リマーク 1997-2007 の商品レビュー
さながら最果タヒの初期の詩のように、切り詰められた言葉を詩的に撒き散らし瞬間を切り取ろうと著者はあがく。だからここではアイデアは常に出る尻から提示されるだけで、それについて深く考察されることはない。故に、生煮えの思いつきの羅列のように読める。だが、注意深く読むと著者が常に「私がこ...
さながら最果タヒの初期の詩のように、切り詰められた言葉を詩的に撒き散らし瞬間を切り取ろうと著者はあがく。だからここではアイデアは常に出る尻から提示されるだけで、それについて深く考察されることはない。故に、生煮えの思いつきの羅列のように読める。だが、注意深く読むと著者が常に「私がここにいること」「生きていること」に問題系を設定して、世界の奇跡や神秘を語る言説へとその個人的な問題をつなげていることに気付かされる。いわば「セカイ系」哲学(!?)。ここからなにかが始まるとは思わないが、侮れない一冊でもあると思った
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