知の編集工学 情報はひとりでいられない。 の商品レビュー
編集者やSEのような…
編集者やSEのような、結構複雑な案件をまとめなければならない仕事が増えている。そんな時代を予見していたかのような本。
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松岡正剛先生ご自身が語る編集工学関係本の中でも最も編集工学そのものの解説内容が充実している本。 編集はどこにでもある。確かに。 めくるめく編集の64技法につながる編集工学の考え方の価値の高さは圧倒的。
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人間は目で物事見ているのではない。 目は光を受容し、映像として変換しているだけである。 脳で、記憶で、経験で物事を見ている。 幾多ある記憶を管理するためには、個では存在できず、 情報はある程度にまとまっていく。 それは脳の中だけではない。 世の中の全体に言えることで、 人が...
人間は目で物事見ているのではない。 目は光を受容し、映像として変換しているだけである。 脳で、記憶で、経験で物事を見ている。 幾多ある記憶を管理するためには、個では存在できず、 情報はある程度にまとまっていく。 それは脳の中だけではない。 世の中の全体に言えることで、 人が介在している以上は、自然が介在している以上は、 そのまとまりはどれもどこか似ている。 (以下抜粋) ○分節化は文法に先行する。指は数に先行するのだ。(P.71) ○記憶の再生というのは 「外からやってきた情報が自分に似たカテゴリーやプロトタイプをさがす」という プロセスなのだ(P.118) ○まず、連想ゲームをはじめてみよう。 ついで、自分が子供時代に熱中した遊びを思い出してみる。 その遊びには、おそらく私が本書でのべてきた大半の編集の秘密が隠されていたはずだ。 ついで、自分の知識の何かの部分を取り出して、分節化をしてみたい。 そして、その文節を何か別の情報簿ジュールと対応させてみる。 虫が好きであるのなら、虫の分類を雲の形態分類用語と照らしあわせてみることだ。 洋服が大好きだというなら、 ファッション用語を経済用語や音楽用語の分節性と比較してみることだ。 あっというまに編集のコツがわかってくるだろう。 その次は、きのう一日の出来事を何かのよく知っている物語とつなげてみたい。 そのうえでその逆に、 アンデルセンの童話のひとつをきのう一日の出来事にあてはめてみるとよい。 もうすこし余裕があるのなら、気にいった映画を二つとりあげて、 その二つのストーリーや場面を対照させてみることだ。 いかにふたつが関連しているか、驚くにちがいない。(P.321)
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編集。世の中のすべてのことは編集で…っていうのは、ああそんな考え方もあるのか…って感じ。でも、メディアとかは、編集することで新たな虚偽(誤解って言ってしまえばそこまでだけど)をうむこともあるよね。だし、編集では語れないような実体験をうみだすこともできる。そういう意味では、編集って...
編集。世の中のすべてのことは編集で…っていうのは、ああそんな考え方もあるのか…って感じ。でも、メディアとかは、編集することで新たな虚偽(誤解って言ってしまえばそこまでだけど)をうむこともあるよね。だし、編集では語れないような実体験をうみだすこともできる。そういう意味では、編集っていう言葉には"こわさ"もかくれてるよね。ぴんときたようなきてないような感覚。このレビューは編集なんだろうけど、編集っていう感覚はないよね。笑
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「編集工学」の提唱者である著者が、さまざまな知の分野を横断しながら、編集工学的な発想について語った本です。 著者は、コンピュータ・サイエンスや生命現象の中の「編集」についての解説をおこなっています。そのうえで、とくにわれわれのコミュニケーションは、たんなる情報交換としてではなく...
「編集工学」の提唱者である著者が、さまざまな知の分野を横断しながら、編集工学的な発想について語った本です。 著者は、コンピュータ・サイエンスや生命現象の中の「編集」についての解説をおこなっています。そのうえで、とくにわれわれのコミュニケーションは、たんなる情報交換としてではなく、「エディティング・モデルを交換する」というかたちでとらえられる必要があると論じています。さらに著者は、このエディティング・モデルの交換という発想が、物語論などの知の分野において論じられていることを明らかにし、こうした発想がこれからの情報社会においていっそう追求される必要があると主張します。 さまざまな学問を「編集」というコンセプトでなで斬りにする議論に、爽快さをおぼえました。
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この本をまとめようとしても、まとめきれないものがある。 それは、基本的な提案が多くなされ、 編集という行為を歴史的な中で説明しようとしているからだ。 しかし、この手法によって、 えられるいろんな重要な方法論を身につけると、 ある程度の展開可能な状況が生まれてくると考えられる。 「...
この本をまとめようとしても、まとめきれないものがある。 それは、基本的な提案が多くなされ、 編集という行為を歴史的な中で説明しようとしているからだ。 しかし、この手法によって、 えられるいろんな重要な方法論を身につけると、 ある程度の展開可能な状況が生まれてくると考えられる。 「体系化」ということに力を注いでいる。 哲学する姿勢の提示 認識論と現在抱えている問題の設定について ワールドモデルがない。 「演出」することが大切であると考えていたが、 「編集力」が大切であることを理解した。 企画;ものを企てるより、 情報を関係づける仕事の方が大切である。 文字であらわせないということは 編集能力がないということである。 記憶するという行為は、重要な行為である。 1日を思い出すのに、2分から3分にまとめることができる。 記憶のもつ編集能力が大切になってきている。 自分の考えていることを、編集という視点で見ると、 アタマの中でどのように編集作業をしているのかをかんがえる。 その時に話すべき対象に対して、 話しかけることによって、グレードをあげていく 作業をしっかりと構成することになってくる。
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1ヶ月以上かけて、やっと読めた本。結局、内容の半分も理解できてないけれど、「編集」の視点を広げて、物語マザーや情報の性質、思考の解析や自己思考パターン、歴史の組立など、松岡正剛氏の考えを学ぶことができた。 まずは自分自身の思考パターンを理解して、時にそのパターンを疑うことから...
1ヶ月以上かけて、やっと読めた本。結局、内容の半分も理解できてないけれど、「編集」の視点を広げて、物語マザーや情報の性質、思考の解析や自己思考パターン、歴史の組立など、松岡正剛氏の考えを学ぶことができた。 まずは自分自身の思考パターンを理解して、時にそのパターンを疑うことから始めてみようと思う。
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編集の基本がわかる本。普段何気なく書く文章を、編集という視点から見直すことができます。何より、松岡正剛の知識量がはんぱじゃない!!
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「松丸本舗」が素晴らしかったので、興味を持った「松丸本舗」のプロデューサーである松岡正剛 工作舎という出版社を立ち上げて、オブジェマガジン「遊」を発行。何やら美術やら文芸やらの分野で有名な人らしい 代表作は「千夜千冊」、最近はこんなサイトでソーシャルリーディング的な試みもしているみたい で、しばらくして、工作舎を辞めて、松岡正剛事務所を設立 そこで、編集工学なるものを提唱する 本書は、その松岡正剛氏の提唱した編集工学なるものを氏自らが紹介した本 自分なりに編集工学をまとめると 生物の誕生から人間の思考まで、全ての物事を「編集」という視点から捉えなおす、という試み んー、「試み」っていうか本人としては、生物が成り立つための情報とか、コンピューターが人間らしくなれないのはなぜなのか、とかそういったことを考えてきた上での「答え」と言った方が正しいかも 最近読んだ記事「哲学する赤ん坊」を示唆する話とか、「ワールドモデル」についての話、「マザー=元型」についての話、などなど あまりにも編集工学の概念が広く深いものであるため、一読しただけではなんとなく凄いものである、という印象しか持てなかった というか、この一冊で説明しきれるようなものでもないと思うし 説得力を高めるためなのか、所々に参考にした文献を出していたりするのだけれど、その文献の量が凄くて、読書量がもうどのくらいあるのか想像つかない・・・ 自分ももっと色々読んでみたら、自分なりの体系化した方法論というか解釈法というかそういったものが持てるのかしら、持てたら良いなあ 全てを「編集」に繋げ過ぎているし、「編集」という言葉を敷衍し過ぎているかも なんて思ってしまうところもあるけれども、やはり凄い人なのだと思った もし、使いこなせたら世界の解釈をしていく上で、非常に有効なツールになるかもしれない、という可能性を示してくれた本だった 編集工学のワークショップあったみたいだけどもう終わっているなあ よし、来年には応募してみよう!
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