師匠噺 の商品レビュー
ちょっと不思議な落語の師弟関係。芸の世界なのに師匠は弟子に落語を教えないという。しかし落語を教えてもらえない弟子が段々と師匠に似てくる。さて師匠はいったい弟子に何を教えているのか?芸や伝統を伝えるとは?師匠と弟子のつながりとは?これはとても素晴らしい本です。読んで損はありません。
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落語の本はたいてい面白いなぁ。この本は今をときめく人たちとその師匠と両方のことがわかってお得。がぜん落語にいきたくなるし、CDなど聞きたくなります。文体もなんだかだんだん落語調になっていくのがご愛嬌ですね。
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これはヒドい。内容は面白くないはずがないので、魅力的なエピソードもたくさんあるんだけど、なにせこの著者の日本語が下手すぎる(T_T)。 読み返して論ふには変なところがたくさんあり過ぎて辛いので、最終章の「立川談志と立川志の輔」の項から二つ三つ。仮名遣ひは私のに直しますよ。 志...
これはヒドい。内容は面白くないはずがないので、魅力的なエピソードもたくさんあるんだけど、なにせこの著者の日本語が下手すぎる(T_T)。 読み返して論ふには変なところがたくさんあり過ぎて辛いので、最終章の「立川談志と立川志の輔」の項から二つ三つ。仮名遣ひは私のに直しますよ。 志の輔についてこんなことを言ふ。 「誰よりもお客を楽しませて帰したいといふ思ひが人一倍強いからといふことももちろんある。だからこそ志の輔は一流の落語家なのだが、さうせずにはゐられない性分であるといふことも大きい」 これ、何か文章の前半と後半で、「~だが、」と逆説で繋がるやうな意味のことが書いてありますか?「~といふ思ひが人一倍強い」といふことと「さうせずにはゐられない性分である」といふことは反対のことかしらん。 その直後、「(前略)そもそも落語とは何か。(中略)……そんなことを常に考へてゐる。時には脳みそがくたくたになるほど考へ抜く。悩み抜く。自らガッテンできるまで……」 どうです。この無意味な強調。(落語に関する根源的な意味を)常に考えてゐる、といふことを書くのに、こんなヘタクソな日本語も珍しいのではないか。 最後の一文。 「師匠より長生きするのも弟子のつとめ。たとへ人並みはずれたチェーンスモーカーであろうとも"立川流の傑作"たる弟子が、そこに抜かりがあるわけがない……」 これでこの項、そして全巻の終りですよ。この2文で一体著者は何が言ひたいのか。ただ単に志の輔が「人並みはずれたチェーンスモーカーであ」る、といふことを提示したいのか。この弟子が「立川流の傑作」であるから「師匠より長生きする」といふ「弟子のつとめ」を果たすのに「抜かりがあるわけがない」といふ文章は一体何を表すのか。読者は何も納得できないまま「ふーん」と本を閉じるしかないではないか。 こんな調子で全巻に亙つて意味不明な表現や不適切な紋切り型の表現が頻出する。繰り返すけど、題材は面白くないわけがない。実際、取材した師匠と弟子の言葉をそのまま引き写してある部分の多くは魅力的なのだ。著者の地の文になるとかうまで破綻するといふのが、なんともいたたまれないところであります。
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志の輔、鶴瓶、市馬、喬太郎、鯉昇といった落語家たちが、「師匠」と「弟子」という摩訶不思議な関係について語った本。 不条理で抱腹絶倒、そしてときにほろっとさせる師弟愛の世界は、まさにそのまま「落語」の世界でもある。
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何十人、何百人?もいる落語家からこの人だっと自分で決めて弟子入りを果たすわけだけれど、それって実は大変なことではないだろうか。弟子になってからしまった!なんてことはないのだろうか?本書に登場する師弟は、もちろんそういうことはなく、この師匠にこの弟子あり、という落語家ばかりである。...
何十人、何百人?もいる落語家からこの人だっと自分で決めて弟子入りを果たすわけだけれど、それって実は大変なことではないだろうか。弟子になってからしまった!なんてことはないのだろうか?本書に登場する師弟は、もちろんそういうことはなく、この師匠にこの弟子あり、という落語家ばかりである。それにしても、独特な師弟制度である。いつも思うけれど。
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腰帯の惹句「赤の他人同士なのに、たいして稽古もしてもらってないのに、なぜか似ている、どんどん似てくる——落語の師弟は不思議だ。」 実の親子と違うのは、弟子は師匠を選べるところ。師匠は、弟子を取ることで人をどう育てたらいいのかという課題に直面し、試行錯誤するようだ。弟子は、一人前...
腰帯の惹句「赤の他人同士なのに、たいして稽古もしてもらってないのに、なぜか似ている、どんどん似てくる——落語の師弟は不思議だ。」 実の親子と違うのは、弟子は師匠を選べるところ。師匠は、弟子を取ることで人をどう育てたらいいのかという課題に直面し、試行錯誤するようだ。弟子は、一人前になってから、あるいは師匠と呼ばれて弟子を取るようになってから、自分を試行錯誤で育ててくれた師匠のありがたみを知る。 企業で人材育成を仕事にしてる自分には、一対一の濃密な関係の中で、師匠が弟子それぞれの個性をどう引き出しつつ芸を継承させるかというプロセスがとても面白い。
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さん喬・喬太郎 って目次に書いてあったのでなんとなく読んだけど全体的にすごくよかった! お二人に関しては知ってるエピソードもあったけど、入門のくだりは知らなかったのでよいものを読みました。総領弟子かあ…… どこの師弟も、関係の話とかになるととことんおもしろい。師匠を敬愛してやまな...
さん喬・喬太郎 って目次に書いてあったのでなんとなく読んだけど全体的にすごくよかった! お二人に関しては知ってるエピソードもあったけど、入門のくだりは知らなかったのでよいものを読みました。総領弟子かあ…… どこの師弟も、関係の話とかになるととことんおもしろい。師匠を敬愛してやまない様、相性はあれども素敵だなあとにこにこして読んだ。 ことに鯉昇さんのところはすごい。食べられる草と食べられない草を分別しての食事、ダンボールでちょっと暮らしてたとか、でもそれが普通だと思ってたとかタフすぎる。 タンポポを摘んでて職質をかけられたなんて……そんな弟子をほかに預け、出家していった小柳枝師匠ってすごい。 立川流は、立川流だなーって思った。「落語の大学」で、立川流は宗教法人とか形容されてたのにも、何冊か読んでいくと頷かざるを得ない気がする。 「まず師匠ならどうするか考える」みたいな言葉が印象的。
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親子ともちがう、兄弟ともちがう。なんとも不思議な上下関係。それが落語家の“師弟”――笑福亭松鶴と笑福亭鶴瓶、立川談志と立川志の輔、春風亭柳昇と春風亭昇太、柳家小さんと柳亭市馬、柳家さん喬と柳家喬太郎、などなど、東西の落語家師弟にスポットを当てた本書。げに十人(十組)集まれば気は十...
親子ともちがう、兄弟ともちがう。なんとも不思議な上下関係。それが落語家の“師弟”――笑福亭松鶴と笑福亭鶴瓶、立川談志と立川志の輔、春風亭柳昇と春風亭昇太、柳家小さんと柳亭市馬、柳家さん喬と柳家喬太郎、などなど、東西の落語家師弟にスポットを当てた本書。げに十人(十組)集まれば気は十色。一人として同じ「師匠」なんていないのだ! 基本、師匠にインタビューはとらず、「師匠噺」なので弟子がインタビューを受ける形。まあ、師匠はもう故人の方も多いので。私の持ってた師匠像というのがいかに偏っていたか。本当にいろんな師匠、いろんな弟子、いろんなエピソードがあるんですね。勉強になります。 個人的に残念だったのは米朝一門がなかったことかな…枝雀と南光とかエピソード多いのに。あとやたら「うつくしい日本」「古き良き日本の家族像」を強調しているのがイヤーになった。そんなんいらんやん。
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『美しくも軽やかなリズム』 古今亭志ん朝と志ん五、立川談志と志の輔、春風亭柳昇と昇太...。 噺ではなく、師弟という切り口で、12人それぞれの弟子が師匠について物語る1冊。 それはまた己について語ることでもあり、 現在の落語論としても斬新な内容になっていると思う。 ...
『美しくも軽やかなリズム』 古今亭志ん朝と志ん五、立川談志と志の輔、春風亭柳昇と昇太...。 噺ではなく、師弟という切り口で、12人それぞれの弟子が師匠について物語る1冊。 それはまた己について語ることでもあり、 現在の落語論としても斬新な内容になっていると思う。 それにしても、笑福亭松鶴と鶴瓶の章はすごい。 「泣けます」といった本紹介は大嫌いなタチだが、泣いた。 久しぶりに本を読んで涙を流した。 病に倒れた松鶴が残したカレーを、弟子である鶴瓶が食べるシーン。 なんてことない内容である。 だが、ここで生まれる師と弟子のこころの交流は涙なしには読めない。 おそらく敢えて軽く書かれている筆致が、その交流を十全に伝えている。 美しくも軽やかなリズムだ。 浜美幸、何ものぞ。
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