隕石コレクター の商品レビュー
隕石コレクション入門本。 隕石に興味を持つ人には、とても面白い内容です。 数年前、ロシアに隕石が落下して話題になった。隕石が地球の大気圏に突入する現象には多くの人が関心を持ったと思うが、隕石がどんなものであったかについてはメディアはあまり関心が無いらしい。その後はあまり取り上げら...
隕石コレクション入門本。 隕石に興味を持つ人には、とても面白い内容です。 数年前、ロシアに隕石が落下して話題になった。隕石が地球の大気圏に突入する現象には多くの人が関心を持ったと思うが、隕石がどんなものであったかについてはメディアはあまり関心が無いらしい。その後はあまり取り上げられる事もないようだ。 この本は、隕石の基本的な知識、隕石採集方法の紹介、隕石の構造と構成元素による分類方法、隕石の起源となる母天体、隕石の衝突で判った地球の地質、宇宙論等、内容がバラエティに富んでいてとても面白かった。 最初に隕石に纏わる人物として紹介されているのは、アメリカの大学教師ナイニンガーの話で、彼はある日隕石の落下を見て隕石採集にのめり込み、教職を捨てて隕石探しの様々な方法を編み出し、多くの隕石を収集して隕石博物館を開くまでになった。彼のコレクションは最終的に公共の博物館に買い取られて研究され、アメリカの隕石学の礎となる。彼が考えた隕石探しの方法は、地元の住民に報奨金を出して隕石探しを手伝ってもらうことで、これが一番効果があるらしい。他にも世界の巨大隕石や隕石に纏わる多くのエピソードも紹介され、読んでいて飽きなかった。化学の知識が必要な専門的な箇所もあるが、図表や写真も多くて総じて読みやすい。 印象に残ったのは、世界初の隕石ハンターと言われるアメリカのハーヴィ・ハロウ・ナイニンガー博士の言葉。 「人生では、まだ誰もやっていないことをしなさい。しかし、それは自分がしなくてはならないと思うことでなければならない。」隕石ハンターの言葉は重い。 隕石の探し方が紹介されていて、必要な道具は、磁石とルーペ、金属探知機のみ。場所は、砂漠の乾燥湖、風食による窪地。アメリカの中西部穀倉地帯、南極が良いらしい。これを読む限り日本で隕石を見つけるのは難しそうです。 ちなみに我が家にも、ある博物館から頂いた小さな隕石がある。長さ1cmほどの隕石だが、引越し時に段ボールに入れたまま、どこへ行ったか分らなくなってしまった。不注意で行方不明になった隕石探しは、砂漠の隕石探しよりも大変かもしれない。
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