正12年の関東大震災から。水平社、朝鮮人、社会主義者などへの迫害が。住井すゑ「橋のない川(六)」、昭45.11刊行、506頁。小森、井野などの村と島名、松川など一般農村の間には、渡る橋もない大きな川がごうごうと流れている。船場の豊太に求婚された七重は、断りではなく遠慮の返事を。東京に行くまちえと小森に残る孝二の行方はどうなる?!

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2018/12/24

大逆事件や関東大震災の際の朝鮮人虐殺などを通じて、差別や、人が人を支配することの恐ろしさを描いている。道理としてはわかっていても実際に社会が変化することを好まない人々。これも現代に通じる感情。

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2014/03/22

折しも正月の最中、大正十三年一月一日のくだりに取りかかる。水平社が設立され、その波は全国へと広がる。関東大震災が起こり、混乱の中で復興を遂げようと立ち上がりはじめた、時代の大きな変化を肌で感じるような年の明けである。いつでも孝二を温かく見守るぬいの姿に、理想の母像を見たように思う...

折しも正月の最中、大正十三年一月一日のくだりに取りかかる。水平社が設立され、その波は全国へと広がる。関東大震災が起こり、混乱の中で復興を遂げようと立ち上がりはじめた、時代の大きな変化を肌で感じるような年の明けである。いつでも孝二を温かく見守るぬいの姿に、理想の母像を見たように思う。

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2013/07/28

ぬいの生き様が美しい。どんな境遇でも前向きに生きるって、簡単なようで難しい。変えたくて動いているのに、変わらないものがある。それが、己の心であったりするとき、切ない。読み進めずにはいられない。

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2012/09/09

表紙裏 大正12年の関東大震災は、小森の人々をもさまざまな嵐の中に投げ込んだ。東京にいたかねの娘はるえは、朝鮮出身の夫と子供をもぎとられて故郷に帰ってくる。隣家の藤作は下駄直しの経験から、にわか大工となって仲間と共に上京する。ひとりの力で生きるために東京での勉学を決意するまちえと...

表紙裏 大正12年の関東大震災は、小森の人々をもさまざまな嵐の中に投げ込んだ。東京にいたかねの娘はるえは、朝鮮出身の夫と子供をもぎとられて故郷に帰ってくる。隣家の藤作は下駄直しの経験から、にわか大工となって仲間と共に上京する。ひとりの力で生きるために東京での勉学を決意するまちえと、まちえへの思いを胸に小森で生き抜こうとする孝二と、それぞれの道に新しい日が訪れる。

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2011/12/02

とりあえず読み終えた!という達成感でいっぱいです。 何年かおいて7巻が刊行されたというので、年内に読み終えたい。 孝二ガンバレ、まちえガンバレ!!

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2011/02/13

孝二の周りに生きる女性たち、祖母ぬい、母ふで、七重、杉本まちえ、かね小母やん、は自分の人生をちからいっぱい生きている。その姿は美しくそして愛しい。

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2010/03/23

6巻目にして、題名の意味が語られている。 関東大震災での出来事、昭和天皇の結婚式で起こったことなど、 史実が物語にシンクロする。

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2009/10/04

とりあえず6巻まで一気に読んだので、ここで感想を書いてみる。日頃触れてはいけないような、そんな風潮があるし、感想を書くと言っても私なんかじゃ薄っぺらすぎるんだが。。まず、同和問題とは小学生のときに道徳で習ったことはあるが、それはもうなんというか、ただ「ひどい」「かわいそう」と同情...

とりあえず6巻まで一気に読んだので、ここで感想を書いてみる。日頃触れてはいけないような、そんな風潮があるし、感想を書くと言っても私なんかじゃ薄っぺらすぎるんだが。。まず、同和問題とは小学生のときに道徳で習ったことはあるが、それはもうなんというか、ただ「ひどい」「かわいそう」と同情をあおるような、そんなお粗末なものでしかなかった気がする。この本では歴史的な背景や経緯よりも、もっと本質的なもの、しいては「人」とは何者なのだと考えさせられる。物語は明治から大正にかけて差別される祖母、母、息子二人を中心に、その部落で生きる人々が数年にわたって描かれている。とりたててきつい描写や残酷さが表立つわけではなく、どちらかというと淡々と描かれているのが、返ってその差別というものの根深さや痛みを表現している。過去のものではなく、日本だけでなく、知らず知らず「人」の中、「私」の中にある「差別」。この本を読んで、人はなんて「生きる」以外の物事に労力を費やしているのだろうと、なんて無駄な思想にとらわれて生きているのだろうと、感じました。少し休んでからラストの7巻を読もうと思う。

Posted byブクログ