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パンドラの匣 の商品レビュー

4.2

191件のお客様レビュー

  1. 5つ

    72

  2. 4つ

    64

  3. 3つ

    35

  4. 2つ

    2

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 この小説は手紙の形…

 この小説は手紙の形式、という形で書かれていて、その形式ゆえのトリックがとても面白かった。主人公の少年の風変わりな結核療養所での恋の話で、かつ同じ年頃である私にとって胸に染みる言葉も沢山書いてあった。

文庫OFF

中篇二編を納めたもの…

中篇二編を納めたもの。「正義と微笑」は知人の日記を元に書いたものらしい。舞台役者への道を成功させた過程と心の内は面白い。表題作「パンドラの匣」は手紙形式。戦時中に元の原稿が焼けたため、書き直ししたものがこれであるらしい。難しいから心して読め!

文庫OFF

十六歳になった少年の…

十六歳になった少年の葛藤を日記形式で描いた「正義と微笑」と、風変わりな結核療養所で生活する少年が、友人に宛てた書簡形式を用いて描いた表題作がおさめられている。意外とカラッと明るく読み易かった。

文庫OFF

2024/04/29

勉強は人格を形成するに共感した。僕もそう思う。勉強の姿勢によって人格が歪んでしまうのを理解しているから。勉強をしなさいで勉強をすると塞ぎ込み、檻の中で生活しているような感覚に苛まれる。檻の中にいると狂うのです。懲罰房の話を聞いたことがあるだろうか。あいつらは手足を縛られ、1ヶ月間...

勉強は人格を形成するに共感した。僕もそう思う。勉強の姿勢によって人格が歪んでしまうのを理解しているから。勉強をしなさいで勉強をすると塞ぎ込み、檻の中で生活しているような感覚に苛まれる。檻の中にいると狂うのです。懲罰房の話を聞いたことがあるだろうか。あいつらは手足を縛られ、1ヶ月間会話と身体の自由をほとんど奪われるらしい。自由を奪われると人は狂うのだ。懲罰房の人間はげっそりして、歯茎から血を出し、目が虚ろになって出てくるらしい。そうだ、勉強は自分がやりたいようにやるのが1番なのだ。したくないものをやれと言われりゃ歪んでく、やりたいものをやれば良くなってく。いい形成のされ方をする。そんなことを考えさせられた。と言うより、明確化された。

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2024/03/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

・あらすじ 「正義と微笑」 芹川進という少年の16歳から18歳までの日々を綴った日記形式の作品 「パンドラの匣」 健康道場(結核療養所)にいるひばりという渾名の男の子が友人に宛てた書簡形式の作品 ・感想 どちらもYouTubeの朗読で聴いたのが初読?で、とても面白かったので活字で世界観に浸りたいと本を購入。 私の好きな朗読者の方は読み方・声・演技(私が聴いてる方はただの朗読というより若干の演技(誇張された読み手の解釈が入っている)がとても太宰作品の雰囲気に合っていてもうそのイメージが固定されてしまっている所がある。 今回はその雰囲気を保ったまま活字で読むことになったんだけど、なんだかよりこの作品たちの魅力が伝わってきてすごく面白かった! 正義と微笑は太宰で一番好きな作品(次点は黄村先生言行録シリーズ)で初読?は朗読だったんだけどやはり活字で読むとまた違った魅力がある。 芹川少年のあの年代特有の青臭さと潔癖さと万能感が微笑ましくて可愛い

Posted byブクログ

2024/03/27

「正義と微笑」は何度も読み返している。 漠然とした理想を掲げていた主人公が、生活人として地道に努力をするようになる。物事を継続できないときに読むと、自分も努力しなければならないと気が引き締まる。 「微笑もて正義を為せ!」「人を喜ばせるのが、何よりも好きであった!」という主人公の理...

「正義と微笑」は何度も読み返している。 漠然とした理想を掲げていた主人公が、生活人として地道に努力をするようになる。物事を継続できないときに読むと、自分も努力しなければならないと気が引き締まる。 「微笑もて正義を為せ!」「人を喜ばせるのが、何よりも好きであった!」という主人公の理念にもよく共感できた。「パンドラの匣」と合わせて、どちらも爽快な読後感だった。

Posted byブクログ

2024/02/02

メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1753260057964482914?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw

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2023/12/31

人生のテーマとなる言葉を掲げたり、知らないうちに隠してしまってた感情に向き合わなければならなくなることで、「大人になる」移行期が描かれている。 微笑もて正義をなせ!というフレーズは、嫌味がなく素敵だなと思った。 リアリストになったいま、尊敬していた兄を見る目が変わってしまったこ...

人生のテーマとなる言葉を掲げたり、知らないうちに隠してしまってた感情に向き合わなければならなくなることで、「大人になる」移行期が描かれている。 微笑もて正義をなせ!というフレーズは、嫌味がなく素敵だなと思った。 リアリストになったいま、尊敬していた兄を見る目が変わってしまったこと。死に依って人間が完成すると思い至ること。二篇を通して自分が10〜20代で感じたことが書かれてたように思う。

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2023/12/08

スマホを見ていたら、「正義と微笑」の勉強についての一節が出てきて、気になったので買った。 この文庫本に収録される2作品は、どちらも若者が主人公の青春小説。若い頃ならではの葛藤や希望などが表現されている⋯という言葉だけでは表せないほど絶妙なところまで書き上げていると思った。 例えば...

スマホを見ていたら、「正義と微笑」の勉強についての一節が出てきて、気になったので買った。 この文庫本に収録される2作品は、どちらも若者が主人公の青春小説。若い頃ならではの葛藤や希望などが表現されている⋯という言葉だけでは表せないほど絶妙なところまで書き上げていると思った。 例えば勉強についての先生のセリフを読んで、最初は感銘を受けても、実行に移すとなると難しいし、実際できない。まさに今、中学生の自分。笑 感じのいいだけの陳腐な文章じゃなくて、作者個人の、特有の思いが伝わる文章が魅力的である。 そして、この小説からは、太宰治だからこそ書ける日々の尊さ、そして生きる希望を感じられる。 (解説までちゃんと読む人間のぼんやり解釈) 太宰治、角川文庫の人間失格と、教科書の走れメロスしか読んでなかったけど、やっぱり良い。 理屈では言えないけれど、文学のセンスを持ってるってこういうことなのかなと思わせる。

Posted byブクログ

2023/11/03

手紙調で書かれた作品 初めて読んだ太宰治作品だったけど、印象と違って爽やかな青春ものだったことに驚いた 恋心やルームメイト達を面白おかしく書いてあってサクサク読むことが出来た

Posted byブクログ