データが語る(1) の商品レビュー

河村茂雄【著】

データの宝庫

[いじめの発端]

Q-Uを活用してそれを土台にした全国の学級状態のデータと学力向上に関する面白い検証文献です。

学級状態がいじめや学級崩壊、不登校などの基本的な原因になっているという観点から論じられ、学級状態と子どもたちの気持ち、そして学力向上に結び付くという論理は疑う余地がないように思える。

Q-U活用をしていなくても、全国のデータから自分の学級がどのような状態で今後考えられる問題などが読みとることができる。子を持つ保護者にも是非目を通して欲しい内容です。

子ども個人や担任の教師としてのキャラクターや力量ばかりに目を向けず全体の学級状態にこそ問題が根付いているということがハッキリ理解できる良書だと思います。

木を見て森を見ずとはまさにこのことでではないでしょうか。

データ情報だけも価値あり

[upanddowngiantsdrain]

本書は4年前に発刊されたものですが、その膨大な信頼おけるデータ量と内容はコストパフォーマンス的に非常に優れた作品だと思います。これだけのデータと検証を教師として学校として取り入れない手はないと思います。
いじめや学級崩壊など生徒たちの指導法や学級経営法を語る上で至極役立てるシリーズになっています。
一般論として少ない地域の情報と経験だけのものよりも、全国の学校の現状を知った上で議論するのではその深さは火をみるより明らかだと思います。
本書の特に秀逸な点は学級状態を向上させることが学力向上に結び付くというデータと検証を持って、それを正確に結論付けた部分ではないでしょうか。著者のQ-Uを導入可否が簡単でない場合であれば、一読してそのデータ情報だけでも参考にならない部分はないと思います。

このデータを利用しない手はないです

[jimmyteaching]

いじめ、学級崩壊を考える上でとても役に立つ内容だと思います。
全国５万人の児童生徒を対象に行った「思春期アンケート」「学力テスト」の結果が多様な側面から分析されているので、自分の知る以外の全国の教育現場の現状、豊富なデータ比較もでき大局的視点での考察や、客観的にも大いに参考にできます。
豊富なデータ量はその学校、その教師ごとの問題へどのようにも活用できるはずです。著者が考案したQ-Uはいくつもの効用を引き出してくれますが、それを利用しなくても自分のクラスの状態に置き換えイメージすることで授業づくりや学級経営にQ-Uの結果で仕分けしたアプローチを取り入れることができます。
深刻化していく教育問題を考える上で、職員会議や保護者会でも間違いなく議論を充実させてくれるでしょう。

いじめ対策に役立つ

[yellowdog]

最近の表面化したいじめによる自殺問題を食い止めるために学校側はどうしたらよいか？
本書はいじめが起こる環境を実態の各データから考えさせてくれます。
さらにポイントとしていじめの発生と学級状態の関係性を検証している点である。
直結するかどうかはどうかはこれからの結果もあるかもしれないが、
現状いじめの問題を解決する決定的な打開策がない今、Ｑ-Ｕを活用したいじめ撲滅案はかなりの有効打に思える。
いずれにせよ本気でいじめ撲滅に頭を悩ませている各学校や教師であれば、
この一冊から多大なヒントをもらえるはずである。
いじめ問題を直視して建設的に議論しあえる意味でも意義ある一冊である。