思いっきり手抜き料理 の商品レビュー
一見、よくある簡単レシピ集のようなタイトルですが、実はこの本の眼目は、「キッチンのリストラ」。 第一章をまるごと使って、調理道具や調味料、食器類の「最低限これだけあれば」と、日々の買い物の省力化を指南します。 二章以降は、その「ミニマムな用具と調味料」で作る、易しく手早くできる、...
一見、よくある簡単レシピ集のようなタイトルですが、実はこの本の眼目は、「キッチンのリストラ」。 第一章をまるごと使って、調理道具や調味料、食器類の「最低限これだけあれば」と、日々の買い物の省力化を指南します。 二章以降は、その「ミニマムな用具と調味料」で作る、易しく手早くできる、あるいは、手間のかからないレシピ。 どこでも手に入る食材を使った日常料理から、豪華そうに見えるパーティー料理まで、時間的・心理的・肉体的負担を極力小さくした台所仕事の実践編です。 和洋中、あらゆるレシピをあやつる日本の家庭のキッチンは、鍋ひとつとっても、異様に数が多い。 以前と違って、客を大勢招くこともなくなったし、二人家庭にこんなに物はいらない。棚や物入れいっぱいの道具や食器をなんとかしようと、このところ、古い中華鍋の処分に始まって、台所の大整理に取り組んできたなかで見つけた本書。 著者はイギリスと日本を往復しながら仕事をする料理研究家ですが、その彼女にしてこの思い切りのよさ! 背中を押される思いです。 がんばらない、あわてない、気楽に気楽に。 電子レンジやテフロン加工品をはじめ、新しい便利な道具はどんどん取り入れ、その道のプロなのに、技術やコツを強調しない。初心者や料理下手、料理ぎらいにやさしい姿勢もすばらしい。 一人暮らしの狭い台所に、夫婦二人・共働きの少人数家庭に、これから自炊を始める人に、料理をしてみようかなと思っているリタイア世代の男性にも、とてもおすすめの本です。 ひとつだけだめだったのは、洋風料理にワインではなくシェリー酒を使えとあること。 安ワインと違って、日本ではそれなりの値段だし、料理しながらどんどん飲んじゃうので、不経済この上なかった…。
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