ナイトメア の商品レビュー
混沌とした精神世界の中で、私と彼女とを区別するものがなくなったと自覚した時の絶望感に、心がやられそうになった。
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「この人なら自分のことが分かってもらえる」と作家に「心の迷路の物語」をするナイトメアと呼ばれている女性が主人公、が、だんだん作家自身と渾然一体になっているような物語。 「ナイトメア」は声に悩まされている。罵りの言葉に。 「ナイトメア」は母に愛されていない。兄を溺愛する母に。 「...
「この人なら自分のことが分かってもらえる」と作家に「心の迷路の物語」をするナイトメアと呼ばれている女性が主人公、が、だんだん作家自身と渾然一体になっているような物語。 「ナイトメア」は声に悩まされている。罵りの言葉に。 「ナイトメア」は母に愛されていない。兄を溺愛する母に。 「ナイトメア」は女であることを思い知らされる。感受性が強いから。 母の誇りの兄(男)のようになりたくて、能力を発揮し努力をして手に入れたものを母は喜ばない。母に認められないことの悲しみと怒りが噴き出してくる「ナイトメア」罵りの声が聴こえるのは「ナイトメア」の心の声。 女は女の子を産むと自分の雛形コピーと思っていないか、という深い洞察。知らず知らず同質を強要しているかもしれない。 それを知ってしまった母娘は仲良くはなれない。 というところにわたしは思い当たるのでものもあるので、暗澹たる気持ちになった一書。
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これはわたしの物語だ、っていうの、言葉としては時折見掛けるけれど ああ、って思った。こういう感じのことを言うのかもしれない。感覚として。 なんとなく独特っぽいけれど、全然遠くなくて 物語としてはあまり具体的じゃないけれど、それでいて輪郭がすごくはっきり隔絶していて わからない...
これはわたしの物語だ、っていうの、言葉としては時折見掛けるけれど ああ、って思った。こういう感じのことを言うのかもしれない。感覚として。 なんとなく独特っぽいけれど、全然遠くなくて 物語としてはあまり具体的じゃないけれど、それでいて輪郭がすごくはっきり隔絶していて わからないことを解明していく作業ってすきだし、せずにはいられないような性質だから こういうの、すき。
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母と同じ道を歩みたくないけど、母を越えることはこわいっていう。 そういえば、女性であるということを理由に虐げられた経験がない気がする。 女子校育ちで、まだ社会に出てないからかな。
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セラピーというものは唐突に始まり唐突に終わる(逃げられる)ものだから幕切れのあっけなさは頷けるが、小説としては卑怯。 しかし痛くて痛くて苦しかった。 フロイトーラカンのラインが残したものは、この不安憂鬱時代には適さないものも多いが、 1.心的事実の重視。 2.人は物語に生きる。 ...
セラピーというものは唐突に始まり唐突に終わる(逃げられる)ものだから幕切れのあっけなさは頷けるが、小説としては卑怯。 しかし痛くて痛くて苦しかった。 フロイトーラカンのラインが残したものは、この不安憂鬱時代には適さないものも多いが、 1.心的事実の重視。 2.人は物語に生きる。 3.解釈の重要性。 4.症状は誤った対応行動。 などの知見は依然有効。 のようなことを考えた。 oquba
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「私を責めるもう一人の私がいるんです」突然届いた、見知らぬ女子学生からの手紙。 現代らしい雰囲気がよかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ちょっとジャンルわけに迷いますが。 「ナイトメア」から受け取った手紙を主人公が簡素にまとめて分析するのみで物語のほとんどが進んでいく。 ナイトメアは病んでいるけど病状の報告とかではなく、生育環境を客観的に見た報告や不安、兄と自分を母がどのように見ているかの淡々とした描写などに終始して「助けて欲しい」などのサインは出さない。結局主人公とナイトメアは自然消滅的に書簡のやり取りはなくなってしまうんだけど、「これほどつよいナイトメアは地上にはいない」というような一文にナイトメアの苦痛を唯一理解してたんだと思わせた。 あと、「彼女は」じゃなくて「ナイトメアは」ってなってるのがすごく効果的。 私は薬です。 が、イコールでナイトメアに結びつく気がした。
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小説としてはあんまり。 小説しか読まない人にも手にとってもらいたいってことなのかもしれないけれど。 カウンセリングやなにやらは必ずしもうまくいくわけじゃないけれど、まっとうなカウンセラーが本を書くならうまくいった事例を出す。 じゃなきゃ参考にならないし、希望を持たせることが治療...
小説としてはあんまり。 小説しか読まない人にも手にとってもらいたいってことなのかもしれないけれど。 カウンセリングやなにやらは必ずしもうまくいくわけじゃないけれど、まっとうなカウンセラーが本を書くならうまくいった事例を出す。 じゃなきゃ参考にならないし、希望を持たせることが治療の第一歩だから。 断定や否定も避ける。否定されたと感じやすい人を無闇に怯えさせ、治療の場から遠ざけてしまうことを避けたいから。 フィクションにはそういった啓発本の縛りがない。 支援者や研究者としての言葉ではなく、治療者やクライアントとしての目を持っていない人に気づかせるための文章として、「小説」という形が必要だったのかもしれない。
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んんー…共感できるし読みやすいのだが、しばしば出てくる「○○は××である」という断定文が気に障ってしまう。人の心はそんな風に簡単に括れないんじゃないのかなぁ。
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ナイトメアを持つ彼女。現代で、現実で生きる「女」という殻の「自分」と「自分」の中の「自分」矛盾を感じながらも溶け込まなければいけないの?という葛藤。人でありながら女でなくてはという見えないプレッシャー。 ナイトメアは最初のナイトメアでした。 ナイトメアに共感し、また自分もナイトメ...
ナイトメアを持つ彼女。現代で、現実で生きる「女」という殻の「自分」と「自分」の中の「自分」矛盾を感じながらも溶け込まなければいけないの?という葛藤。人でありながら女でなくてはという見えないプレッシャー。 ナイトメアは最初のナイトメアでした。 ナイトメアに共感し、また自分もナイトメアなのではないか?(彼女より私は真面目で頑張り屋ではないけれど)
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