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人生論ノート の商品レビュー

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71件のお客様レビュー

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2017/03/21

「哲学・思想という分野に興味はあるが、とっつきにくい」 という固定概念があったがこの本は大正解。 難解なカタカナ用語が時々出てくるが、抽象的な表現はなく非常に具体的で簡潔。先人の思想や著者の自説を交えながら日常的に使える考えやヒントが豊富。 戦前の著書だが、システムや価値観が多様...

「哲学・思想という分野に興味はあるが、とっつきにくい」 という固定概念があったがこの本は大正解。 難解なカタカナ用語が時々出てくるが、抽象的な表現はなく非常に具体的で簡潔。先人の思想や著者の自説を交えながら日常的に使える考えやヒントが豊富。 戦前の著書だが、システムや価値観が多様化した現在の方がしっくりくるような提言ばかり。 ハンパな自己啓発本よりもはるかに価値ある一冊。

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2016/10/16

普段自分が持つような疑問、考えに真正面からこたえてくれる。文体も量も読みやすく、感銘を受けた文章がたくさんある。これから何度も読み返したい。「君たちはどう生きるか」と並ぶ、個人的に枕元にでも置いておきたい一冊。

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2016/04/21

烏兎の庭 第二部 書評 10.2.04 http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto02/bunsho/mikiy.html

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2016/01/11

三木清は、京都帝大で西田幾多郎に学んだ後、ドイツに留学しハイデガーらの教えを受けた、昭和初期に活躍した京都学派を代表する哲学者。 本書は、死、幸福、懐疑、習慣、虚栄、名誉心、怒、人間の条件、孤独、嫉妬、成功、瞑想、噂、利己主義、健康、秩序、感傷、仮説、偽善、娯楽、希望、旅、個性と...

三木清は、京都帝大で西田幾多郎に学んだ後、ドイツに留学しハイデガーらの教えを受けた、昭和初期に活躍した京都学派を代表する哲学者。 本書は、死、幸福、懐疑、習慣、虚栄、名誉心、怒、人間の条件、孤独、嫉妬、成功、瞑想、噂、利己主義、健康、秩序、感傷、仮説、偽善、娯楽、希望、旅、個性という23のテーマについて論じた評論集。 昭和50年代の大学受験の(模擬)試験問題では、丸山眞男の『日本の思想』、小林秀雄の『考えるヒント』とともに定番となっていたのを懐かしく思い出す。 死について・・・「執着する何ものもないといった虚無の心では人間はなかなか死ねないのではないか。執着するものがあるから死に切れないということは、執着するものがあるから死ねるということである。深く執着するものがある者は、死後自分の帰ってゆくべきところをもっている。それだから死に対する準備というのは、どこまでも執着するものを作るということである。私に真に愛するものがあるなら、そのことが私の永生を約束する」(これは、佐野洋子の『100万回生きたねこ』に通じると言えようか) 幸福について・・・「機嫌がよいこと、丁寧なこと、親切なこと、寛大なこと、等々、幸福はつねに外に現われる。歌わぬ詩人というものは真の詩人でない如く、単に内面的であるというような幸福は真の幸福ではないであろう。幸福は表現的なものである。鳥が歌うが如くおのずから外に現われて他の人を幸福にするものが真の幸福である」等、今にして深く頷かせるセンテンスが多い。 70年ほど前の著書でありながら、古さは感じさせないし、見事なレトリックで綴られた文章は思いのほか理解もしやすい。 尚、現代哲学者の木田元の『新人生論ノート』(2005年・集英社新書)には、「三木清と『人生論ノート』について」という一章があるが、本書の(愛)読者としては一度目を通しておきたいものである。 知命を過ぎた人々には懐かしく、若い人々にも手に取る価値のある作品と思う。

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2015/12/30

学生時代から手元に置いてあった本。これまで、人生誤りそうになっても軌道修正ができたのは、本書のおかげです。 難解な文章が多い反面、アフォリズム形式でわかりやすく書かれた箇所もあり、拾い読みでも収穫が大きいです。 『怠惰と我執と傲慢とほど、私達を自己の本質の理解から遠ざけるもの...

学生時代から手元に置いてあった本。これまで、人生誤りそうになっても軌道修正ができたのは、本書のおかげです。 難解な文章が多い反面、アフォリズム形式でわかりやすく書かれた箇所もあり、拾い読みでも収穫が大きいです。 『怠惰と我執と傲慢とほど、私達を自己の本質の理解から遠ざけるものはない。』(『個性について』より) …実社会で、自己の本分に打ち込み、充実した生を送っている人と、地に足がつかずに劣等感に苛まれてる人との違いが、端的に述べられていると思います。

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2015/06/10

これから人生を生きていくために参考になる言葉がいくつか見つかった。再度読み直した際に、発見できる味わいもあると思う。再読必須

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2019/09/20

1945(昭和20)年9月、敗戦からわづか一か月後、三木清は獄中にて病死しました、即ち今年は没後70年に当る年であります。驚くべきことに、現在でも新しい読者が生れてゐるさうです。なるほど、新潮文庫の改版歴を見ても頷けるところですな。 『人生論ノート』は学生の頃、「新潮文庫の10...

1945(昭和20)年9月、敗戦からわづか一か月後、三木清は獄中にて病死しました、即ち今年は没後70年に当る年であります。驚くべきことに、現在でも新しい読者が生れてゐるさうです。なるほど、新潮文庫の改版歴を見ても頷けるところですな。 『人生論ノート』は学生の頃、「新潮文庫の100冊」に選ばれてゐたので読んだ覚えがあります。当時の正直な感想としては、まづその不貞腐れた(と、その時は思つた)文章に「うは」と思ひました。ドイツ語直訳調と呼ばれる文体にも拒否反応を示し、その後手に取ることはありませんでした。 しかるに何ぞや、年齢を重ねた今再度読んでみますと、実に味はひのある一冊でございます。あの嫌味でひねくれてゐると感じた文章も、実は茶目ッ気たつぷりではありませんか。わたくしは、一種のアフォリズム集として受け止めました。 試しに、任意に本書を開いてみ給へ。さまざまな警句・箴言が散りばめられてゐるのであります。即ち。 「幸福はつねに外に現われる。歌わぬ詩人というものは真の詩人ではない如く、単に内面的であるというような幸福は真の幸福ではないであろう」(幸福について) 「模倣と習慣は或る意味において相反するものであり、或る意味において一つのものである」(習慣について) 「虚栄は人間的自然における最も普遍的なかつ最も固有な性質である」(虚栄について) 「怒は復讐心として永続することができる。復讐心は憎みの形をとった怒である」(怒について) 「孤独は山になく、街にある。一人の人間にあるのでなく、大勢の人間の「間」にあるのである」(孤独について) 「感傷はたいていの場合マンネリズムに陥っている」(感傷について) などといつた塩梅であります。 学生時代まだ健在だつた小林秀雄が、「最近は新しい書物を読みたいといふ気持ちがなくなり、気に入った古い本ばかり繰り返し読んでゐる。読書の楽しみとはさういふものではないか」みたいな事を述べてゐました(正確な発言ではなく、要旨であります)。 その時は「新刊書に興味を持てなくなるとは、堕落ぢやないのか、何が知の巨人だよ」と毒づいてゐたのですが、この『人生論ノート』を再読しますと、「ああ、かういふ事を言つてゐたのかなあ」と納得するのでした。 http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-549.html

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2014/12/20

すっごい難しくて、途中「よくこんな小難しいことが言えるな。」と愚痴ってしまったが、所々、「そうか!」とか「そういう考え方もあるのか」という文もある。 哲学者だけに難しい。大学卒業後に書いた「個性について」の終わりはとても良かった。

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2014/01/04

どのぐらい理解できたかはわからない。理解が難しいものもある。中学時代に美術の先生に勧められた。当時だったら早かったし、今初めて読むのも遅かったかもしれない。でも、読んでよかった。時を置いてから再読したい。

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2013/06/09

三木清(1897〜1945) ハイデガーに師事した哲学者。ファシズムに抗して獄中死。 この本に収められた「旅について」を読んだのは高校生のころ。ずいぶんと小難しい文章だなあ、と思った覚えがある。今再び読み返してみると、以前感じたほど難解な文章ではないし、もちろん哲学者らしい論理...

三木清(1897〜1945) ハイデガーに師事した哲学者。ファシズムに抗して獄中死。 この本に収められた「旅について」を読んだのは高校生のころ。ずいぶんと小難しい文章だなあ、と思った覚えがある。今再び読み返してみると、以前感じたほど難解な文章ではないし、もちろん哲学者らしい論理の運び方で頭を使わずには読めないのだけれども、ずいぶんと素直な文章だなあという印象。こころの赴くまま、さらさらとノートに書き付けた、みたいな、でも時折はっとっするような言葉が記されてる。全編を通じて感じたのは、「虚無」と「創造」。様々なことについて語っていますが、根本を成すキーワードはこのふたつではないでしょうか。あらゆる虚無に抗するものは創造である、と、そういうことではないか。非常に暗い時代に、こんなにも明晰な知性があった、彼の思索の軌跡がいまも読みつがれている、これこそが。

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