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再考:精神病の精神分析論 の商品レビュー

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2014/07/15

難解。けれども、Bionの臨床を知るには必読書。Britton曰く、本書を読むことは聖書を読むほどに重要。2013年に国際雑誌でBion特集があった際も、Bionの原著論文が3本選ばれたが、それらはすべてこのSecond Thoughtsにおさめられている。本書の前後から、Bio...

難解。けれども、Bionの臨床を知るには必読書。Britton曰く、本書を読むことは聖書を読むほどに重要。2013年に国際雑誌でBion特集があった際も、Bionの原著論文が3本選ばれたが、それらはすべてこのSecond Thoughtsにおさめられている。本書の前後から、Bionは体験から学びことと精神分析の新しい体系化を試みている。OgdenはBionの著作を読むことが、精神分析を体験することへの橋渡しになることを示唆するが、Bionも本書において、自身の論文を再考することで同様の営みをしている。幻覚についての論考がおもしろい。排出型の投影同一化による、奇怪な対象の外在化が、どのように精神病の知覚世界を構成しているかを描写している。また、精神病者の体験する空虚感への言及も理にかなっていて興味深い。

Posted byブクログ