海に落とした名前 の商品レビュー
タイトルといい内容といい展開といい…どうやって書いているんだろう?見た夢をメモしてそれをつなげたりしてるのかな?登場人物たちの心の動きを表す言葉や、読者を不安にさせたり、時に置いていかれてしまうくらいどこかへ飛んでしまう物語などものすごい個性的なんだけど、意外なところで現実との接...
タイトルといい内容といい展開といい…どうやって書いているんだろう?見た夢をメモしてそれをつなげたりしてるのかな?登場人物たちの心の動きを表す言葉や、読者を不安にさせたり、時に置いていかれてしまうくらいどこかへ飛んでしまう物語などものすごい個性的なんだけど、意外なところで現実との接点みたいなものがあって、あっちとこっちをいったり来たりするような不思議な体験ができました。
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多和田作品は献灯使に次いで二作目。 改行の少ない文体なのに何故かすんなり読み進められるのが不思議(僭越ながら、あの雰囲気が私の見る夢の中に似ているからだと思う)。 ただ、時差と極東欧のサウナは殆ど理解できなかった(それでも最後まで飽きないのが、はたまた不思議)。 土木工事は、...
多和田作品は献灯使に次いで二作目。 改行の少ない文体なのに何故かすんなり読み進められるのが不思議(僭越ながら、あの雰囲気が私の見る夢の中に似ているからだと思う)。 ただ、時差と極東欧のサウナは殆ど理解できなかった(それでも最後まで飽きないのが、はたまた不思議)。 土木工事は、克枝たちは猫なのか(人間なのか)。 あとビルの窓清掃の青年とリンクしても良かったかな。 表題作は、この中では一番引き込まれたが、すぐに「搭乗者リストを見れば瞭然だろ!?」と突っ込んでしまい… 作中でも後半でようやく気付いてくれたが、その後の種明かしはもう少ししてくれても良かった(介護施設、精神病院、何らかの闇の組織なのか…)。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
印象に残った二篇を。 「時差」三ヶ国に離れるゲイの三角関係のお話。ゲイの気持ちに関する話は初めてだったんですが、個性ある三人の心の動きはとても気持ちよかった、みんな優しい。でも肉体の描写は辛かった。 「海に落とした名前」航空機の事故で記憶喪失になった主人公、唯一手元に残ったレシートを手掛かりに自分を取り戻そうとする。が、落としてしまった名前、レシートの中に自分の人生がいかに表現されているかというお話のように感じました。ヘルプに現れる人たちのクセが強すぎて、ちょっと主人公へのフォーカスがずれてしまうのが残念。
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ディテールが細かくて、情景が具体的に浮か巧みな文章だから、すいすい読めるけど、結末がよくわからない。どういう話なのかよく分からないけれど、読後感はとても満足できる
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4編を収めた作品集。 「U.S+S.R. 極東欧のサウナ」サハリンという場所が帯びる政治性と歴史性に触れながら、言葉遊びを絡めた文章が多和田さんらしい軽やかさを纏っている。 「土木計画」克枝さん、何か妙だと思いながら(多和田さんの小説は大概妙だったりするので)特に気にせず読んでい...
4編を収めた作品集。 「U.S+S.R. 極東欧のサウナ」サハリンという場所が帯びる政治性と歴史性に触れながら、言葉遊びを絡めた文章が多和田さんらしい軽やかさを纏っている。 「土木計画」克枝さん、何か妙だと思いながら(多和田さんの小説は大概妙だったりするので)特に気にせず読んでいったら、そういうことだったんだ。 「海に落とした名前」記憶を失い名前を忘れ自分に紐付いた一切を喪ってしまう語り手。唯一所持していたレシートの束から即興で言葉を紡いでいくラストは、相反するような解放感と不穏感とを感じさせた。
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短編を集めたもの。最後は航空事故で名前を思い出さない女性であり、途中まではリアルであるが、そのうちに怪しくなるというパターン。
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多和田さんの小説に出てくる人間はみんなどこかずれている。天然とか主張が強いとか協調性がないとかいう性質の問題じゃなく、むきだしのまま成人しちゃったような感じ。子供みたいっていうのとは違う。私たちが元をたどれないほど昔の祖先、もっと人間が素朴で凶暴だっただろう頃の時代からぽんと現代...
多和田さんの小説に出てくる人間はみんなどこかずれている。天然とか主張が強いとか協調性がないとかいう性質の問題じゃなく、むきだしのまま成人しちゃったような感じ。子供みたいっていうのとは違う。私たちが元をたどれないほど昔の祖先、もっと人間が素朴で凶暴だっただろう頃の時代からぽんと現代に投げ出されたような絶妙な違和感に包まれている。 むきだしのままなのに世界に怯まない。妙に強い。 4編入り。 表題作と「土木計画」が良かった。 「土木計画」ああ、そうだったのかと最後で実はこの作品に大きな謎があったことに気付かされる。
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読んだ時期が悪かったのか、今一つ 頭に入ってこない…。 集中出来なかったから理解できなかったのか、私に合わなかったのか。とにかく、ごめんなさい。よくわからなかったです。
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短編集、文句なく面白かったです。 エクソフォニーでホモエロティックな三人の男が舞台の上でくるくると入れ換わる「時差」。笑うとこなどないのに、なんとなくスラップスティック。最初に自分が”盆回し”をイメージしちゃったからかも。 しかし、なんと言っても表題作!気づいたら自分も名前を...
短編集、文句なく面白かったです。 エクソフォニーでホモエロティックな三人の男が舞台の上でくるくると入れ換わる「時差」。笑うとこなどないのに、なんとなくスラップスティック。最初に自分が”盆回し”をイメージしちゃったからかも。 しかし、なんと言っても表題作!気づいたら自分も名前を失くしてしまっていた!
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始めは「何だこれ?」と疑問符だらけで読んでいたが、この不思議な感性に慣れると次第に虜になる。 無機質で知的な言葉の遊戯。
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