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千羽鶴 の商品レビュー

3.9

40件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

    20

  3. 3つ

    8

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2023/11/28

平易な言葉選びと感情を排した情景描写から、立ち昇る日本の雅、小都市の静けさは『古都』に通ずる良作品。 本作など特にそうだが、個人的に川端康成が作品や小編に付ける名前に非常に興味がある。 直接的な関連が見受けられないパターンが多いが、そこへの理解が川端作品を読み解く鍵になっている...

平易な言葉選びと感情を排した情景描写から、立ち昇る日本の雅、小都市の静けさは『古都』に通ずる良作品。 本作など特にそうだが、個人的に川端康成が作品や小編に付ける名前に非常に興味がある。 直接的な関連が見受けられないパターンが多いが、そこへの理解が川端作品を読み解く鍵になっている気がする。

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2023/07/11

近年現代の流行作家の面白さ巧みさに興味があった中で ふと文豪と呼ばれる川端作品を手に取り その作品の魅力を一気に読み終えた 力量の高さはどこにあるのか 言葉の選び方 表現の深さを今更私ごときが言うべきではないが やはり素晴らしい 作品名「千羽鶴」は女性の持っていた風呂敷に描かれた...

近年現代の流行作家の面白さ巧みさに興味があった中で ふと文豪と呼ばれる川端作品を手に取り その作品の魅力を一気に読み終えた 力量の高さはどこにあるのか 言葉の選び方 表現の深さを今更私ごときが言うべきではないが やはり素晴らしい 作品名「千羽鶴」は女性の持っていた風呂敷に描かれた模様 ただそれだけなのに終始その描写が忘れられず 作品名になったことにも納得する 胸に痣のあるその痣に毛が生えている栗本ちかこの描写が 本当に巧みで 私のまわりにもいるどこかの誰かのようで 気味悪い実感が 読後にもぬぐえない 川端康成を読み返そう

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2022/04/16

千羽鶴がメインのヒロインでは無かったのでタイトルに持ってきた意味は何だったのだろう。湯呑み茶碗の口紅を筆頭にずっと太田夫人の影がじっとりと纏わりつくような感覚だった。

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2021/08/22

千羽鶴と波千鳥のふたつの小説が収録されていると思って読み始めた。 千羽鶴を読み終えた時、千羽鶴とはなんだったのかを考えた。 第一印象ということなのだろうか。でも、千羽鶴は話の中心ではない。 波千鳥を読み始めて、何故千羽鶴なのかが腑に落ちたけれども、誰がヒロインなのかは読んだ人によ...

千羽鶴と波千鳥のふたつの小説が収録されていると思って読み始めた。 千羽鶴を読み終えた時、千羽鶴とはなんだったのかを考えた。 第一印象ということなのだろうか。でも、千羽鶴は話の中心ではない。 波千鳥を読み始めて、何故千羽鶴なのかが腑に落ちたけれども、誰がヒロインなのかは読んだ人によって変わる作品だと思う。 わたしには文子がすごく魅力的な女性に思えた。

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2022/06/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

#英語 Senba Zuru by Yasunari Kawabata #映画 化されたタイトル Thousand Cranes 川端の描く女性キャラは、読後もまとわりつく。あっぱれ。

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2021/04/14

耽美的作品。真似できない表現が随所にみられ、幼児が橋から落ちて運よく無事だったシーンは、思わず文字を拾いなおした。本著に収められた「千羽鶴」と「波千鳥」は最初別作品かと思ったが違っていて、一つの物語としてつながっていく。変わったタイトルの付け方だが、解説をみて、書き連ねたものとわ...

耽美的作品。真似できない表現が随所にみられ、幼児が橋から落ちて運よく無事だったシーンは、思わず文字を拾いなおした。本著に収められた「千羽鶴」と「波千鳥」は最初別作品かと思ったが違っていて、一つの物語としてつながっていく。変わったタイトルの付け方だが、解説をみて、書き連ねたものとわかった。最後も満腹感なく中途で終わった感があったが、続稿があって全集にあるらしい。読みたい。2021.4.14

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2021/03/08

美について語る川端は難しくて追いつけない。笑 全体的に重い過去にひきずられてるんだけど、ゆき子の存在が救いのように輝いていた。菊治は父の過去に引きずられてたのかなぁ

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2020/10/29

「...菊治はちか子のあざを思い出した。」始まりから忽ち心を鷲掴みにされた。茶碗や水差しなど、この物語では数々の名品が先達の心や想い、姿を投影している。このモノクロの世界に色彩豊かな千羽鶴の風呂敷が包み込んだのは、亡きものが残した唯心する愛ではなかったか...

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2020/06/14

個人的にメンタルがやられてたので 自然描写や志野茶碗に恋心を重ねて描く技法に癒されました。川端さんしか描けないと思います。 物語としては少し物足りない気がしました。続編はまだ読めてません。

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2019/09/23

川端再読シリーズ第三弾!ということで読み始め、なんだかやたらと新鮮に感じたのだが、ひょっとして遥か昔(四半世紀前、、、)に買って、読み忘れていたのかもしれない。。。 さて、感想は、やはり高校時代に読んでも味わい尽くせない、不可逆的な一筋の人生というものを痛感させられる、快作。

Posted byブクログ