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アンノウン の商品レビュー

3.7

29件のお客様レビュー

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2021/03/18

改めてメフィスト賞受賞作品及び作家の豪華さに惹かれ、どこかの書評で見かけて入手したと思われる本作に、まずトライ。でも本作は、正直イマイチ。自衛隊内部という舞台は斬新かもしらんけど、物語展開そのものはいたって月並み。そう思わせられる素因のひとつとして、登場キャラの魅力の低さがある。...

改めてメフィスト賞受賞作品及び作家の豪華さに惹かれ、どこかの書評で見かけて入手したと思われる本作に、まずトライ。でも本作は、正直イマイチ。自衛隊内部という舞台は斬新かもしらんけど、物語展開そのものはいたって月並み。そう思わせられる素因のひとつとして、登場キャラの魅力の低さがある。ホームズもワトソンも何だか普通の人で、もっとこの人のことを知りたい!と思わせる造形には遠い。あと細かいことだけど、”~なのであった”という語尾の多用が、文体の個性主張なのかもしらんけど、却って目障り。著者の推理協会賞受賞作も気になってるんだけど、本作を読む限り、ちょっとどうかな…と思えてしまった。

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2021/01/11

自衛隊出身の著者による、自衛隊の存在意義をテーマとしたミステリ。「メフィスト賞受賞」とあるのでさてどんな本か…と思ったら、正統派ですね。 空自の隊長室の電話機に仕掛けられた盗聴器について、防衛部から派遣されたエリートと、隊員の主人公が調査を進める中で、少しずつ真相が明らかになって...

自衛隊出身の著者による、自衛隊の存在意義をテーマとしたミステリ。「メフィスト賞受賞」とあるのでさてどんな本か…と思ったら、正統派ですね。 空自の隊長室の電話機に仕掛けられた盗聴器について、防衛部から派遣されたエリートと、隊員の主人公が調査を進める中で、少しずつ真相が明らかになっていき…というのが本著のストーリーです。 個人的には、本著が面白いのは、犯行のカラクリが存在してはいるものの、読了した時点で「どのように」よりも「なぜ」に意識が取られてしまうことだと感じました。 本著内で上記の2人が事件について話し合うシーンで、「いつ、どこで、だれが、なにを、どのように」というフレームワークで整理していたのですが、一般的な「5W1H」と比べると「なぜ」が抜けている。 的外れかもしれませんが、「なぜ」が事件の犯行動機としても、自衛隊の存在意義としても、大きなテーマだったのではないかと思いました。 自衛隊員の知己は何人かいるのですが、多かれ少なかれ自らの存在意義や目標に対する悩みはあるんだろうなぁと。彼らが非常に優秀で「精強」な人たちだからこそ、何ともやるせないような気持ちになります。 そんなストーリーながらも、シニカルな主人公と変わり者のエリート、というキャラの取り合わせが本著を軽快に読み進めさせてくれ、上手いなぁと感じました。 解説は著者のご指名で宮嶋茂樹氏が担当。おかげで本編と随分トーンが違いますが(笑 、本著が伝えたいことがよりクリアになったのではと。 自衛官サイドも「独りよがり」ではいけないとして、市民サイドも自衛隊に(と言うか、自衛官に?)対してもっと理解を醸成する必要があるのではないかと思います。

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2018/06/17

実戦を知らない軍隊、自衛隊。 しかし、そんな自衛隊でも常に実戦配備についている部隊はある。 それは日本國の権益を守るための目や耳の役割を果たす監視部隊。 その実戦部隊において防諜にかかる事件が起きる。 事件解決のために防衛庁から派遣された専門家の補佐のため基地司令が用意した空曹...

実戦を知らない軍隊、自衛隊。 しかし、そんな自衛隊でも常に実戦配備についている部隊はある。 それは日本國の権益を守るための目や耳の役割を果たす監視部隊。 その実戦部隊において防諜にかかる事件が起きる。 事件解決のために防衛庁から派遣された専門家の補佐のため基地司令が用意した空曹の視点から、事件解決までの一部始終を綴るフィクション。 その事件を引き起こした犯人の姿とその動機は、戦わない自衛隊だからこそのものであった。 なるほど〜と軽く呻る終章。 自衛隊の姿をこの視点から描いた小説は初めて読んだと思います。

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2016/09/22

自衛隊防衛部調査班 浅香二尉 と野上三曹コンビのシリーズはこちらが先だったのか。 知らずにアンフィニッシュトから読んでしまった。 続きものではないので支障はなかったが。 おもしろかった

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2016/08/24

自衛隊のレーダー基地内での盗聴事件の話。 登場人物の少なさや行動範囲の狭さもあって、コンパクトな印象。 日常の謎的な分類に入るのかもしれません。 自衛隊内の描写のリアルさは、実際には判断がつかないけれど、かなりリアルなんじゃないかな? 不肖・宮崎の解説はせっかくの読後感を台無しに...

自衛隊のレーダー基地内での盗聴事件の話。 登場人物の少なさや行動範囲の狭さもあって、コンパクトな印象。 日常の謎的な分類に入るのかもしれません。 自衛隊内の描写のリアルさは、実際には判断がつかないけれど、かなりリアルなんじゃないかな? 不肖・宮崎の解説はせっかくの読後感を台無しにしている気がしました。個人的には読まないことをお勧め。

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2016/01/26

自衛隊内で盗聴器が仕掛けられた、という特異な密室ミステリ。 調査に趣いた少々変わったエリート朝香仁とバディーを組まされたのは主人公野上。状況自体はおもしろいのだが、あまりにも物語が淡々と進んでしまうので、やや読者は置いて行かれてしまう。ドラマでは10分の尺でも使いそうなところさえ...

自衛隊内で盗聴器が仕掛けられた、という特異な密室ミステリ。 調査に趣いた少々変わったエリート朝香仁とバディーを組まされたのは主人公野上。状況自体はおもしろいのだが、あまりにも物語が淡々と進んでしまうので、やや読者は置いて行かれてしまう。ドラマでは10分の尺でも使いそうなところさえ、たった数行で軽く済まされてしまうので、盛り上がりに欠けてしまっているような気がするのだ。加えて野上が途中で不貞腐れたかのように謎を投げかけるので、感情移入もできそうにない。 また「なぜ盗聴器を仕掛けられたのか」という命題については、野上と同じく憤りを超えて呆れる気持ちしかない。それも含めて古処さんは書きたかったのだろうが、なんだか腑に落ちない終わり方になってしまった気がする。 『アンフィニッシュト』にこの後すぐ続くようだが、できればもう数年してまだ自衛隊に居る野上に朝香から声をかけて欲しかったと思う。より本書の終わり方が薄くなってしまう気がする。 自衛隊の中で、という特異な密室ミステリの発案はおもしろく、古処さんならではだが個人的には『アンフィニッシュト』をおすすめする。

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2015/04/21

自衛隊の任務の中で展開されていく推理小説という感じで引き込まれました。 しかも、推理の行き着く先は、国防や国会陰謀のような大きな話ではなく、小さな人間の浅はかさ…。 そう、やっぱり自衛隊員と言えども人間なんですね。 自衛隊員の葛藤など、いろいろ知ることができてよかったです。 も...

自衛隊の任務の中で展開されていく推理小説という感じで引き込まれました。 しかも、推理の行き着く先は、国防や国会陰謀のような大きな話ではなく、小さな人間の浅はかさ…。 そう、やっぱり自衛隊員と言えども人間なんですね。 自衛隊員の葛藤など、いろいろ知ることができてよかったです。 もっとも3.11の震災以降、この小説の発表当時より、私を含めて国民から自衛隊の方々への感謝や尊敬度はぐっと増していると思います。 今は国境紛争やテロも多く、忙しさにお疲れの面もあると思いますが、どうか自衛隊の皆さん、がんばってください!応援しています!

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2014/11/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【本の内容】 自衛隊は隊員に存在意義を見失わせる「軍隊」だった。 訓練の意味は何か。 組織の目標は何か。 誰もが越えねばならないその壁を前にしていた一人の若い隊員は、隊長室から発見された盗聴器に初めて明確な「敵」を実感する…。 自衛隊という閉鎖空間をユーモラスに描き第14回メフィスト賞を受賞したデビュー作。 [ 目次 ] [ POP ] 帯のコピーが「さあさあ、どないだ皆の衆! 自衛隊サスペンス小説は初めてでっしゃろ。」とかなり軽い調子の大阪弁になっていたので、“コメディー風自衛隊サスペンス”?という先入観を持って読み出したが、それはよい意味で裏切られてしまった。 本当に面白くて、よくできた作品であった!! 基地指令の電話に仕掛けられた盗聴器の調査という地味なストーリーながら、自衛隊の持つ矛盾や隊員の悩み鬱屈を表現した現代戦記とも読めるし、盗聴器を仕掛けた人物を探す日常の謎ミステリーとしても読める、充実の1作。 登場人物のキャラクターづくりもよく、探偵役の防衛部調査班の朝香、語り手役の野上三曹を始め、上司の三佐や後輩の空士などそれぞれが巧みに描かれ、物語として奥行があり堪能した作品であった。 が、先に呼んでしまった解説は個性を出そうとしてか、軽くおちゃらけた文体で実弾を撃ったこと云々と、作品とはあまり関係のない話に終始した自己満足・自己完結型解説で、帯のコピーと同じく完全なミス!!と感じた。 帯と解説には目もくれず、作品だけを読むべし! [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2014/05/29

自衛官が結婚相手として人気がある、と最近何処かで目にしたので、なんとなく手にとってみました。 舞台は自衛隊の基地内だけで完結してしまいますが、自衛隊の雰囲気が伝わってきます。 徴兵制について全面的に賛成はできませんが、一定期間、厳しい規律の中で生活するのはイイことなんじゃないかと...

自衛官が結婚相手として人気がある、と最近何処かで目にしたので、なんとなく手にとってみました。 舞台は自衛隊の基地内だけで完結してしまいますが、自衛隊の雰囲気が伝わってきます。 徴兵制について全面的に賛成はできませんが、一定期間、厳しい規律の中で生活するのはイイことなんじゃないかと思いました。

Posted byブクログ

2014/01/26

自衛隊の基地内が舞台のミステリ。 一人称で書かれている上に主人公の語りが軽いノリなので随分と読みやすかった。 謎解き部分にはそこまでの奇抜さはないのだけど、今まで読んだ事のなかった自衛隊内部での話なので興味深かった。

Posted byブクログ