「坊っちゃん」の時代(文庫版)(第二部) の商品レビュー
森鴎外『 舞姫』のモデルになったエリス・バイゲルトのエピソード。明治という時代は個人が生きるも死ぬも国とともにあった時代。森鴎外はドイツで生まれた恋を日本では手放さざるを得なかった。 複雑な事情…。
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エリスと、ヤクザモンの果し合いと、その意外な組み合わせが面白い。 また鷗外はこの巻の中心から常にずれ続けているということも。
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森鷗外「舞姫」の元となるエピソードで、本巻でも当然ながら著名人が多数関わってくる。欧州で出会ったドイツ女性と恋に落ち、日本で結ばれようと約したが、軍(出世)と家(跡取り)双方の事情から一方的に別れを切り出す鷗外。しかし、似たようなジレンマは現代人でも起こり得るのではないだろうか。...
森鷗外「舞姫」の元となるエピソードで、本巻でも当然ながら著名人が多数関わってくる。欧州で出会ったドイツ女性と恋に落ち、日本で結ばれようと約したが、軍(出世)と家(跡取り)双方の事情から一方的に別れを切り出す鷗外。しかし、似たようなジレンマは現代人でも起こり得るのではないだろうか。鷗外が以降恋愛を封印し、仕事と執筆に傾注したのは、当時の日本人に士魂が生きていたからかも知れない。
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久々に再読。森鷗外とエリスのお話。舞姫の作中のエリスとは違ってエリスさんがけっこう押しが強いキャラクター。
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どこまで本当のことなのか分からないので、もうフィクションだと思って読むことにします。男のエゴの犠牲になったエリス。エリスがこれでもかというほど賢く美しく心清らかに描かれているので、森林太郎の狡さがより引き立ちます。フィクションだと思っていても、森鴎外のイメージは大幅にダウンしてし...
どこまで本当のことなのか分からないので、もうフィクションだと思って読むことにします。男のエゴの犠牲になったエリス。エリスがこれでもかというほど賢く美しく心清らかに描かれているので、森林太郎の狡さがより引き立ちます。フィクションだと思っていても、森鴎外のイメージは大幅にダウンしてしまいました。
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どこまでが本当の話でどこからが空想の話なのかわからないが、ゾッとするほど密度の濃い時代の中で偉人たちの関係が絡まっている。当時の日本の価値観や社会は愛だけでは抗いきれなかった。
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第2部の主人公は森鴎外。時代を遡って青年 森林太郎が帰国し、そのあとを追ってエリスが来日するところから。広瀬武夫、山本長五郎、仕立屋銀次、西郷四郎らが登場し、虚実混ぜながら2人の離別までを追う。 終盤、鴎外とエリスとが対峙する場面は圧巻。日本という小さく弱い国が近代国家となるため...
第2部の主人公は森鴎外。時代を遡って青年 森林太郎が帰国し、そのあとを追ってエリスが来日するところから。広瀬武夫、山本長五郎、仕立屋銀次、西郷四郎らが登場し、虚実混ぜながら2人の離別までを追う。 終盤、鴎外とエリスとが対峙する場面は圧巻。日本という小さく弱い国が近代国家となるために払わなければならない犠牲、その一方で連綿と続いてきた封建的家父長制度を守るために払わなくてはならない犠牲、近代化の中で日本が抱える矛盾を鴎外とエリスの決別に重ね合わせる。エリスに別れを告げる鴎外の姿は、矛盾を併せ呑みつつ近代化ヘ邁進する 国家としての覚悟の象徴であり、青年 林太郎としての完全な敗北宣言でもある。覚悟と敗北とを決めた鴎外にとってエリスとの別れは必然なのだ。
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それは鴎外 森林太郎の青春であった。いや近代日本の青春そのものであった。明治二十一年九月、鴎外を追いかけて、単身横浜港に降り立った舞姫エリス。
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なるほど、過去の歴史を今の目線で評価するのはフェアではない。しかし、森鴎外は当時の自分の考えと決断をアンフェアと判断したからこそ「舞姫」を書いたのだろう。当時の目から考えても、少なくとも森のなかでは自らの決断、外国人の恋人を捨て、母国に送り返すという判断を「非」と考えたのだろう。...
なるほど、過去の歴史を今の目線で評価するのはフェアではない。しかし、森鴎外は当時の自分の考えと決断をアンフェアと判断したからこそ「舞姫」を書いたのだろう。当時の目から考えても、少なくとも森のなかでは自らの決断、外国人の恋人を捨て、母国に送り返すという判断を「非」と考えたのだろう。でなければ、小説が小説のテーゼを為すわけがない。 森鴎外は医学の世界では脚気の原因を見誤り、観念論で多くの陸軍兵士を死に追いやった「愚物」である。同時に、文学界の大立者でありながら、愛する人を自らの立身出世のために捨てた「俗物」でもある。その彼をあえてテーマに挙げ、漱石とコントラストをなしながら表現した関川・谷口の思いを、僕らはしみじみと考え入る必要がある。
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前作よりもストーリーにご都合主義を感じる。 でも、その分印象的な場面(二葉亭の死去の場面とか)が生まれているのか。 登場人物がわからなくなるくらい多かった第1部に比べ、絞られて明確になっている印象。 その分、魅力であるところ、 我々にとっての著名人(印象として、「珍しいひと」で...
前作よりもストーリーにご都合主義を感じる。 でも、その分印象的な場面(二葉亭の死去の場面とか)が生まれているのか。 登場人物がわからなくなるくらい多かった第1部に比べ、絞られて明確になっている印象。 その分、魅力であるところ、 我々にとっての著名人(印象として、「珍しいひと」である・・・)が 有象無象の「同時代人」としているところの描写が薄くなっているのかな、とも感じる。 その為に、あえて坂道のポエム?ちっくな語りなんかを入れたのかしら、とも。
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