1976年のアントニオ猪木 の商品レビュー
2月ルスカ戦、6月アリ戦、10月パク戦、12月ペールワン戦。1976年に猪木が戦った異常ともいえる4つの試合は、格闘技を変えた。世界各地に試合の当事者を訪ね歩くことで見えた、猪木の開けた巨大なパンドラの箱。 アントニオ猪木の天才ぶりと出鱈目ぶりがよく描かれている。世紀の凡戦と言...
2月ルスカ戦、6月アリ戦、10月パク戦、12月ペールワン戦。1976年に猪木が戦った異常ともいえる4つの試合は、格闘技を変えた。世界各地に試合の当事者を訪ね歩くことで見えた、猪木の開けた巨大なパンドラの箱。 アントニオ猪木の天才ぶりと出鱈目ぶりがよく描かれている。世紀の凡戦と言われたモハメド・アリ戦についてはこれまでも他の本で読んだことがあったけど、本作がいちばん真相に近いのではないか?いずれにしても1976年のこの4つの試合が今日までのプロレスに与えた影響の大きさに驚く。 (B)
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この本の作者の柳澤さんに原稿を依頼する機会が最近あったので、久しぶりに読み返してみるが、面白すぎて夜を徹して一気に読み終えてしまった。これは文句なし五ツ星のノンフィクション。 いまや世界的に普及した異種格闘技、総合格闘技、ないしバーリトゥドという格闘技のジャンルは、1970年代...
この本の作者の柳澤さんに原稿を依頼する機会が最近あったので、久しぶりに読み返してみるが、面白すぎて夜を徹して一気に読み終えてしまった。これは文句なし五ツ星のノンフィクション。 いまや世界的に普及した異種格闘技、総合格闘技、ないしバーリトゥドという格闘技のジャンルは、1970年代のアントニオ猪木による一連の異種格闘技路線と、明治初期に講道館の前田光世がブラジルに渡りエリオ・グレイシーに柔術を伝授した2系統が系譜であり、どちらにしても日本が発祥である。そして、猪木の路線が"大きな物語"であり、グレイシーの系譜が"地下水脈"となって、90年代~2000年代にそれらが合流して、とてつもない大河に変化する。 この本は、天才プロレスラーであった猪木が日本や世界を巨大な幻想に巻き込んだ一連の話を、1976年というたった1年に凝縮して取材しぬいた渾身のノンフィクションである。 何かおもろいかといえば、なぜ猪木がその路線を取るに至ったのかという理由。結局、ジャイアント馬場に対するコンプレックスの克服のため、プロレスのジャンルを超える必要があったということ、そして超えるための最大のアイコンがモハメッドアリであり、アリが猪木以外のプロレスラーと二度とやらないためにガチンコを仕掛け、結果として、当時のプロレス、格闘技ファンでは到底理解できない異様な試合となった為、興行的には大失敗、借金を背負ってしまった猪木は破れかぶれの思いの中で、韓国のパクソナン、アクラムペールワンに対して、めちゃくちゃな試合を展開して両者の目に指を入れ、腕をヘシ折り、その地におけるプロレス興行を崩壊させてしまった。。 のちに猪木が取る一連の破壊的行動の萌芽がそこには見て取れるし、当時まったく評価されなかったアリ戦は20数年後にUFC、グレイシー柔術の登場により伝説の試合として昇華していく。このあたりの経緯が実にスリリングかつリアルに描かれている。 この本では、特に後半においては、猪木のめちゃくちゃさ、悪さをあげつらいまくるわけだが、結局のところ、読めば読むほど猪木の天才さ、妖艶さが伝わり、読者を魅了して止まない。 そして、本の終わりは、以下の文章で閉められる。 「巨大なる幻想を出現させ、観客の興奮を生み出すのがプロレスラーであるならば、アントニオ猪木こそが世界最高のプロレスラーであった」 いまでは、「元気ですかー?」の変なジイさんになってしまった猪木だが、そこには我々が魅了されて止まなかったアントニオ猪木が描かれています。 プロレス好きでなくても、エンタメが好きな人であれば、超オススメの本。
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プロレスに興味もなく、アントニオ猪木は名前と顔を知っている程度の知識しかありませんが、おススメされて読んでみました。 プロレスに関してろくに知識のない私ですが、時々はてなマークを頭に浮かべつつも、面白く読むことができました。 この本をきっかけに格闘技やプロレスに興味を持ったかと...
プロレスに興味もなく、アントニオ猪木は名前と顔を知っている程度の知識しかありませんが、おススメされて読んでみました。 プロレスに関してろくに知識のない私ですが、時々はてなマークを頭に浮かべつつも、面白く読むことができました。 この本をきっかけに格闘技やプロレスに興味を持ったかと言えば、うーんとあいまいに頷くばかりですが、著者の客観的な視点や入念な取材などの努力が伝わってくる内容で、この著者は素晴らしいと感嘆。 興味本位の暴露本ではなく、質の高いルポタージュだと思います。
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アリを含む猪木の異種格闘技戦の内幕を描いたノンフィクションです。編集者出身だけあって、非常に読みやすい文章です。今年のベストワンは確定です。プロレスは、シナリオのあるショーであるという構図のもと描いています。多分、そうなんでしょう。ただし、ときどき、偶然や感情のもつれにより、リア...
アリを含む猪木の異種格闘技戦の内幕を描いたノンフィクションです。編集者出身だけあって、非常に読みやすい文章です。今年のベストワンは確定です。プロレスは、シナリオのあるショーであるという構図のもと描いています。多分、そうなんでしょう。ただし、ときどき、偶然や感情のもつれにより、リアルファイトがあるそうです。アントニオ猪木の異種格闘技は、当初は、フィックス・マッチだったそうです。感情のもつれから、意図せざるリアルファイトになったと指摘しています。真実はわかりませんが、そうだったかもしれないと思わせる説得力があります。また、前田、高田は、リアルファイトにひとかけらも興味がないそうです。本当でしょうか。そうだとすると、残念です。タイガーマスクに対する評価が高すぎるきがします。
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プロレスとは?が良く分かる渾身のノンフィクション。 プロレスに少しでも嵌ったことがある人間なら間違いなく楽しめる。
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題名から1976年ちょっと後くらいに書かれた本だと思い込んでて、後付け見たら2006年初版と最近で吃驚。最近書かれただけあって凄くよくまとまっている。アントニオ猪木の凄さ、破天荒さ、カリスマ、天才を知るには、この本は欠かせないかも。
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プロレスを殆ど知らない自分でも非常にわかりやすく面白く読めた。猪木好きかを問わず、格闘技興味ある人は読んでためになること請け合い。
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すごーっくおもしろいし、あまたある猪木本の中でも最高のいくつかでしょう。 しかし、私、偶然にも、この著者知り合いだったのです! 読了後知り、驚いたのですが・・・・ NUMBERで仕事で絡んだときに知り合いになった方なのですが、そんな驚きからすぐに連絡。 私のまわりの読者連...
すごーっくおもしろいし、あまたある猪木本の中でも最高のいくつかでしょう。 しかし、私、偶然にも、この著者知り合いだったのです! 読了後知り、驚いたのですが・・・・ NUMBERで仕事で絡んだときに知り合いになった方なのですが、そんな驚きからすぐに連絡。 私のまわりの読者連中で集まって食事会を開き、著者の柳澤さんを招待させていただくということになりました! しかし、柳澤さんの話はめちゃくちゃおもしろかった! 異常な格闘マニアック話ですが、これだけの知識量で書いている人はおそらくいないでしょう。 2001年ころのNUMBERの「猪木の惑星」という特集が人生を変えてしまったことになるわけですが、とにかく、パキスタン取材とか、オランダ取材とか半端ない。 カットした原稿が死ぬほどあるみたいで、絶対読みたいので、読ませてくださいとおねだりしたりしました。 この本書くのに取材費1000万円くらいかけたみたいだけど、印税考えてもド赤字!
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デタラメにおもしろく、あっという間に読了。読んでいるうちに何が現実で、何が嘘なのか境界線がどんどんぼやけてくる奇妙な体験を味わった。その境界線を駆け抜けるアントニオ猪木という男の魅力。プロレスの歴史書としても素晴らしい。
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2008年113冊目。これは、プロレス・格闘技好きにはたまらない1冊です。この単行本では、アントニオ猪木先生のインタビューは掲載されておりませんが、文庫版ではインタビューが追加されております。文庫版も要購入です。
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