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花とことばの文化誌 の商品レビュー

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2022/12/04

ぱらぱらとめくって第4章の伊藤静雄の話に惹かれて読んでみた。伊藤静雄は私が幼少を過ごした大阪の地のすぐそばの高校の国語教師だったということで気になっていたし、その詩も心惹かれる強さを持っていたのだ。第4章は現代小説と詩と花との関りを味わい深く解明してくれている。ああ、あらためて芥...

ぱらぱらとめくって第4章の伊藤静雄の話に惹かれて読んでみた。伊藤静雄は私が幼少を過ごした大阪の地のすぐそばの高校の国語教師だったということで気になっていたし、その詩も心惹かれる強さを持っていたのだ。第4章は現代小説と詩と花との関りを味わい深く解明してくれている。ああ、あらためて芥川龍之介の詩「相聞」には惹かれるなあ。その四「また立ちかへる水無月の 嘆きを誰にかたるべき 沙羅のみづ枝に花さけば かなしき人の目ぞ見ゆる」第1章は生活の中での日本人と花との関わり。第2章は唱歌と花との関わり。第3章は古典に描かれた花。桜は結界として意外と古くから日本人の側にいたのだ。吉野の桜についても詳しい。壬申の乱の頃は吉野は桜ではなく深雪の地だった。中世の蔵王信仰の頃から桜が次々と植えられて行ったのだ。

Posted byブクログ