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時の娘 の商品レビュー

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106件のお客様レビュー

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2009/10/04

安楽椅子探偵モノの名作です。「甥殺し」「希代の悪党にして王位簒奪者」などなど、悪評高いリチャード三世の無実を証明すべく、歴史を相手に推理を重ねる過程がとってもスリリングでぐいぐいとストーリーに引き込まれます。薔薇戦争の歴史を知らなくても楽しめるし、逆にもっとリチャード三世について...

安楽椅子探偵モノの名作です。「甥殺し」「希代の悪党にして王位簒奪者」などなど、悪評高いリチャード三世の無実を証明すべく、歴史を相手に推理を重ねる過程がとってもスリリングでぐいぐいとストーリーに引き込まれます。薔薇戦争の歴史を知らなくても楽しめるし、逆にもっとリチャード三世について知りたくなること請け合い。ラストは、タイトルにもなっている「真実は時の娘」という格言が染みます。

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2009/10/04

「真理は時の娘」という格言があります。英語圏のものでタイトルはそこから来ているのだそうです。舞台は現代。入院先のベッドで敏腕警部は暇をもてあましたあげく、ふと思いついて「リチャード三世」について調べはじめます。彼は、本当にシェークスピアが描いたように悪人だったのでしょうか?捜査の...

「真理は時の娘」という格言があります。英語圏のものでタイトルはそこから来ているのだそうです。舞台は現代。入院先のベッドで敏腕警部は暇をもてあましたあげく、ふと思いついて「リチャード三世」について調べはじめます。彼は、本当にシェークスピアが描いたように悪人だったのでしょうか?捜査の基本である状況証拠(この場合主に歴史書)を集めていくうちに、彼は「リチャード三世」の真実の姿に迫っていきます。安楽椅子探偵ならぬベッド探偵が、歴史の冤罪を問い直していくのです。

Posted byブクログ

2009/10/04

病床の警察官が、デンゼルワシントン扮するボーンコレクターの捜査官のように、ベットの上で、リチャード3世について書かれた歴史の矛盾(トニイパンティ)を暴く話。「これは本当の話では?」と疑う位よくできています。リチャード3世が暴君だと思っていた私には衝撃的な一冊!!

Posted byブクログ

2010/03/27

こんな風に歴史上の事実(と思われていた事柄)を歴史書などでいろいろ推理するという「推理小説」もアリなんだ!とびっくり。だけどイギリス史なんて疎いから分かり辛い部分も多かったけど。大体同じ名前の登場人物が多すぎる!(涙)

Posted byブクログ

2009/10/04

歴史ミステリで検索すると、たいてい引っかかる古典的名作。 安楽椅子探偵ものの変形だけど、別に人死にがあるわけではない。 主人公はスコットランドヤードの敏腕刑事。 犯人を追っている途中、背骨と足に怪我を負い、入院生活。 暇つぶしに歴史の謎でも解いてみたらと、女友達が持ってきてくれ...

歴史ミステリで検索すると、たいてい引っかかる古典的名作。 安楽椅子探偵ものの変形だけど、別に人死にがあるわけではない。 主人公はスコットランドヤードの敏腕刑事。 犯人を追っている途中、背骨と足に怪我を負い、入院生活。 暇つぶしに歴史の謎でも解いてみたらと、女友達が持ってきてくれたポートレートの中に興味をそそられる男の肖像画が。 裁判官のような印象を受けたその人物は、なんと、二人の甥を殺した悪逆な王として知られるリチャード3世。 人間の顔を見るのが職業の彼としては、何故見間違ったのかといぶかり、本当に知られているように冷酷な王だったのかと探っていく。 リチャード3世が悪王というのは、「殺してしまえホトトギス」並に、イギリス国民には認識されているようで、 イギリス史を知っているのが前提……というわけではなく、薔薇戦争辺りの歴史は入り組んでて、 当地の人間もしっかりと覚えているわけではないようなので、別に大丈夫。 まるで、学術論文を書くようにして史料を探って行くんだけど、主人公は警官であり、 また暇つぶしのため証明や仮説を立てるわけではなく、書かれた状況証拠からリチャードが言われているような王ではないことを推理していく。 順番に組み立てて行くところが面白い。 あっと驚くラストがあるわけではないけど、探偵だけが思いつく突飛な推理はなく、 実際にある文書だけから結末を出すところが、知的な悦びといったところ。 オススメ。

Posted byブクログ

2009/10/04

歴史ミステリでなおかつ安楽椅子もの、という私のツボをついた作品。資料だけから解き明かす謎というのは非常に好きだ。最後のどんでん返し、「なんじゃそりゃあ!!」は作品に対してではない。頭の固い学会さんに対してである。

Posted byブクログ