つくる図書館をつくる の商品レビュー
伊東豊雄の多摩美術大学図書館の設計本。 せんだいメディアテークからのつながりから、図書館というものの設計プロセス、図書館というビルディングタイプそのものへの考え、新しい図書館のコンセプトとなるものは何なのか、といった設計者の視点から図書館というものを記述している。 アーチという空...
伊東豊雄の多摩美術大学図書館の設計本。 せんだいメディアテークからのつながりから、図書館というものの設計プロセス、図書館というビルディングタイプそのものへの考え、新しい図書館のコンセプトとなるものは何なのか、といった設計者の視点から図書館というものを記述している。 アーチという空間的な方向を決めた大きなエレメントから、細かい家具に至まで、図書館の設計というものが追体験できるような本。 しかし、大学図書館の中でも、美術大学の図書館というものはかなりの特殊解と言えるのかもしれない。大学図書館の設計に関わってみると、求められるものや設計の自由度がかなり異なっているのではないかと感じる。実際には本には現れてこない苦労が山ほどあるのだろう。それを見せずに非常に軽快なイメージの本に仕上がっているのはすばらしいと思う。 事例集や資料集成はあれど、関連本が殆どないので、図書館を設計する(非常に稀な)機会には必読の本。
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2007年に完成した多摩美大図書館。これまでの通念を覆すような大胆な設計に注目が寄せられている建物だ。 本書は、この図書館のコンセプト、設計計画、建築の過程、一癖のある関係者の寄稿からなるコンセプトブック。何をどう考えてこの建物が生まれたのか。それを記録として残すのは、その図書...
2007年に完成した多摩美大図書館。これまでの通念を覆すような大胆な設計に注目が寄せられている建物だ。 本書は、この図書館のコンセプト、設計計画、建築の過程、一癖のある関係者の寄稿からなるコンセプトブック。何をどう考えてこの建物が生まれたのか。それを記録として残すのは、その図書館の関係者だけでなく、関心を寄せる者に益するところ大。なので、すごく大事な本だと思う。ハードしかないと、どうしてもその意図も曲解されてしまいがちだし。 後ろの方に、職人さんたちのポートレイトがあるのもうれしい。
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