子どもの学力差は教師の指導力の差だ の商品レビュー
タイトルから刺激的である。有田先生が現在の教師を見て、警鐘を鳴らしているかのような一冊である。より日常的で基本的な、教科書やドリル・ワークについて述べられている。日常授業のレベルアップ、そして多くの先生が社会科教科書を使いこなせていないことへの危惧が、有田先生に強くあるのだろう。...
タイトルから刺激的である。有田先生が現在の教師を見て、警鐘を鳴らしているかのような一冊である。より日常的で基本的な、教科書やドリル・ワークについて述べられている。日常授業のレベルアップ、そして多くの先生が社会科教科書を使いこなせていないことへの危惧が、有田先生に強くあるのだろう。 ① 教科書の基礎・基本を見分けて指導する ちょうど、教科書が薄くなって学習内容が精選されたことに対して批判が出ていたころに発刊された本である。時代を感じるということもできるが、「教科書をきちんと読み説けていない、教科書研究ができていない教師が多い」と、有田先生が感じられているのだろう。「社会科など『知識』がなくてはものが見えない。この『知識』を教えることにおく病になってはいけない」と書いてある。そのためには、ワークやテストを使いこなせなければならないし、補充教材の活用も「はてな?」が出てくることにつながるのであろう。 ② 「教科書の文や資料だけでは理解できないところがある」 特に社会科教科書については顕著に当てはまる。教科書の行間を埋めるための「補充教材」の準備や、教科書本文と図表とを結びつける読み取り力が教師には求められる。また、❶教えるべき❷考えさせるべき❸さっと流してよいところ、を見極めて授業や単元を作っていく力もつけていかなければならない。 ③ 社会科基礎的用語の指導 本書の3分の2近くが、3~6年生の社会科基礎的用語についての解説となっている。育っている子どもたちの授業の特徴として「学習用語を使って説明できる」というものがあると考えている。学習用語を用いた授業を続けていくことで、子どもたちが自然に定着・活用していけるようにしたい。そのためには、教師が学習用語に意識的になって、授業をつくっていくことである。 教師が自分自身をどれだけ高めていくか、修業を続けていくかが、子どもたちの幸せにつながってい く。そのためにも、指導力をいっそう磨いていく。それを続けていく。
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