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の商品レビュー

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158件のお客様レビュー

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許されない愛に生きる…

許されない愛に生きる男が、禅によって心の平安を得ようとする姿を描いています。

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主人公宗助は過去の罪…

主人公宗助は過去の罪を背負いながら、妻御米と淋しくも小さな幸せの中を生きている。しかし思いがけず罪の対象である安井の消息を知った宗助の幸せは混乱をきたす。思い立ち禅寺の門をくぐるもその試みは失敗する。俗世に生きることもそこから離れることもできぬ知識人の悲劇。この悲劇性は現代を生き...

主人公宗助は過去の罪を背負いながら、妻御米と淋しくも小さな幸せの中を生きている。しかし思いがけず罪の対象である安井の消息を知った宗助の幸せは混乱をきたす。思い立ち禅寺の門をくぐるもその試みは失敗する。俗世に生きることもそこから離れることもできぬ知識人の悲劇。この悲劇性は現代を生きる人々にも通ずる。

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漱石の前期3部作の3…

漱石の前期3部作の3番目にあたる。『三四郎』のその後の『それから』、『それから』のその後の『門』である。『それから』で一大決心をした主人公(とその妻)のその後の生活。二人の控えめながら落ち着いた日々。

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夏目漱石の課題は永遠…

夏目漱石の課題は永遠のものだと思うのですが、最近の文学からは見つけられないなというのが残念な気がしてきます。

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2024/04/12

親友の安井の妻である御米(およね)と結ばれた宗助は、以前は若々しい活気ある男だったのに、その罪の意識より父の遺産も叔父に任せて、ひっそりと暮らしている。御米と宗助はお互いに気遣いしているのはわかり、子供ができなくなった妻を優しく見守る宗助。安井が隣の主人の弟と知り合いで帰ってくる...

親友の安井の妻である御米(およね)と結ばれた宗助は、以前は若々しい活気ある男だったのに、その罪の意識より父の遺産も叔父に任せて、ひっそりと暮らしている。御米と宗助はお互いに気遣いしているのはわかり、子供ができなくなった妻を優しく見守る宗助。安井が隣の主人の弟と知り合いで帰ってくると聞いて、宗助は心を乱し、鎌倉の禅寺の門をくぐる。勢いで結ばれた二人の前途が幸福であるとは言えない。お互いに自分のせいでという罪の意識が見えてくる。夫婦ってなんだろうと考えてしまう。 2024年4月12日読了。

Posted byブクログ

2024/04/07

"こころ"で夏目漱石に惹かれて、内容もわからずとりあえず読んだ一冊。 起承転結がはっきりしているSFが好きな私でも、日常に潜む些細な感情を独特なセンスで表現している本書に読む手が止まらなかった。宗助と御米との幸せな夫婦生活の裏にある確かな影が人生の儚さと奥ゆか...

"こころ"で夏目漱石に惹かれて、内容もわからずとりあえず読んだ一冊。 起承転結がはっきりしているSFが好きな私でも、日常に潜む些細な感情を独特なセンスで表現している本書に読む手が止まらなかった。宗助と御米との幸せな夫婦生活の裏にある確かな影が人生の儚さと奥ゆかさを感じさせられた。タイトルにもある"門"と宗助との繋がりも読んでいただきたい。

Posted byブクログ

2024/03/27

題名『門』の意味を考えながら読んでみましたが、どうも題名は他者に依頼して命名された ようです。ストーリーにちょっと唐突感があり、戸惑う感じです。 『三四郎』『それから』と共に三部作をなし、そのしめくくった作品のようですが、遡って前二作を読んで、本作品を眺めてみたいです。

Posted byブクログ

2024/02/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

年齢のせいか、『三四郎』よりも、『それから』よりも、『門』が1番今の自分の感覚にしっくりと来た。 宗助と御米のような罪を犯したことはなくとも、生きれば生きるほど、過去の自分の行動に対しての後ろめたさや後悔は年ごとに積もっていく。 三四郎や代助が、若さの中で自分の気持ちに素直に生きていたのとは対象に、代助はその若い時分に犯した過ちを永遠に背負って生きていくことになる。 幸せなことに対する罪悪感を抱きながら、影に隠れて御米と二人でひっそりと暮らしていく様に、ある程度歳を重ねた人であれば、共感もあるだろう。 宗助と御米夫妻は不仲とは縁遠い場所におり、二人でいることに静かな幸せを感じているだろう。だが、その幸せも過去の罪の上に成り立っている。 二人が一緒にいる限り、過去への後ろめたさへの葛藤は永遠に拭いきれないことに、読者としてもやるせなさを感じてしまう。

Posted byブクログ

2023/11/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

それからを読んだ後に読んだせいか、「あれ?もう終わり?」が一番の感想だった。社家族からも、友人からも、社会からも見捨てられた宗助と御米の暮らしはずっと暗くて楽しいのだろうかと思った。 2人の世界には2人しかいなくて、小六が入ることさえ好まなかった。お互いに依存してるんだなと思った。安井と鉢合わせするかハラハラしていたが、結局しなくて少し残念だった。それからのインパクトが強すぎたため物足りなかったが、御米が熱を出した時の宗助の慌てようが面白かった。

Posted byブクログ

2023/10/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なんというか始終暗く怯えながらもほそぼそと普通に暮らしていく過程があり。 何か問題が起こるかと思わせてそれがなにか解決していくと見せかけて結局問題も起きず解決も見せずまた薄暗い生活が続いていく感じだなぁ。 何度か読むと味が出てくるかもしれんが今はこのくらいに感じた。 略奪婚のような後ろ暗い事をするとずっとこうやってひっそり暮らすことになるぞってことかな?

Posted byブクログ