キッドナップ・ツアー の商品レビュー
父と娘のひと夏のロードームービー。児童向けだが、父親視点で読むと深く感じ入る物語。人の世の不条理や不平等、誰のせいでもない縁と運...。それでも繋がっているもの...。読後はちょっと切ないが、心穏やかになる一冊。ドラマ化も気になる。見てみたい。
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大好きな作品。小学生の頃に汗かきながら遊ぶ夏休み、一段と特別なことをしなくてもキラキラしてて大好きだったなあ。とじんわり思い出す。
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夏休みの初日に、家からいなくなったお父さんに誘拐されたという事件めいた設定だが、実のところ本人も了承済みの誘拐。本文はその誘拐された小学5年生のハルという女の子の視点から描かれている。 金もなく、だらしなく、計画性も全くない所謂ダメなろくでもない父親だが、なぜかその存在は憎め...
夏休みの初日に、家からいなくなったお父さんに誘拐されたという事件めいた設定だが、実のところ本人も了承済みの誘拐。本文はその誘拐された小学5年生のハルという女の子の視点から描かれている。 金もなく、だらしなく、計画性も全くない所謂ダメなろくでもない父親だが、なぜかその存在は憎めない。娘に対する愛情が感じられるからかなとも思う。そんなろくでもない父親でも光り輝いて見えることがある。そのようなちょっとした人生における煌きのような余韻を残す作品。 2000年に路傍の石文学賞を受賞した作品。
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紙の月が面白くて角田光代さんの本二冊目。 紙の月もそうだが、文章での具体的な説明がなくても見えて来る。 重要な事柄でも説明をしない。 それでも内容は成り立ち、説明がない分、余計にほかの部分が重要に見える。 父と母は何を取引していたのか、今後はどうなるのか、結婚から離婚まで呑み話や...
紙の月が面白くて角田光代さんの本二冊目。 紙の月もそうだが、文章での具体的な説明がなくても見えて来る。 重要な事柄でも説明をしない。 それでも内容は成り立ち、説明がない分、余計にほかの部分が重要に見える。 父と母は何を取引していたのか、今後はどうなるのか、結婚から離婚まで呑み話や叔母さんの話など具体的に説明しないが、空白の事柄が父と子供の関係性を深く見せてくれる。 角田光代さんは空白を楽しんでいるのか。 最後は両親が再婚してハッピーエンドになるかと思った読者も多いのでは
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父親と娘の絆が旅を重ねてどんどん深まっていく物語。 文体は全体的に読みやすく、子供の目線で凄く上手く物事を描くなぁと感じたが、だからこそお父さんとお母さんに何があったのか、取引は何だったのか、お父さんの現状などおそらくみんなが気になっていたであろうことが何も分からないまま物語が終...
父親と娘の絆が旅を重ねてどんどん深まっていく物語。 文体は全体的に読みやすく、子供の目線で凄く上手く物事を描くなぁと感じたが、だからこそお父さんとお母さんに何があったのか、取引は何だったのか、お父さんの現状などおそらくみんなが気になっていたであろうことが何も分からないまま物語が終わってしまいなんとも言えない物足りなさを感じました。 個人的に、読者の想像にお任せします系はあまり好みではなく…
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親子の温かい話でした 主人公がお父さんよりも大人だけどちゃんと子供らしい繊細な一面もあって可愛らしかった
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親子関係がイマイチわからなく共感もできず終始戸惑いながら読み進んでました。 んー、、、家族の絆的なこととか人生の楽しみ方みたいなのを汲み取るとこらなのですが、人物像を想像できないまま夏が終わってしまいました。 タイトルは面白そうだったのですが。
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二ヶ月間家に帰って来なかった好きでも嫌いでもない父親がユーカイという名目の下、小学生の主人公と色々旅をして絆を確かめ、深めていくハートウォーミングストーリー。主人公のマセた部分とまだまだ子供の部分がなんとも可愛く描写されてます。 定期的にジーンとするようなシーンが散りばめられてて...
二ヶ月間家に帰って来なかった好きでも嫌いでもない父親がユーカイという名目の下、小学生の主人公と色々旅をして絆を確かめ、深めていくハートウォーミングストーリー。主人公のマセた部分とまだまだ子供の部分がなんとも可愛く描写されてます。 定期的にジーンとするようなシーンが散りばめられてて最後まで飽きない作品です。是非一度読まれてはどうかと。 個人的には母親と何を電話で話していたかを明かしてほしかったけど、もしや電話をするふりして実は母親とは何も話してなかったとか??
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角田光代の代表作の一つということで読んでみた。子供の誘拐がテーマと聞いて、八日目の蝉をイメージしたのだが、ハートウォーミングな物語だった。 夏休みが始まり、退屈を持てあましていた主人公の前に離婚した父親が現れる。父は「誘拐」という言葉を使い、予定の決まっていない旅に主人公を連れ...
角田光代の代表作の一つということで読んでみた。子供の誘拐がテーマと聞いて、八日目の蝉をイメージしたのだが、ハートウォーミングな物語だった。 夏休みが始まり、退屈を持てあましていた主人公の前に離婚した父親が現れる。父は「誘拐」という言葉を使い、予定の決まっていない旅に主人公を連れ出すのだった。 行き当たりばったりな父の行動と、反抗しながらもその生活を楽しみ始める娘。海から山の寺、そしてキャンプ場。父親は所持金が少ないらしく、後半の旅はまるでホームレス親子のような状況だ。しかし、悲壮感はない。口うるさい母親から離れ、だらしないが自由な暮らしの父親との時間を愛おしむ主人公。 「八日目の蝉」や「紙の月」でも感じたが、本作でも淡々とエピソードを積み上げていく中で、主人公の微細な心理の変化を表現している。サスペンス小説家のイメージを持っていたが、きっと細かな心理描写を描くタイプの作家なのだろう。
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おとん、何がしたかったんや… 起こっていることの裏側が明らかにならないまま。あくまで子ども視点を貫いたから?もやもやでもなく、何か、こう、着地しなかった感があり落ち着かない。
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