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花ざかりの森・憂国 の商品レビュー

4

133件のお客様レビュー

  1. 5つ

    42

  2. 4つ

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『憂国』は三島由紀夫…

『憂国』は三島由紀夫が求め続けた理想の原点かと思います。揺るがない美意識、自己愛、すべてがこの短い作品にあります。

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この短編集はとにかく…

この短編集はとにかく『憂国』に尽きます。三島由紀夫の作家としての表現力の凄さに思わず鳥肌が立ってしまいます。

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『憂国』はまさしく様…

『憂国』はまさしく様式美の世界。『花ざかりの森』は若書きの作品ですが、さすがと思わせる出来です。

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収録作のうち、最も驚…

収録作のうち、最も驚いたのは「卵」です。かつてただ一人の批評家にも読者にもみとめられたことのない珍品でありながら、著者の「偏愛の対象」になっているそうです。

文庫OFF

2023/07/23

作者の短編という所に新鮮みを感じる。 年代順に作品が並べられているが、キャリア最初期はやはりまだ読みにくい。 実験的なアイデアもあり作者の血肉をしっかりと感じれる他、『憂国』は目が覚めるような堂々の名作。

Posted byブクログ

2023/05/11

表題作のひとつ、「花ざかりの森」からして、どの話もその文体の独特の、それでいて読みやすい美しさに惚れ惚れした。 花ざかりの森は私の読解力不足でなかなか理解が難しかったが、なぜか読み進められさせた。後々読み返したら、きっとその良さがさらに分かるだろうなと期待して。 「卵」のナンセ...

表題作のひとつ、「花ざかりの森」からして、どの話もその文体の独特の、それでいて読みやすい美しさに惚れ惚れした。 花ざかりの森は私の読解力不足でなかなか理解が難しかったが、なぜか読み進められさせた。後々読み返したら、きっとその良さがさらに分かるだろうなと期待して。 「卵」のナンセンスさと奇妙さと、落語のようなおかしさがすごく好き。多分本短編集の中で一二を争うくらい好きだ。 卵と並んで好きで、その憂いと儚さと耽美さを、それ以外にも一口で表現しきれない何某かを孕んだ「海と夕焼」「憂国」も良かった。 どちらもまた違う魅力があった。 「月」はタイトルを月と書いてmoonと読みたいような物語だった。 「橋づくし」には引き込まれた。この物語はどのような結末を迎えるのだろうとドキドキさせられた。 「女方」の万菊の艶やかさといったら。それを見る主人公視点の語り口といったら。 巻末の解説も作者によるもので、読み応えがある。 花ざかりの森は渋々載せたという文言にクスリときた。 浅い感想になってしまったが、読み深めていきたいと思わされる短編集だった。 以下備忘録がてら目次をば。 花ざかりの森 中世に於ける一殺人常習犯の遺せる哲学的日記の抜萃 遠乗会 卵 詩を書く少年 海と夕焼 新聞紙 牡丹 橋づくし 女方 百万円煎餅 憂国 月

Posted byブクログ

2022/01/28

処女作は著者自身を現すとの通り三島由紀夫の人生は花ざかりの森の主人公ほ最後の青春の死。それそのものだった。

Posted byブクログ

2021/07/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 収録13編中、既読は「卵」と「憂国」のみ。前者はユーモア小説のアンソロジーで読んだ記憶がある。主役五人組は仏教の五戒にちなんで命名されている。  「橋づくし」と「百万円煎餅」に感銘を受けた。後者のラスト、この若夫婦は白黒ショーのお座敷ストリッパーのようなものなのか? いや、そう解釈する自分が汚れているのか? 迷った挙げ句、検索。三島クラスになると、短編に至るまで全作品の項目がウィキペディアに立っている。……私の解釈で合っていた。  最後に表題作の一つ「花ざかりの森」を読む。嶮山をよじ登るような読み心地。16歳でこれを綴るか! 語句を調べつつ読むうち、40頁に4時間を費やした。戦時下の1944年に出版され、1週間で4千部が売れたという。日本は本当に戦争をしていたのか?

Posted byブクログ

2021/01/01

「橋づくし」がいいと誰かが書いていたので読む.仰々しくない設定の中で巧さが冴える. 「憂国」はわたしには無理.読んでて不愉快になる.「遠乗り会」はいい. 半分ほど付き合ったのでこれくらいで.

Posted byブクログ

2020/12/27

三島由紀夫は、自己分析に優れている。解説に強い共感をおぼえた。「花ざかりの森」が駄作であることは本人も認めているところだ。「憂国」は三島本人の10年後を予感させる話。「卵」は漱石が書いていてもおかしくないし、「海と夕焼け」は芥川が書いていてもおかしくない。いちばん良かったのは「詩...

三島由紀夫は、自己分析に優れている。解説に強い共感をおぼえた。「花ざかりの森」が駄作であることは本人も認めているところだ。「憂国」は三島本人の10年後を予感させる話。「卵」は漱石が書いていてもおかしくないし、「海と夕焼け」は芥川が書いていてもおかしくない。いちばん良かったのは「詩を書く少年」ではなかろうか。全部に言えるかは心許ないが、短編ならではのオチもよかったと思う。

Posted byブクログ