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黒い画集 の商品レビュー

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29件のお客様レビュー

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週刊朝日に連載された…

週刊朝日に連載された連作短編集。松本清張はリアリズムに焦点が当てられがちだが、日常の中から犯罪を創り出す想像力が他の作家とレベルが違う。それがリアルさにこだわる並の作家と、後世に残る作家との違いだと思う。

文庫OFF

2024/02/16

はるか昔に長編は殆ど読了。短編は好みでなかったが、懐かしい松本作品を堪能しました。 このテーマ、昔も今も変わりませんなぁ。

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2023/12/31

「日常」を舞台にした7篇の中短編集 心理的な対決を描く「遭難」 二転三転の展開に息を飲む「寒流」 アリバイ崩しの傑作「紐」 純情な中年男の愚かさと転落「坂道の家」 昭和的推理小説の世界にどっぷり浸かれる600ページ。古本屋で見つけたら即買いです

Posted byブクログ

2023/09/23

「証言」より 「この世がことごとく不合理な虚線の交錯に思われた。私生活が偶然にその網の目の中にはいり、個人の生涯を意地悪く破綻させるように思われる。」 「遭難」 可能性の犯罪を追求した大傑作、最後の最後まで分からずそこが魅力です。

Posted byブクログ

2023/08/11

ようやく読み終わった! というのも、分厚くてボリュームまんてん、そして物理的に重い!! 松本清張の本を読んだのは初めてだったのですが、スラスラ読めてしまう面白さでした。 短編7作という贅沢な内容! 手に取ったきっかけは、60年から61年にかけて公開された映画「黒い画集」シリー...

ようやく読み終わった! というのも、分厚くてボリュームまんてん、そして物理的に重い!! 松本清張の本を読んだのは初めてだったのですが、スラスラ読めてしまう面白さでした。 短編7作という贅沢な内容! 手に取ったきっかけは、60年から61年にかけて公開された映画「黒い画集」シリーズ三作を観たことでした。 「遭難」を原作とした「ある遭難」の脚本で、好きな映画監督の1人である石井輝男が参加していたことを知り鑑賞。 (「あるサラリーマンの証言」は橋本忍が脚本!) 松本清張は有名だし、たくさん映像化もされているけど、やはり昔の作品な上分厚いので読み切れるかなと少し不安がありましたが、読み始めると夢中になってしまいました。 7作とも愛憎渦巻く事件で、理性を飛び越えた衝動が人生を狂わせる、恐ろしくも、のぞき見ずにはいられない、そんな短編集でした。 面白かったので、松本清張の他の作品も読んでみたいなと思いました!

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2022/06/17

全編面白かった。 本書の主人公は「女」で踏み外す男ばかりである。 基本的にはモテない男が金目当てで近づいた女に毟られる展開だ。真面目に生きて来た冴えない男が、ふとした切っ掛けで女に溺れ、それを隠そうとしてドツボに嵌ったり、自分が浮気しているのに嫉妬したり、とても人間臭い物語ばかり...

全編面白かった。 本書の主人公は「女」で踏み外す男ばかりである。 基本的にはモテない男が金目当てで近づいた女に毟られる展開だ。真面目に生きて来た冴えない男が、ふとした切っ掛けで女に溺れ、それを隠そうとしてドツボに嵌ったり、自分が浮気しているのに嫉妬したり、とても人間臭い物語ばかりだ。 一言でいうと「格好悪い」男たちの藻掻き苦しんだ様を描いている。世間ではサスペンスのジャンルに入っているようだが、コメディーとして読める作品もあった。 とにかく格好悪い。格好悪い男たちの悪あがき小説である。 ●遭難 同僚三人の登山で一人が遭難で死亡。当初は事故とされていたが、死亡した同僚の従兄が同じコースを登山したいと相談してきた。登山に誘ったリーダーの男は承諾するが…。 ●証言 愛人の家を出たところで偶然近所の住人に出会った主人公。後日、その住人が殺人容疑で逮捕されたことを知る。主人公が見かけた時刻が犯行時刻と重なっていたため、アリバイ証言を求められる。しかし不倫を隠したい主人公は見ていないと嘘をつくのだった…。 ●天城越え 家出した少年は天城峠で一人の女と出会う。途中まで同行していたが、女は流れ者の土工と用があると言い出し、少年を一人で先に行かせるが…。翌日、土工は死体で発見されたのだった。 ●寒流 真面目な銀行員の主人公は料理屋の女将と不倫関係になるが、上司の役員に寝取られる。不倫相手に嫉妬した銀行員は上司と女将に横恋慕するが、左遷されてしまうのだった。復讐に燃える主人公は興信所を使い、不倫の証拠を集め始めるが…。 ●凶器 ある農村で頭を割られた死体が発見される。容疑者に言い寄られていたシングルマザーが浮かぶが、凶器とみられる鈍器は家の中からは発見されず…。 ●紐 河原で後ろ手に縛られた絞殺死体が発見される。当初は金の問題で犯罪組織に殺されたと見られていたが、担当刑事は死体の男の妻に違和感を感じて捜査を始める。しかし容疑者とされた妻は鉄壁のアリバイがあった。死体はなぜ仰向けからうつ伏せに裏返されたのか、丁寧な紐の締め方はなぜなのか? ●坂道の家 吝嗇で真面目な雑貨屋の男がホステスに嵌り、家庭も蓄財も仕事も失ってしまう。残り僅かな貯金を下ろし、ホステスと暮らすようになるが、男はホステスの家の風呂場で死体で発見されるのだった…。

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2021/11/14

黒い画集(新潮文庫) 著作者:松本清張 発行者:新潮社 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 愛憎渦巻く人の心を切り取った衝撃的な短篇作品集。

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2021/03/27

冒頭の「遭難」を読みたくて借りた。 松本清張の本は「黒革の手帳」以来だが、今回は短編集だが、一つ一つが手の込んだミステリーだった。 遭難は冬山登山の描写がリアルで、遭難の場面描写はぞっとした。 しかし昭和30年代前半に書かれているということで社会的な背景が古く、男女関係に関しては...

冒頭の「遭難」を読みたくて借りた。 松本清張の本は「黒革の手帳」以来だが、今回は短編集だが、一つ一つが手の込んだミステリーだった。 遭難は冬山登山の描写がリアルで、遭難の場面描写はぞっとした。 しかし昭和30年代前半に書かれているということで社会的な背景が古く、男女関係に関しては少し不快な思いもしたが、町の様子や駅の様子なども当時の状況も古く(当たり前だが)、よく知っている駅の周りの描写が、話の筋とは別にとても興味深かった。

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2018/11/26

短編七編のうち四編までが、男と女の愛憎を描いている。 一般論として、女の嫉妬は時として激しいが、男の嫉妬は醜悪に見える。 と、つくづく思わされたのが「坂道の家」である。 全体的には、男には男の立場の秘密、女にも同様に持ち合わせているのです。 自らの安全と出世を願う人たちは、誰しも...

短編七編のうち四編までが、男と女の愛憎を描いている。 一般論として、女の嫉妬は時として激しいが、男の嫉妬は醜悪に見える。 と、つくづく思わされたのが「坂道の家」である。 全体的には、男には男の立場の秘密、女にも同様に持ち合わせているのです。 自らの安全と出世を願う人たちは、誰しもが持っている不透明な部分を、見せかけのアピールで透明性を保つことで、組織の中で安心感を与え出世コースを辿るのであろうが、少しでも不透明な部分を見せてしまうと排除されてしまう。

Posted byブクログ

2018/10/01

浮気や不倫が発端で破滅の道へ。。そのなかでも「遭難」や「天城越え」はともかく、「寒流」や「坂道の家」は読んでて痛々しい。

Posted byブクログ