塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック の商品レビュー
全15巻が終わって・・・これはファンのための雑誌ですね〜構想から40年掛かって書き上げた大著『ローマ人の物語』は,東大に落ちて学習院でリベラル・アーツを読んだのが許になり,中央公論から最初の原稿が活字になって,イタリアに住み着き,ルネサンス時代の小説を書き,ユリウス・カエサルに惚...
全15巻が終わって・・・これはファンのための雑誌ですね〜構想から40年掛かって書き上げた大著『ローマ人の物語』は,東大に落ちて学習院でリベラル・アーツを読んだのが許になり,中央公論から最初の原稿が活字になって,イタリアに住み着き,ルネサンス時代の小説を書き,ユリウス・カエサルに惚れ込んで,1年に1冊のペースで書いていく。執筆は午前中のみで,午後は住んでいるローマの散策で構想を練る〜編集がイイトコドリで編み出し,対談とインタビュー,密着取材で雑誌に仕上げた。ディズニーランドもののガイドブックみたいなモノだ。この後の予定はないそうで,アパシー(無気力)だそうだが,絵本を書いているじゃないの!
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昨年の12月に完結した「ローマ人の物語」のガイドブック。全15巻のストーリーの要約や特定のエピソードについてのコラム、あるいは埋め草的な「ローマ人の物語・なんでもベスト5」みたいな記事に紙数が多く割かれているが、そういう記事は面白くない。だって、それは本編を題材にした要約なりであ...
昨年の12月に完結した「ローマ人の物語」のガイドブック。全15巻のストーリーの要約や特定のエピソードについてのコラム、あるいは埋め草的な「ローマ人の物語・なんでもベスト5」みたいな記事に紙数が多く割かれているが、そういう記事は面白くない。だって、それは本編を題材にした要約なりであって、そうであれば、本編を読んだ方が面白いに決まっているから。かと言って、この本が面白くなかったわけではない。作者である塩野七生の対談とインタビューが掲載されていること、物語の舞台となった場所やモノに関する数多くの写真が掲載されており、物語をビジュアル的に再読できる気がすること、がこの本の良さだと思う。「ローマ人の物語」の第一巻、「ローマは1日にして成らず」は1992年刊行。以降、見事に年に1冊づつ発刊され、ちょうど15年目の昨2006年末の第15巻刊行で、無事完結したわけである。私自身が、この本を読み始めた年は、はっきりと覚えていて、それは2004年のことであった。その時点では既に、文庫本が発売され始めており、最初に手にしたのは文庫本であった。とんでもなく面白かったので、その時に発売されていたものは、文庫もハードカバーも、すぐに全て読んでしまった。2003年までに刊行されていたのは、12巻までだったので、そこまではすぐに読み、以降は、年に1回年末に発売される新刊を心待ちにして読んだ。ただ、今考えてラッキーだったな、と思うのは、最初に、いわゆる「一気読み」をする機会があったことである。やはり、年に1回の刊行であれば、それまでのストーリーをけっこう忘れてしまうわけで、なかなか本にはいっていくのが難しいのである。そういう意味で、12巻までを一気に読んでしまえたのは、本の面白さを味わうためには良かったと考えている。この「ローマ人の物語」を読んでいる間、何かに圧倒されているような感じをずっと持っていた。それは、ひとつはローマ史の壮大さやスケールの大きさであり、もうひとつは、作者の塩野七生の物語を書く腕についてであった。塩野七生は、この「ローマ人の物語」を書くまでは、(私も何冊かは読んだけれども)ルネッサンスに関する物語風著作や、あるいはエッセイ等を書いていた人である。別に学者でもなんでもなく、一著述家というか、一作家であったわけである。そういう人が、綿密な取材と膨大な勉強量を背景に、「何年に何があってどうしました」という事実記述型でもなく、あるいは、個々の史実や史料やその他の材料に関する解釈論でもなく、ローマ時代の通史を、それも、圧倒的に面白い物語風にまとめて書くというのは、相当に画期的なことであることは充分に想像・理解できることだ。要するに、ローマ時代そのものに圧倒され、またそれを書いた塩野七生の知性に圧倒されていた、ということだろう。「ローマ人の物語」が好きな人には、是非、お勧めしたい1冊だ。
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塩野七生さんのローマ帝国に関する著作はいずれ読みたいと思いつつも、大部であるが故に二の足を踏む気持ちあり。そのような軟弱読書家にとっては、とても便利な入門書だ。書店でページを繰り出したところ、帰宅できなくなるほど面白かった。軍資金がなかったので購入せず。いずれ、また。
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企画モノで内容は大雑把ですが、塩野七生さん好きの俺はすごく楽しめました。塩野さんの「ローマ人の物語」に対する情熱を感じます。
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