「占い脳」でかしこく生きる の商品レビュー
占いは気が向いたときに少し見る程度なのですが、この本の著者が占星術をしっかりと研究されている方のようだったので手に取ってみました。大学時代に、占星術を独学で勉強している後輩がいて、星占いと占星術は全然違うのだと力説されたのがずっと気になっていた私にとっては思いがけない出会いの本で...
占いは気が向いたときに少し見る程度なのですが、この本の著者が占星術をしっかりと研究されている方のようだったので手に取ってみました。大学時代に、占星術を独学で勉強している後輩がいて、星占いと占星術は全然違うのだと力説されたのがずっと気になっていた私にとっては思いがけない出会いの本でした。 この本の後半(3章以降)は、星座毎の解説が中心となりますが、前半の部分にはかなり面白い部分があり、この本に出合えてよかったです。 特に、著者の言葉である「占い脳」の考え方が気に入りました。私が最も気になったポイントは、「都合の良い出来事であっても、あなたのため、に用意された現象ではない。そこでそんな偶然の出来事に運の良さを感じて、何か意味があるに違いない、と考えるのが「占い」の思考回路である(p21)」でした。 以下は気になったポイントです。 ・運には、良し悪しは無い。ひとつの体験が最終的にどんな結果をもたらすかは、分からない(p14) ・都合の良い出来事であっても、あなたのため、に用意された現象ではない。そこでそんな偶然の出来事に運の良さを感じて、何か意味があるに違いない、と考えるのが「占い」の思考回路である(p21) ・占いの基本になっている、思想・哲学が、考えようによっては大いに不自由な風習や文化の大元になっている、ということが大事なポイントである(p33) ・占い好きが「ヤバい」となるのは、それがプライベートな領域を超えて、社会的なところまで出ていく場合(p45) ・占星術、天文学、音楽は、ヨーロッパの伝統の中では、実は同じジャンルの学問と考えられていた(p55) ・科学の合理性は、再現性と、反証可能性によって支えられている(p60) ・日本語、英語の両方のことを知ると、どちらか一方に縛られることがなくなる。相手を知ることで今いる自分の立場が絶対ではない、という相対化ができるようになる(p62) ・超越的なものは目の前には見えないけれど存在する。見えないものをイメージできるようになってしまって、人は世界はどうなっているのかを見えないものを取り入れて考えてしまった(p76) ・17世紀ごろまでの偉大な科学者は例外なく、深い信仰を持った人でした。自然法則を知ることは、つまり世界をつくった神様のことを知るということでもある(p95) ・オカルトというのは、ラテン語で「隠れたもの」というもの。自然の隠れた法則を知ることがオカルトということ(p96) ・19世紀後半にダーウィンが進化論を唱えたとき、欧州では大騒ぎになった。これを認めれば人間の特別な立ち位置(普通の生き物と変わらない)は消え失せ、ごく普通の生き物になってしまう(p98) ・占い脳とは、占いとはどういう考え方をしているのか、ということを自分で考える脳のことも言う。占いの考え方の輪郭を外から見ることもできる脳である(p106) ・直感=ぱっと照らす「火」、感覚=体を構成する「地」、思考=相手と距離をする「風」、感情=ウエットな「水」、12の星座を4つに分けるエレメントである。4つのバランスであらゆるものの体と性格が決まるというのは、古代からの伝統的な考え方(p115) ・火のエレメント(牡羊座・獅子座・射手座)は、直感タイプ。オモテの顔をしては、未来や理想・夢に向かってパワフルに活動できる。実現できるかわからない可能性に向けて、色々なことをやっていける陽気さと活発さの持ち主。裏の顔をしては、未来への不安を見ないふりをして、かつての栄光にしがみつこうとする。(p118) ・大きく見開かれた瞳は、相手に知らないうちに好意を呼び起こすことになる、人相占いで顔の形の次に大きなポイントとなるのは目、目は心の鏡と言われる(p186) 2015年4月18日作成
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占いとは意味をたくさんくれるもの。人は意味を必要としている。 ふーん。そうなんだ。 ちょっとはわかるような、俺には理解できないような。
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勝手に^^アニキと呼んでみようと思っている鏡リュウジ氏( @Kagami_Ryuji )の本。先日「世界史と西洋占星術」を直接オススメしてもらったのだけど、届く迄にこの本を読んでみた。 第一章と第二章がひじょーに面白いというか、勉強になったというか、なんだろう、今興味があるとこ...
勝手に^^アニキと呼んでみようと思っている鏡リュウジ氏( @Kagami_Ryuji )の本。先日「世界史と西洋占星術」を直接オススメしてもらったのだけど、届く迄にこの本を読んでみた。 第一章と第二章がひじょーに面白いというか、勉強になったというか、なんだろう、今興味があるところにビンゴでした。ここで占いという概念について紐解いてる感じですかね。占いって面白いけど怪しかったり、当たってる実感もあるけどそればっかりになると危うかったり、という様々な二面性?があるわけですが、それが何故なのか?が書かれています。とてもやさしい言葉で書かれているのですが、案外難しい部分もありまして、ここだけもう1回読みなおそうと思っています。 第三章は具体的な占いの紹介。占星術が多めに書かれてはいますが、四要素と十二星座の説明、簡単な相性占いにとどまっています。そもそも占星術本ではないので、ライトな感じですね。その他、ダイス占い、月の満ち欠け、誕生花、人相占い…など、様々なタイプの占いが紹介されています。
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「占い」の非科学性を明快に(科学的に)述べられており、怪しいといわれてつつも占いが必要とされている理由を知ることができる本で、なかなかの名著だと思います。 その昔は「占い」「まじない」が国政やルールや規範の中心にあった時代があったのですから、占いのもつ力を客観視できます。 中学...
「占い」の非科学性を明快に(科学的に)述べられており、怪しいといわれてつつも占いが必要とされている理由を知ることができる本で、なかなかの名著だと思います。 その昔は「占い」「まじない」が国政やルールや規範の中心にあった時代があったのですから、占いのもつ力を客観視できます。 中学生になると、恋や勉強などにおいて、占いが気になる世代でもあります。 そんな怪しいものにすがるなんてと大人がいったところで、興味を持つ世代です。 この本のエッセンスは「占い」に傾倒しすぎる危うさを中学生向けにわかりやすく解説し、占いとうまく付き合うこと、翻してみれば占い頼みにできない自我の確立の必要性を説いているところにあると思います。 後半は西洋占星術による星座別のキャラ紹介のほか、占星術以外の占い(まじない)もどきまで紹介されていて、中学生が始めて触れる入門書 的な情報提供になっています。
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※このレビューにはネタバレを含みます
タイトル負け。なんかもっといいのなかったんだろうか!すごくいい本。わたしは星占いの勉強を初めてしばらくたつけど、それでもちゃんと読み応えがあったし、ごまかしてないしいい本だった。 中学生・高校生がこれをどう読むのかは知らないが、少なくともわたしのなかに常日頃あった「占い時間と現世の交わりはくるのだろうか」という疑問や、「占いと科学の違い」「簡単でいいから占い自体が世の中で果たした役割を俯瞰する」といったことがさらっとできてて、知識の集積ってすばらしいことだなあと思わざるを得ない。 特に占いと科学の違いを説明した項は必読。占いは「ウエット」で科学は「クール」という一言で説明してしまっているのがすごい。今日の出会いに運命があるかどうか(言い回しがまちがってるかも)と考えていくのが「ウエット」な占い。今日の出会いは学校行って授業出てたんだからま、会うよねというのは「クール」な科学。
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