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ザ・ペニンシュラ・クエスチョン の商品レビュー

4.2

6件のお客様レビュー

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2017/01/14
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02年9月日朝平壌宣言の下交渉から06年7月の北朝鮮の弾道ミサイル発射までの、日米中韓朝ロの虚々実々の外交交渉、各国内の問題を濃密に描写したもの。ここまで取材・描写した著者に感動。本書からリアリズムに徹した外交の必要性がよくわかるし、北朝鮮の核・ミサイル問題を、中韓を味方にしつつ解決していくことの重要性もよくわかる(拉致問題も重要だが)。しかも、北の海外資産の凍結がその死命を決し、ミサイル示威の遠因となった点は興味深い。だが、北の非合法獲得資金のマネロンに関わった中韓の対応はいかがなものか。2006年刊。著者は朝日新聞コラムニスト(元記者)。

Posted byブクログ

2022/10/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

     -2007.02.13記 朝日新聞のコラムニスト船橋洋一が、各国政策担当者への膨大なインタビュー記録を駆使して、小泉訪朝と六者協議の内幕、北朝鮮をめぐる日・米・韓・中・ロの外交駆け引きの全容を明らかにした労作、本文だけで742頁に及ぶ大部の書を、過ぎたるほどに腹も膨れて些か辟易しつつもなんとか読みおおせたのは、本書が、朝鮮半島の第二次核危機について、関係各国の国内情勢にまで踏み込んで多方面からよく論じえているからだろう。 本書は、2002年9月の小泉純一郎首相訪朝に至る日朝外交と翌10月のジェームズ・ケリー米国務次官補訪朝を皮切りに悪化した核開発をめぐる朝鮮半島情勢について論じたものだが、第二次核危機をめぐる各国の政策決定過程について、実に詳細にわたって記述されている。 この春には英語版が米国のブルッキングズ研究所から出版される予定だともいう本書は、凡百のインサイドものを超えて、朝鮮半島問題の研究や第二次核危機を論じるには、欠かすことのできない重要文献の一つとなるだろう。

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2009/10/04

ボブウッドワードの日本版という感じ。とにかく情報量の多さに圧倒される。日本の地政学リスクとしての朝鮮半島の問題を認識できる。

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2009/10/04

朝鮮半島問題は対岸の火事ではなく、日本にとっても地政学的リスク。貧乏な小国が核を持つことで大国とわたりあえるという既成事実を作ってしまった失敗が痛い。

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2009/10/04

北朝鮮をめぐる現代史としてきわめて高い資料的価値を持ちながら、同時に、スパイ小説のようなスリルを楽しめるという希有な本。 内容面では、米国が政権内で対北朝鮮政策をめぐって深刻に分裂してしまい、何ら有効な手を打ち出せない姿を批判的に描いた部分、また、興隆する中国が、六者協議を契機に...

北朝鮮をめぐる現代史としてきわめて高い資料的価値を持ちながら、同時に、スパイ小説のようなスリルを楽しめるという希有な本。 内容面では、米国が政権内で対北朝鮮政策をめぐって深刻に分裂してしまい、何ら有効な手を打ち出せない姿を批判的に描いた部分、また、興隆する中国が、六者協議を契機に外交面でも大国としての力を発揮し始める様を活写した部分が特に秀逸だった。 ただし、中国については、船橋洋一が自分にとってアクセス可能な人間(外交官たち)だけから取材して評価しているために、軍事的能力の急激な拡大などを批判的に見る姿勢が欠けており、片手落ちではないかと思える。

Posted byブクログ

2009/10/04

新聞記者である著者が、膨大な量のインタビューによって北朝鮮の第二次核危機(2003年)を中心とした各会議の模様、アメリカにおける国務省とホワイトハウスでの考え方の行き違いなど、さらには日本と韓国の動向や政策(中国・ロシアも!)などを再構成した本。専門書とは違うかもしれないが、この...

新聞記者である著者が、膨大な量のインタビューによって北朝鮮の第二次核危機(2003年)を中心とした各会議の模様、アメリカにおける国務省とホワイトハウスでの考え方の行き違いなど、さらには日本と韓国の動向や政策(中国・ロシアも!)などを再構成した本。専門書とは違うかもしれないが、この大量のインタビューというのは論文資料として使うときに非常に便利でありがたかったりするのである。ドン・オーバードーファーの「二つのコリア」なんかもそうだけれども、北核の研究には是非一度は手にとって読んでみるべき本だ。 後半には六者協議での裏話もかなりのページを割いて紹介されているが、論文・単行本でここまで詳しく六者協議について書かれている本はまだない。 外交の機微というか、外交官達の絶妙なる頭脳戦と言うか・・・ピンと張り詰めた外交という名の戦いが書きつくされており、北朝鮮外交における「デスノート」であると私は思っている(笑) 特に韓国とそれを取り巻く周辺国について勉強したことがある人ならたまにくすりと笑える、そんな気楽に読める文章となっている。

Posted byブクログ