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須賀敦子全集(第6巻) の商品レビュー

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2014/10/01

第6巻は『イタリア文学論』と『翻訳書あとがき』。読んでみると、元々、1冊に纏まったものではなさそうだ。 こうやって並べてみると、翻訳書の数自体はさほど多くないのに驚く。もっと訳していると思っていた……。

Posted byブクログ

2010/06/23

著者によるイタリア文学に関する「研究論文」を中心とする巻。 巻末には、こう書いてある。「ギンズブルグ、サバ、ウンガレッティ、そしてダンテなど、愛した作家や詩人たちの作品論を収録。イタリア文学への望みうる最良のガイド。」 ・・・とはいえ、初出はイタリア学会や日伊協会となっている...

著者によるイタリア文学に関する「研究論文」を中心とする巻。 巻末には、こう書いてある。「ギンズブルグ、サバ、ウンガレッティ、そしてダンテなど、愛した作家や詩人たちの作品論を収録。イタリア文学への望みうる最良のガイド。」 ・・・とはいえ、初出はイタリア学会や日伊協会となっていることからも分かるように、明らかに専門家向けである。 具体的に言うと、論じられている作家の主な作品の内容は知っていることが前提であることが多く、ものによってはイタリア語の詩(原詩で、というのも和訳がないから)が読めることが前提となっており、とても「最良のガイド」などとは言えない。 その言葉は、イタリア文学に初めて接する人を読者として想定している場合にだけ当てはまるのではないでしょうか。 むしろ、上記のイタリア人作家や詩人の作品を読んだことがある人を対象に、こういう読み方もできますよと説いているというのが正確だろう。だから、「研究論文」なのだ。 既に故人である著者も、この本の触れ込みを見て購入した読者も、双方ががっかりするんじゃないだろうか。 河出書房さんの職業的誠意に少々「?」マークが付く巻でした。 なお、本書には、著者による翻訳書の訳者あとがきが収録されています。 これも、当然ですが、その訳書を読んだ人向けに書かれているので、あとがきだけ収録されてもなあという感じです。サバ詩集などはこの全集に収録されているのに、その他の訳書は収録が難しかったのでしょうか。 そんなこんなで、少々不満は残りますが、全集とはそういうものかもしれません。「書簡集」とか「日記」の巻などは、研究者にとっては有益かも知れませんが、読んで楽しいものとは言えないのが事実ですし。 著者がこういう研究論文をものしていたことを、全集としては収める必要があるのでしょう。 そして、本書の評価対象は、その内容であり、全集編纂の在り方ではないのだろうとも思います。 であれば、私には、これらの論文の評価をするだけの素養がないので、本書の評価は敢えてつけないままにしておきます。

Posted byブクログ