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明暗 の商品レビュー

4.1

70件のお客様レビュー

  1. 5つ

    22

  2. 4つ

    24

  3. 3つ

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吉川婦人に腹がたちま…

吉川婦人に腹がたちます。津田も彼女にそそのかされて昔の恋人に会いにいくなんて・・・。奥さんであるお延も悪い所はあるけどかわいい女性だと思った。これからクライマックス!というところで終わっているのが残念。

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漱石の最も長い長編小…

漱石の最も長い長編小説であり、漱石の死のために絶筆となった作品。複数の登場人物の心理描写に克明な視点を当て、日常の会話の中に激しい緊張状態を描き出した。筋だけでなく、このような描写が意味のある作品であるだろうが、と言ってもやはりあの場面で未完に終わっていることは、どうしても悔やま...

漱石の最も長い長編小説であり、漱石の死のために絶筆となった作品。複数の登場人物の心理描写に克明な視点を当て、日常の会話の中に激しい緊張状態を描き出した。筋だけでなく、このような描写が意味のある作品であるだろうが、と言ってもやはりあの場面で未完に終わっていることは、どうしても悔やまれる。

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こんなに面白い小説が…

こんなに面白い小説がこの世にあったのかという思いを久しぶりに感じました。 登場人物たちの腹の探り合いや、相手に対して優位に立とうとする駆け引きなど、ほとんど偏執狂的な心理描写にただ圧倒されました。未完であることはもちろん知っていましたが、こんないい場面で終わるとは…。物語の先を想...

こんなに面白い小説がこの世にあったのかという思いを久しぶりに感じました。 登場人物たちの腹の探り合いや、相手に対して優位に立とうとする駆け引きなど、ほとんど偏執狂的な心理描写にただ圧倒されました。未完であることはもちろん知っていましたが、こんないい場面で終わるとは…。物語の先を想像せずにいられないところも傑作である一因なのでしょう。

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漱石、最後の長編にし…

漱石、最後の長編にして、その死によって未完に終わった畢生の大作。

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2023/12/21

当時は延子の様な女性は人気が無かったのだろうか?現代に生きる自分には延子は自分の思いをストレートに表現出来、端々に可愛さが滲み出てくるいじらしい女性と感じるのだけれど、どうも主人公にとっては(また漱石にとっても)、魅力的に映っていない様である。 片や清子だが、主人公は彼女の何に...

当時は延子の様な女性は人気が無かったのだろうか?現代に生きる自分には延子は自分の思いをストレートに表現出来、端々に可愛さが滲み出てくるいじらしい女性と感じるのだけれど、どうも主人公にとっては(また漱石にとっても)、魅力的に映っていない様である。 片や清子だが、主人公は彼女の何に惹かれたのか?書かれている文章からでは、取り付く島のない、KY気味で、自主性にも欠ける様な女性に思える…となると、結局は美人だったからなのか?だとしたら非常に残念…… 考えてみれば、漱石の作品に於いて、女性は大きな役割を持っているものが多いし、恋愛を扱うものも多いのだけれど、女性の描かれ方や在り方について、何故だか違和感を覚えてしまう…

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2023/09/05

未完の遺作というこで、どんな終わり方になるのか期待しつつ、それからのストーリーを想像するものの先が読めない感じです。 とても緻密な心理描写に少し疲れを感じるのは、私だけでしょうか。何が《明》で何が《暗》、二項対立では消化できない人間の心の中を垣間見たような気がします。

Posted byブクログ

2023/07/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

作品「明暗」の興味深い所:この作品は夏目漱石が病死のため未完成の物語なので最後の終わりが分からないままなのですが、そこでこの後どうなったかなど推定してみたり、自身で物語の続きを考え、作り出すことも可能なため作品の内容もそうですが、物語の構成としてとても興味深い作品だと感じます。 作品「明暗」における津田と清子の思い:津田の元恋人の清子はあるとき急に津田の元から去り、今では違う男と結婚をしているが。津田はどうしても清子のことを忘れられず、妻お延を愛せないため、清子に会いに2人は再開しますが、清子の思いはこの物語では出てきません。しかし、清子の心情を書いた一文はたわいもない話というところです。ここからは、清子がもう津田を思う気持ちがあまりないように感じます。

Posted byブクログ

2022/06/30

愛されたい。尊敬されたい。自分の持つ欲望を満たしたい。相手が持つ欲望をさらけ出してやりたい。しかし自尊心と敬仰がそれらを遠ざける。そんな様子が登場人物の会話から伝わった。小林はそこに遠慮がなく、かなり刺さる人物だった。

Posted byブクログ

2022/02/24

長作であり未完。 もし続いていれば傑作ではと思う。 読み途中はあえて未完にした?など疑ったりしたけど、読了後の感想は実際まだまだこの先惑わす展開があっただろうにと思う。とにかく先が気になる。半ばで亡くなられたのが惜しい... 忘れられない女と宿で会った主人公の今後はいかに。 今は...

長作であり未完。 もし続いていれば傑作ではと思う。 読み途中はあえて未完にした?など疑ったりしたけど、読了後の感想は実際まだまだこの先惑わす展開があっただろうにと思う。とにかく先が気になる。半ばで亡くなられたのが惜しい... 忘れられない女と宿で会った主人公の今後はいかに。 今は"続明暗"という、水村美苗さんという方が想像で書かれた続編を読んでる。 このままの気持ちで終わるなんてと思っていたところで、漱石のものではないけれど続編を読めることにホッとしていたりします。よくぞ書いてくれました、ありがたいです。

Posted byブクログ

2021/08/30

津田由雄は30歳、延という23歳の女性と結婚して半年も経っていない。 お延とか延子とか呼ばれる彼女は細おもて色白、目が細いのだけど眉を動かすと魅力的である。 新婚なのに津田は病気で手術しなければならない、なのにしかしなにやら家計が苦しいのである。そのわけは新妻に高価な宝石の指輪...

津田由雄は30歳、延という23歳の女性と結婚して半年も経っていない。 お延とか延子とか呼ばれる彼女は細おもて色白、目が細いのだけど眉を動かすと魅力的である。 新婚なのに津田は病気で手術しなければならない、なのにしかしなにやら家計が苦しいのである。そのわけは新妻に高価な宝石の指輪をプレゼントしたから?いや、裕福に育った派手好きの彼女にいい顔をしたからに違いない。 気が強い新妻は新妻とて、なぜだか不安に付きまとわれる。一目ぼれの弱み、彼の愛情を独占したくてたまらないが、いまひとつすっきりしない。深いわけがありそうなきざしがあるのだ。 この夫婦がてんでばらばらならば、相談する津田の両親や親代わりの叔父夫婦と、延の親代わりの叔父夫婦らは、みんなそれぞれ、思い通りにはなってくれない。仲人も友人も妹も津田をつつきこそすれ、親身になってくれない。 くれない、くれないと言ったって、他人は思い通りにならないもの。その他人だって津田がエゴイストと思っているのだから。 その証拠に相思相愛と思っていた清子という人に逃げられた過去がある津田、どうもそんなところに原因があるらしい。らしいしかわからない。なぜなら漱石の死去によって絶筆になってしまったから。 いろいろあって津田が別れた清子を「どうして?どうして?」と温泉場まで追って、ストーカーまがいの行動に移っていくのにはあっけにとられる。漱石さんいいところで筆を置いちゃった。 とストーリーは通俗的?って思わない。ちゃんと立派な近代小説の始まりにして最高峰、そう、こんな長い会話文の(ドストエフスキーばりの)日本の小説が昔にもうあったんだね。迫力満点、おもしろいのなんの、さすが文豪。これを読んで小説を書きたいと思った人が多い、というのもわかる。いまごろわかって恥なんだが。 書いちゃった作家さん、あろうことか続きを書いちゃった水村美苗さんの「続 明暗」すごく楽しみなような、こわいような。

Posted byブクログ