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ヘーゲル『法の哲学』 の商品レビュー

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2013/06/03

ヘーゲル法哲学の全体像を発展史的に解明する研究である。そのために、イェーナ期の諸構想、『精神現象学』といった『法哲学綱要』以前の諸著作と、晩年の選挙法論文をも視野に入れ、統一的なヘーゲル法哲学像を描き出そうとしている。主として発展史的考察が続くが、同時代の様々な思想―ルソー、フィ...

ヘーゲル法哲学の全体像を発展史的に解明する研究である。そのために、イェーナ期の諸構想、『精神現象学』といった『法哲学綱要』以前の諸著作と、晩年の選挙法論文をも視野に入れ、統一的なヘーゲル法哲学像を描き出そうとしている。主として発展史的考察が続くが、同時代の様々な思想―ルソー、フィヒテからコンスタン、シャトーブリアンまで―との比較と影響の考察がなされており、概念史的見地からも興味深い。発展史的観点と概念史的観点がうまく組み合わさっており、歴史のなかで生成するヘーゲルの思惟を具体的に把捉できる。

Posted byブクログ