花紋 の商品レビュー
大分前に古本屋で購入してそのまま読まずにいた本です。今日読み始めて暇を見つけ見つけ読み、今読み終わりました。 やはり文章が上手ですね。畳み掛けるような物語の展開にいつの間にか引き込まれてしまいます。 一言で言うとこの本の主役は時代と言うものだろうな、と思いました。今の日本で...
大分前に古本屋で購入してそのまま読まずにいた本です。今日読み始めて暇を見つけ見つけ読み、今読み終わりました。 やはり文章が上手ですね。畳み掛けるような物語の展開にいつの間にか引き込まれてしまいます。 一言で言うとこの本の主役は時代と言うものだろうな、と思いました。今の日本でも勿論旧家のしきたりなどはあるでしょうがこれほどの重みと執念にも似た確執で受け継がれはしないだろうと思うのです。 そして解説にもありましたが実は一番不幸なのは婿養子だったのでは?と思わなくもありません。 いまや携帯電話やメールで世界の端まで連絡がすぐに取れる時代。便利になったけれども物語性は大分薄れたかもしれないな、と思いました。 面白かったです。
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河内長野で三百余年続く大地主の総領娘として生まれた女性の数奇な物語。 ほんと明治大正期に残る古くからの因習ってすげぇなって思う。 山崎豊子初期の作品ってことで読みにくい点や説明くさい点があるっていう指摘はもっともだけど、山崎作品に共通する寡黙で芯の強い主人公は尊敬する。 自...
河内長野で三百余年続く大地主の総領娘として生まれた女性の数奇な物語。 ほんと明治大正期に残る古くからの因習ってすげぇなって思う。 山崎豊子初期の作品ってことで読みにくい点や説明くさい点があるっていう指摘はもっともだけど、山崎作品に共通する寡黙で芯の強い主人公は尊敬する。 自分もそういう人間になりたい。
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極端な人たちばっかりの集まりだなぁ〜と無理を感じるも、主人公と同じように家だの格式だのの呪縛で一生を過ごしてしまった明治生まれの女性を何人か身近に見たことあり、あたまから「ばかばかしい」とは言えない。 自らが選んだのではない人生をイヤイヤ、ブツブツ、憎しみや怨念にかられて生き...
極端な人たちばっかりの集まりだなぁ〜と無理を感じるも、主人公と同じように家だの格式だのの呪縛で一生を過ごしてしまった明治生まれの女性を何人か身近に見たことあり、あたまから「ばかばかしい」とは言えない。 自らが選んだのではない人生をイヤイヤ、ブツブツ、憎しみや怨念にかられて生き、毛穴から内蔵した憎悪、恨みをフツフツとさせていた類と、観念諦観して(心中は淋しかったかもしれないけれど)飄々と生きていた類と二通り見た。 ま、両方いやだけど、後者の方がマシだろう。 主人公が自分の不幸な情感のみで生きていたのにとても歯がゆい思い。いづれにせよ、21世紀の今日、家だの伝統だのの呪縛に無理矢理押し込めるのは数少ないだろう。 が、天皇家に産まれた赤ちゃんの行方を国全体が勝手に決めて、本人の意思も何も無視しているのが遺憾。
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