親切なおばけ の商品レビュー
若竹七海さんの作品は、昔、日本の推理ものばかり読んでいた時期に、何冊か読んだのだが、どうも苦手なイメージがあって・・・今となっては、その理由がよく思い出せないけれど、毒が合わなかったのかな。 ただ、この絵本に関しては、若竹さんの物語と、杉田比呂美さんの絵の相性が抜群で、やはり文...
若竹七海さんの作品は、昔、日本の推理ものばかり読んでいた時期に、何冊か読んだのだが、どうも苦手なイメージがあって・・・今となっては、その理由がよく思い出せないけれど、毒が合わなかったのかな。 ただ、この絵本に関しては、若竹さんの物語と、杉田比呂美さんの絵の相性が抜群で、やはり文庫でもコンビ歴が長いからか、杉田さんの絵も、他とはまた違って、いきいきしているように感じられたし、主人公の「ノノコ」ちゃんがまた健気で・・それも、直接感情に訴えず、少し距離を置いた書き方に、却ってグッとさせられて、ユーモラスなんだけど、ほんの少しだけ、胸が切ない感じというか。こうした書き方は、この人の特色なのかもしれないと思い、好感を持ちました。 そして、ノノコちゃんの家族は、皆、いい人ばかりで・・お父さんの三度の我慢には尊敬の念を抱いたし(笑っちゃったけど)、お母さんの迷わぬ行動力の凄さ、おじいさんの、ずっとノノコちゃんのこと、見守ってる姿もいいね。 それにしても、若竹さんは、いろんな意味で、しっちゃかめっちゃかにするの、好きですよね(笑) ただ、本書の場合は、それに杉田さんも乗っかっている感じが、また素敵でした。
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おじいちゃんの最後の約束を守ろうと健気な行動しているノノコちゃんだが、 その結果にまわりの大人は右往左往。 文と絵がとにかくマッチしていて、騒々しい内容であるがしんみりとしてしまった。
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近所の人から「おばけやしき」と呼ばれるほど、古い家に住んでいるノノコは、そのために「おばけ」と呼ばれて仲間外れにされ、いつもひとりぼっち。それに気づいたおじいさんは、「親切なおばけ」になれば友だちができると言う。 おじいさんの言うことを信じて、「親切」にするノノコの行動は、突拍子もないもので、大人たちは眉を顰める…… ノノコの大真面目で、でも的はずれな行動は、著者の小説の主人公たちがやらかしてそうなことで。ややシュールでブラックな絵本。
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若竹七海を年間10冊は読もうシリーズ。一応季節を考えて選んで‥‥おや、季節は冬でした(^^;)。 ほんの少しだけ昔、ほんの少しだけ田舎町の、ノノコの家は、かなり古くて傾(かし)いでいる。丸いじゃがいもがいつの間にか転がるほど。 おじいさんは「ねんだいもの」と言うけど、お父さん...
若竹七海を年間10冊は読もうシリーズ。一応季節を考えて選んで‥‥おや、季節は冬でした(^^;)。 ほんの少しだけ昔、ほんの少しだけ田舎町の、ノノコの家は、かなり古くて傾(かし)いでいる。丸いじゃがいもがいつの間にか転がるほど。 おじいさんは「ねんだいもの」と言うけど、お父さんは「危ないしろもの」という。近所の人は「おばけやしき」という。お陰でノノコは「おばけ」にされて仲間外れ。 ノノコはそんなに悲しくないけど、おじいさんは「優しいおばけになれば、いいことがあるかもね」と最後の言葉を言ってなくなってしまう。 さあ、ノノコにはどんないいことがあったのかな? 光文社文庫本でずっと若竹七海作品の表紙を描いている杉田比呂美さんの絵が優しい。おそらく最初で最後の若竹七海絵本。客観的には辛い現実が、ノノコ目線で優しくなる。それは紛うことなき若竹七海の世界である。
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若竹作品の杉田比呂美さんの絵は、可愛い絵柄ながら孤独で乾いた雰囲気もあって、コージーかつシビアな文章によく合っていると思います。そんな二人の絵本ですから、コミカルな展開が続くからといって童心に返って楽しめるとはいえません。ノノコちゃんが手にいれたものと失ったもの。成長には一抹の悲...
若竹作品の杉田比呂美さんの絵は、可愛い絵柄ながら孤独で乾いた雰囲気もあって、コージーかつシビアな文章によく合っていると思います。そんな二人の絵本ですから、コミカルな展開が続くからといって童心に返って楽しめるとはいえません。ノノコちゃんが手にいれたものと失ったもの。成長には一抹の悲しさや寂しさがつきまとうことを思い出しました。
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2018/12/05読了 絵本というけど大人向けの絵本かも。 きっと大人目線でおじいさんが亡くなった話をみるのと 小さな子がおじいさんの死を通じてお化けを考えるのだとしたら この本の感想はだいぶ変わってくるのだろうな と。 昔のように、ファンタジアに、おばけなどに重きをお...
2018/12/05読了 絵本というけど大人向けの絵本かも。 きっと大人目線でおじいさんが亡くなった話をみるのと 小さな子がおじいさんの死を通じてお化けを考えるのだとしたら この本の感想はだいぶ変わってくるのだろうな と。 昔のように、ファンタジアに、おばけなどに重きをおいた読み方が出来なくなった自分に間接的に気づいてしまった。 絵がとてもやさしい おじいさんがずっと見守ってくれるから、おうち崩壊も コメディに見れるのかも・・しれません。
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とてもおんばろな家に住んでいる為、おばけ扱いされる女の子。そのことに健気に耐える姿とおじいちゃんのお葬式でみんの役に立ちたくて行動したことがすべて裏目にでるところがコミカルでしんみりするけど笑えるお話。
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おばけやしきに住んでるから、おばけだから仲間はずれにされる、ノノコちゃん。おじいちゃんの「親切なおばけになってみたら?」という言葉に、人に優しい子になろうと頑張るノノコちゃんの姿がとても健気でした。イラストもかわいくて、かわいらしいお話なのですが、とてもせつなかったです。
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大好きなおじいちゃんが亡くなってしまい、おじいちゃんの言葉を思い出して、お葬式中に親切な行動を次々としてくれるけど、大人からしたら全くのイタズラで大迷惑。とうとう、お家は壊れてしまったけど、これが幸いしてお友達が出来たというほのぼの絵本
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若竹さんらしいというかなんというか。コミカルなお話なんだけど、ほんのちょこっと「毒」がある気もする。とはいえけっして不快な「毒」じゃないし、ストーリーとしては可愛くて面白いんだけどね。ややブラック。
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