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の商品レビュー

3.8

174件のお客様レビュー

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許されない愛に生きる…

許されない愛に生きる男が、禅によって心の平安を得ようとする姿を描いています。

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主人公宗助は過去の罪…

主人公宗助は過去の罪を背負いながら、妻御米と淋しくも小さな幸せの中を生きている。しかし思いがけず罪の対象である安井の消息を知った宗助の幸せは混乱をきたす。思い立ち禅寺の門をくぐるもその試みは失敗する。俗世に生きることもそこから離れることもできぬ知識人の悲劇。この悲劇性は現代を生き...

主人公宗助は過去の罪を背負いながら、妻御米と淋しくも小さな幸せの中を生きている。しかし思いがけず罪の対象である安井の消息を知った宗助の幸せは混乱をきたす。思い立ち禅寺の門をくぐるもその試みは失敗する。俗世に生きることもそこから離れることもできぬ知識人の悲劇。この悲劇性は現代を生きる人々にも通ずる。

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漱石の前期3部作の3…

漱石の前期3部作の3番目にあたる。『三四郎』のその後の『それから』、『それから』のその後の『門』である。『それから』で一大決心をした主人公(とその妻)のその後の生活。二人の控えめながら落ち着いた日々。

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夏目漱石の課題は永遠…

夏目漱石の課題は永遠のものだと思うのですが、最近の文学からは見つけられないなというのが残念な気がしてきます。

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2026/04/08

2026.4.1読了。 夏目漱石の描く主人公はどうしてこんなにも淋しいのだろうか。結局人は誰とも分かり合えないという諦めと淋しさ、生きることへの倦怠を感じる。紛れもなく御米を愛し、互いを自分自身のように抱きしめあっているにも関わらず、 何処かで分かり合えない。分かち合いきれない。...

2026.4.1読了。 夏目漱石の描く主人公はどうしてこんなにも淋しいのだろうか。結局人は誰とも分かり合えないという諦めと淋しさ、生きることへの倦怠を感じる。紛れもなく御米を愛し、互いを自分自身のように抱きしめあっているにも関わらず、 何処かで分かり合えない。分かち合いきれない。その大きな原因は宗助が自己開示をできない点にあるが、それはこころの「先生」に似たものを感じる。 苦しみを共有せず1人で抱え込むのは愛と言えるだろうか。 愛ゆえに人は相手に期待をするのか、もしくは愛するからこそ相手に期待をしないのか。 裏切りや偽善の横行する世の中で、愛する人1人くらいには期待をして生きていたいような気もする。 学生時代は「性善説」を唱えていたのに、いつのまにかそれを疑う大人になってしまった。

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2026/03/21

二人の間には確かな愛情があるのに、その関係はもともと誰かを傷つけた上に成り立っている。その事実は消えることなく、静かに二人の中に残り続けている。激しい後悔ではなく、拭いきれない重さとして。それでも生活は続いていく。 「道は近きにあり、かえってこれを遠きに求む」 鼻の先にあるけど...

二人の間には確かな愛情があるのに、その関係はもともと誰かを傷つけた上に成り立っている。その事実は消えることなく、静かに二人の中に残り続けている。激しい後悔ではなく、拭いきれない重さとして。それでも生活は続いていく。 「道は近きにあり、かえってこれを遠きに求む」 鼻の先にあるけど、気づかないこと それでもふたりは幸せなのだと私は信じたい。

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2026/02/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

新聞連載かつ題名『門』は弟子達がつけたものとの事で、苦しい状況が伺える(笑) 『それから』の続きとのことだが、道ならぬ結婚をしたという表現は文中で明言していないが、そう考えるしかない文章である。 昔のような快活さもなく、日陰で息を潜めて二人は生活していくしか無いということだろうか。

Posted byブクログ

2025/12/29

略奪婚の先に幸せはあるのか。 あるんじゃないか、と読み終わって感じた。不安なことは沢山あるけど案外何とかなってくのでは。 隣の一家が幸福のように描かれていたが結局外から見るとどこもそこそこ幸せに見えるんじゃないか。 解説に書かれていた「ある女を情熱的に欲するのはそれが第三者に求め...

略奪婚の先に幸せはあるのか。 あるんじゃないか、と読み終わって感じた。不安なことは沢山あるけど案外何とかなってくのでは。 隣の一家が幸福のように描かれていたが結局外から見るとどこもそこそこ幸せに見えるんじゃないか。 解説に書かれていた「ある女を情熱的に欲するのはそれが第三者に求められている時であり、獲得した途端情熱はさめ、何となく相手を憎らしく思う」というのは少々共感するとこもある。 まあ、情熱的な愛の行く末なんでこんなもんですよね。俺は物語で楽しむだけでいいや。平和に生きたい。

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2025/12/19

夏目漱石、前期3部作は『三四郎』『それから』『門』。3作品は、恋愛→結婚→結婚後 という、つながりが感じられます。眼前に現れる景色が違い、訴えてくるものも違うため、3作品の優劣はつけ難いです。 しかし、『門』は派手な部分はないけれど、しっとりした余韻を感じるところがいいです。ひ...

夏目漱石、前期3部作は『三四郎』『それから』『門』。3作品は、恋愛→結婚→結婚後 という、つながりが感じられます。眼前に現れる景色が違い、訴えてくるものも違うため、3作品の優劣はつけ難いです。 しかし、『門』は派手な部分はないけれど、しっとりした余韻を感じるところがいいです。ひとつの事実や心理を表現する描写が巧みで、心に奥深くまで刺さります。恐ろしいぐらい、うまい。3作品共通して言えるのは、日本語のゆかしさが感じられ、文章に落ち着きと骨力があるということ。現代の小説よりも漢語が多く使われているため、漢語から伝わるイメージが作品世界を作っていました。漢籍の教養が下地にあるということは、すごいことです。 若くても大人度の高い方はいますが、私は中年になってようやく、大人の世界に入れたように思います。直接、間接的に経験した苦しみや悲しみがなければ、そこから学ぶことをしなければ、どんなに年月を重ねても子供のままでした。 大人の世界に入れた中年の今、読んだからこそ、本書が心に刺さりました。 本書には、宗助とお米夫婦の日常が淡々とつづられています。2人には共通する重苦しい過去がある。宗助、安井、お米は三角関係だった。そのことが起因しています。その秘密が明かされる場面は、ドキドキ感がハンパなく、ぐいぐい引き込まれました。ミステリー度も高いです。一方、小説中にはおもしろいエピソード(泥棒が入った話)もあり、飽きることがありません。 『三四郎』に登場する女性、美禰子、『それから』の三千代には度胸というか、男性よりも精神面で上に立っている感じを受けました。『門』のお米とは明らかに違う。お米は、夫の宗助とは違った形で自分が背負った悲しみを受け止めていました。夫と同一歩調といかないまでも、夫婦のひとつの愛の形を見た気がします。 小説中の“因果”“敲いても駄目だ。独りで開けて入れ”という言葉が印象に残ります。“人間、何かしら苦しみや悲しみを抱えながら生きている。心の平安は、誰かがもたらしてくれるものではなく、自らがどうにかしなければならない。グレーな部分がありつつも前を向いて。”そんなことを考えながら、大人になってから読む小説だと思いました。

Posted byブクログ

2025/08/07

全体的にほの暗く、ちょいちょい宗助と御米の目線が切り替わるが、微妙にお互いがかみ合っておらず、かといって二人とも無理に自分の気持ちをわかってもらおうとも思わず、同じ罪を抱える者同士離れる気まではならないという感じが出ている。一応最後は、季節も春が近づき、御米の体調もよくなり、小六...

全体的にほの暗く、ちょいちょい宗助と御米の目線が切り替わるが、微妙にお互いがかみ合っておらず、かといって二人とも無理に自分の気持ちをわかってもらおうとも思わず、同じ罪を抱える者同士離れる気まではならないという感じが出ている。一応最後は、季節も春が近づき、御米の体調もよくなり、小六の食い扶持も繋げそうといういい兆しの中、宗助だけが下を向く。 解説と、「異性愛者の悲劇」を読んで、成程男性は男性同士でのみ認め合えるんだっけなと確かめたところである。

Posted byブクログ