女神 の商品レビュー
自分の理想どおりに妻…
自分の理想どおりに妻を、そして娘を変えていく。屈折しているようで、男なら誰にでもある感情にも思える。妻が屈折し、娘も屈折しゆがんでいき、さらにそれをとりまく男性もゆがんでいる。しかし、破綻せずに、美しくタイトルも納得の結末。三島由紀夫らしい作品だ。
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『美』というものを持…
『美』というものを持ち合わせることが、必ずしも幸福に直結しない、完全なる純粋な美は存在しない。そう信じたいけれども、あの様々な紆余曲折の先に見出された帰結は、なんと美しいことか。
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娘を美しくするために…
娘を美しくするために愛しすぎた男と娘の結末は
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三島由紀夫らしいです…
三島由紀夫らしいです。女神は特にそんな感じのする作品でした。短編集です。女性は美しくなければいけないという観念のもとに、妻を、そして娘を変えていく。一種の深い愛情表現なのかなと思いました。。
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女性の価値は美にしか…
女性の価値は美にしかないという信念を持った男。その妻が顔に火傷を負った時、男は……。読みやすく面白い短編が揃っています。
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美の「型」と「破」――そんな対比を見取り図に写し取りながら、読了。 先ずこの話では、そもそも型がないものは(斑鳩ひとりを除いて)取り扱われていない。舞台であるアッパー・クラスの世界には、磨き抜かれた社交の型がある。 しかし情念や現実は、その型をはみ出す。結末を見る限り、...
美の「型」と「破」――そんな対比を見取り図に写し取りながら、読了。 先ずこの話では、そもそも型がないものは(斑鳩ひとりを除いて)取り扱われていない。舞台であるアッパー・クラスの世界には、磨き抜かれた社交の型がある。 しかし情念や現実は、その型をはみ出す。結末を見る限り、三島はこの型と破の一対を美と見たのではないかと感じた。 斑鳩の解釈は難しい。妙に憎めない感じもするし、畢竟朝子にとっては他者だったのだろうという感じもする。 -- それにしても、斑鳩と永橋のそれぞれに「一」と「俊二」という名前を付けたのは本当に皮肉が効いている。
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初めて三島由紀夫の本を読んだ。作者のインパクトが強いので、今まで無意識に敬遠してたかも。作者と作品は分けて考えなきゃいけないとは思っているけど、どうしても著者のイメージからして、何か読み手を説き伏せるような、作者の論を読者に説得させようとする作風なのかなと勝手に想像していたため...
初めて三島由紀夫の本を読んだ。作者のインパクトが強いので、今まで無意識に敬遠してたかも。作者と作品は分けて考えなきゃいけないとは思っているけど、どうしても著者のイメージからして、何か読み手を説き伏せるような、作者の論を読者に説得させようとする作風なのかなと勝手に想像していたため、近代文学が好きだと自称するのならいつか読まなきゃなと思いながらも手が遠のいていた。 この『女神』は宮田ナノさんの『ハラヘリ読書』というエッセイで紹介されていて興味をもった。実際読んでみて驚いたのが、三島由紀夫ってこんな文章を書くんだということ。美しく、気品のある女性を描き、しかも女の私から見てもそれらは嫌味がなく、男目線での幻想的な女というよりは、女目線でも憧れを感じる理想的な女性像なのである。なんか今までミシマ文学を誤解していたな、と強く感じた。 個人的なことだが私は短編集を読むことが苦手であるし、作中には難しい文章で読みづらい作品もあったが、それを加味しても読んで良かったなって思える本。「女神」と「侍童」が特に好き。
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朝子は斑鳩や俊二との出会いと惜別を通して、人間の悲劇や愛欲などに決して蝕まれない、大理石のように固く明澄な芳しい存在に化身する。 →これは人間(女)と言う括りの中で最上級の美を求める周伍という父そのものを超越したことと同義である。 『女神』は(老化という)自然と文化との対立構造...
朝子は斑鳩や俊二との出会いと惜別を通して、人間の悲劇や愛欲などに決して蝕まれない、大理石のように固く明澄な芳しい存在に化身する。 →これは人間(女)と言う括りの中で最上級の美を求める周伍という父そのものを超越したことと同義である。 『女神』は(老化という)自然と文化との対立構造を描いた作品のように見えるが、その他の短編はあくまで耽美で自然的な男女の恋愛模様を描いた作品のように感じた。 接吻 哲学 白鳥 どのような時代にも、青春の生きにくさは外部よりも内部にある。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「周伍にはオリンピックの女流選手というものは、どうしてもグロテクスな存在としか思えなかった」女神は三島由紀夫の女性の美しさに対する尖りまくった考え方が摂取できる。
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文章がとても美しく、うっとりとした気持ちになりながら読むことができた。 女神、雛の宿が特によかった。
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