臨床動作法への招待 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
臨床動作法とは、動作を通して人に心理的援助をなしていくという療法です。この本はセラピストへの指導書ですが、問題を抱える人やその家族が読んですぐ取り組めるよう、専門用語を多用しないで、やさしく書かれています。 緊張すると肩が上がったりしますが、体をほぐすと緊張がやわらぐということは誰でも経験があることです。臨床動作法はこれを応用し、体験から心理にアプローチするという、つまり体のほうから心を変えるとしています。 日常の焦燥感や緊張感に悩む人が、まっすぐ立てないところをセラピストの援助でまっすぐ立てるようになるまでの体験で、不安定感などを改善した事例、また、自閉症、統合失調症などの症状に応用し、効果を上げている事例が紹介されています。 緊張をほぐすだけでなく、逆に緊張感を持たせ、体の軸を体感させることで集中力が生まれるという方法もあり、これを不登校児に応用し、効果を上げた事例が紹介されています。不登校の子とセラピストとのやりとりでは、言葉がけのコツも具体的にわかるとともに、ついに登校できるようになるゴールには、一つの物語のような胸を打つ感動があります。 そのほか、無意識的活動に働きかけるという催眠法があり、脳性まひの人に動作訓練として導入して成功した事例があります。不思議ではありますが、学術的裏付けがなされています。 臨床動作法によって、足が麻痺して歩けなかった若い男性が歩けるようになるという事例には驚きました。
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この本では統合失調症や脳性麻痺の人に対しての動作法の臨床について書かれている。 しかしそういった病気などでない人でも自分の身体をしっかりと意図して動かすことは難しいでしょうね。
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今までで読んだ動作法関連の本の中では一番よかった。統合失調症、不登校児、脳性まひ児、そして研修会を通してカウンセラーへの実践など幅広く、しかもセッションの経過が丁寧に記されていた。ちょっと高いが、手元にぜひ置いておきたい1冊。
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