「坊っちゃん」の時代(文庫版)(第二部) の商品レビュー
単行本で読んだのは もう30年も前だろうか、 それが文庫になって 全巻を買い揃えて そのままになっていたのを つい最近手に取ってみた いやあ これは ますます 凄い作品である 年を経て 読み返すと 以前は読み飛ばしていたであろう 部分がほとんどなく これは こう言う意味を 持っ...
単行本で読んだのは もう30年も前だろうか、 それが文庫になって 全巻を買い揃えて そのままになっていたのを つい最近手に取ってみた いやあ これは ますます 凄い作品である 年を経て 読み返すと 以前は読み飛ばしていたであろう 部分がほとんどなく これは こう言う意味を 持っていたのだ が随所に満ち溢れてくる 至福の時間である
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関川夏央、谷口ジロー『『坊っちゃん』の時代 第二部 秋の舞姫』双葉文庫。 再読。単行本も持っており、既読ではあるのだが、先日たまたま立ち寄った古本屋で5巻揃いの文庫版の美本を目にし、少し迷いながら購入した。第1巻とこの第2巻が270円で、ほかの3巻は470円だった。全5巻で1,...
関川夏央、谷口ジロー『『坊っちゃん』の時代 第二部 秋の舞姫』双葉文庫。 再読。単行本も持っており、既読ではあるのだが、先日たまたま立ち寄った古本屋で5巻揃いの文庫版の美本を目にし、少し迷いながら購入した。第1巻とこの第2巻が270円で、ほかの3巻は470円だった。全5巻で1,950円というのは妥当な価格かな。 関川夏央と谷口ジローの名コンビによる大傑作漫画である。夏目漱石が『坊っちゃん』を僅か11日間で書き上げた明治という時代を中心に文豪たちの生き様と近代日本がテーマだ。 この第二部では、冒頭、森鴎外と不思議な関わりを持った二葉亭四迷の死が描かれ、森鴎外の青春と共に『舞姫』のモデルになったエリーゼ(エリス)・バイゲルトとの異国での出会いと哀しい別れのエピソードが描かれる。 林太郎に窮地を救われた踊り子のエリスは林太郎の後を追い、日本へ。しかし、個人よりも家や国家が重んじられた時代。軍医にして森家の長男である森林太郎に国際結婚など許される訳がなかった。 失われた歴史の断片を描くことにかけては右に出る者は居ない関川夏央の原作。同じく関川夏央が原作で、谷口ジローが描いた『西風は白い』を読んでみると歴史の断片の面白さそを知ることが出来る。 原作の面白さも去ることながら、谷口ジローの作画力も魅力の一つだ。プロレスラーとボクサーの筋肉の質を描き分けることの出来る稀有なる画力、山岳漫画に於ける圧倒的な高度感、生き生きとした動物の姿のといった表現力には驚かされる。そんな谷口ジローが明治という時代と文豪たちの心情をどう描いたのか…… 恋人のために命を投げ出す義の心がないことをエリスに看破される森林太郎の哀しさよ。最終ページの無言で去り行くエリスの後ろ姿に感動する。 関川夏央も、川上弘美も『坊っちゃん』は哀しい小説だと評しているが、『坊っちゃん』は敗者の小説だと思う。敗者の小説だからこそ哀しい小説なのだ。赤シャツや野だいこを山嵐と共に懲らしめた坊っちゃんさえも森鴎外と同様に結局は敗者となるのだ。いつの時代も全うに生きることは難しいのかも知れない。 本体価格600円(古本270円) ★★★★★
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森鴎外『 舞姫』のモデルになったエリス・バイゲルトのエピソード。明治という時代は個人が生きるも死ぬも国とともにあった時代。森鴎外はドイツで生まれた恋を日本では手放さざるを得なかった。 複雑な事情…。
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エリスと、ヤクザモンの果し合いと、その意外な組み合わせが面白い。 また鷗外はこの巻の中心から常にずれ続けているということも。
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森鷗外「舞姫」の元となるエピソードで、本巻でも当然ながら著名人が多数関わってくる。欧州で出会ったドイツ女性と恋に落ち、日本で結ばれようと約したが、軍(出世)と家(跡取り)双方の事情から一方的に別れを切り出す鷗外。しかし、似たようなジレンマは現代人でも起こり得るのではないだろうか。...
森鷗外「舞姫」の元となるエピソードで、本巻でも当然ながら著名人が多数関わってくる。欧州で出会ったドイツ女性と恋に落ち、日本で結ばれようと約したが、軍(出世)と家(跡取り)双方の事情から一方的に別れを切り出す鷗外。しかし、似たようなジレンマは現代人でも起こり得るのではないだろうか。鷗外が以降恋愛を封印し、仕事と執筆に傾注したのは、当時の日本人に士魂が生きていたからかも知れない。
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久々に再読。森鷗外とエリスのお話。舞姫の作中のエリスとは違ってエリスさんがけっこう押しが強いキャラクター。
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どこまで本当のことなのか分からないので、もうフィクションだと思って読むことにします。男のエゴの犠牲になったエリス。エリスがこれでもかというほど賢く美しく心清らかに描かれているので、森林太郎の狡さがより引き立ちます。フィクションだと思っていても、森鴎外のイメージは大幅にダウンしてし...
どこまで本当のことなのか分からないので、もうフィクションだと思って読むことにします。男のエゴの犠牲になったエリス。エリスがこれでもかというほど賢く美しく心清らかに描かれているので、森林太郎の狡さがより引き立ちます。フィクションだと思っていても、森鴎外のイメージは大幅にダウンしてしまいました。
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どこまでが本当の話でどこからが空想の話なのかわからないが、ゾッとするほど密度の濃い時代の中で偉人たちの関係が絡まっている。当時の日本の価値観や社会は愛だけでは抗いきれなかった。
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第2部の主人公は森鴎外。時代を遡って青年 森林太郎が帰国し、そのあとを追ってエリスが来日するところから。広瀬武夫、山本長五郎、仕立屋銀次、西郷四郎らが登場し、虚実混ぜながら2人の離別までを追う。 終盤、鴎外とエリスとが対峙する場面は圧巻。日本という小さく弱い国が近代国家となるため...
第2部の主人公は森鴎外。時代を遡って青年 森林太郎が帰国し、そのあとを追ってエリスが来日するところから。広瀬武夫、山本長五郎、仕立屋銀次、西郷四郎らが登場し、虚実混ぜながら2人の離別までを追う。 終盤、鴎外とエリスとが対峙する場面は圧巻。日本という小さく弱い国が近代国家となるために払わなければならない犠牲、その一方で連綿と続いてきた封建的家父長制度を守るために払わなくてはならない犠牲、近代化の中で日本が抱える矛盾を鴎外とエリスの決別に重ね合わせる。エリスに別れを告げる鴎外の姿は、矛盾を併せ呑みつつ近代化ヘ邁進する 国家としての覚悟の象徴であり、青年 林太郎としての完全な敗北宣言でもある。覚悟と敗北とを決めた鴎外にとってエリスとの別れは必然なのだ。
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それは鴎外 森林太郎の青春であった。いや近代日本の青春そのものであった。明治二十一年九月、鴎外を追いかけて、単身横浜港に降り立った舞姫エリス。
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