神は妄想である の商品レビュー
一生に一度は読んでおきたい本、ようやく読めた!長い上にある程度知識ないと理解し難く、文章も難しい。事前に『創造論者vs.無神論者』を読んでおくと前提知識が入るので分かりやすいと思う。おすすめ。 ドーキンスがありとあらゆる角度から「神はいない!」と有神論と宗教をボコボコにしていく...
一生に一度は読んでおきたい本、ようやく読めた!長い上にある程度知識ないと理解し難く、文章も難しい。事前に『創造論者vs.無神論者』を読んでおくと前提知識が入るので分かりやすいと思う。おすすめ。 ドーキンスがありとあらゆる角度から「神はいない!」と有神論と宗教をボコボコにしていく本。ちなみに仏教などは倫理扱いなので主に一神教の話。 「神を信じる人がいてもいいじゃん」と思う人もいるかもしれないが、、人工中絶の廃止や学校で進化論を教えるな創造論を教えろ、と実生活にも結びついていくのがアメリカ。また、子供が自分の頭で考えることができないうちから信仰心を植え付けることは虐待であるとも主張している。 この根深い問題、他の関連書籍も読んでもっと理解を深めたいと思う。
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長く教会に通ってきた。10代の頃から。その間、ずっと疑問に思っていたことがあった。ヒトラーはあれほど残虐な政治体制をなぜ、生み出し得たのだろうか。ベトナム戦争は今も続く被害を出しながら、長きに亘って休戦に至らなかったのはなぜだったのか。アジア・アフリカでたびたび起きる戦争とその...
長く教会に通ってきた。10代の頃から。その間、ずっと疑問に思っていたことがあった。ヒトラーはあれほど残虐な政治体制をなぜ、生み出し得たのだろうか。ベトナム戦争は今も続く被害を出しながら、長きに亘って休戦に至らなかったのはなぜだったのか。アジア・アフリカでたびたび起きる戦争とその犠牲者・餓死者は多く子どもである。そして今、ウクライナで戦争中である。平和を多くの人が祈り続けている。身近な体験では、敬虔な信仰を持っていたと思う人が、その家族を殺してしまった。うつ病が原因だったと聞いた。神はなぜ、止めてくれなかったのだろうか。いつも深く胸に引っかかってきた。 これを読んで心から納得してしまった。神はいないのだ!誰にも言ってないけれど。
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神は存在しない。本書の論旨はこの一言に尽きるが、やや舌鋒が鋭い印象を受ける。神は存在しないことはうすうす感じながらも、宗教は人の行いを善くする動機付けなどもたらすのではないか?しかし、筆者はこの立場も肯定しない。宗教上の原理主義者たちは、自分は聖典を読んだのだから自分の考えは正し...
神は存在しない。本書の論旨はこの一言に尽きるが、やや舌鋒が鋭い印象を受ける。神は存在しないことはうすうす感じながらも、宗教は人の行いを善くする動機付けなどもたらすのではないか?しかし、筆者はこの立場も肯定しない。宗教上の原理主義者たちは、自分は聖典を読んだのだから自分の考えは正しい、信仰は変わることがないという立場をとる。一方、科学は証拠について調査・研究を行ったうえで真実だとみなし、しかもその真実は更新されていく。宗教は科学の進歩を妨げ、人間の尊厳を踏みにじる。思い切った主張のように思える。 主張が鋭いと感じるのは、矛先がは主に一神教に向けられている故か。アメリカでは95%の人が死後の世界を信じているそうだ。共和党の主な支持母体であるキリスト教原理主義の勢力も侮れない。こうした背景があるのだろう。 さて、宗教が過去の歴史として語られる日はいつか来るのだろうか。
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『#神は妄想である』 ほぼ日書評 Day595 米国において無神論者は差別の対象であるという事実。 1999年の調査ではあるが、次の属性を持つ人に投票するかという調査が行われた(括弧内がYes比率)。女性( 95%)、ユダヤ人(92%)、黒人(92%)、モルモン教徒(79%)...
『#神は妄想である』 ほぼ日書評 Day595 米国において無神論者は差別の対象であるという事実。 1999年の調査ではあるが、次の属性を持つ人に投票するかという調査が行われた(括弧内がYes比率)。女性( 95%)、ユダヤ人(92%)、黒人(92%)、モルモン教徒(79%)、同性愛者(79%)、無心論者(49%)。 タイトルにある文言を口にすることが憚られる度合いは、我々日本人には理解できないものなのだろう。 それゆえ、米国ではベストセラーになった本書を読んでも、正直苦痛以外の何者でもない。 神が存在しないことの論拠を、これでもか…というくらい列挙しようとするのだが、その意図からして理解できないのである。 評者などはむしろ、神とは何かという定義上の問題であり、光なり生命なりが生まれるきっかけとなったものを「神」と呼ぶ、とすれば何ら矛盾を感じないのであるが、人格神であり、この世の支配者である一神教世界では、そのような考え方はやはり通じないのだろう。 訳者は自然科学系(著者の翻訳をこれまでも手掛けてきた経緯で担当した)の方ということで、「訳者あとがき」にご苦労がしのばれる。 https://amzn.to/3hXuWTo
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「生まれた家が〇〇教だったから自分も〇〇教」って世の中に、はらわたが煮え繰り返るほどムカついてるドーキンスさんが書いた本。 彼が用心棒となり、親や社会からの宗教的同調圧力を口ゲンカで木っ端微塵に粉砕するためのトレーニングが受けられます。 僕としては「人間は放っておいても数百年...
「生まれた家が〇〇教だったから自分も〇〇教」って世の中に、はらわたが煮え繰り返るほどムカついてるドーキンスさんが書いた本。 彼が用心棒となり、親や社会からの宗教的同調圧力を口ゲンカで木っ端微塵に粉砕するためのトレーニングが受けられます。 僕としては「人間は放っておいても数百年経つと勝手に神を作り出す性質がある生き物」という仮説を持っているので、その辺りを確認したくて読んでみました。 神や宗教を斜に構えて見れる人にはなかなか痛快な本ですよ。
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”神は存在しない”、そんな思想的なタブーにすらなりえないテーマを真正面から描き切った一作。 様々な角度から比喩・暗喩を多用し、エッジの効いたブラックユーモアと緻密で切れ味が鋭い文章で”神の不在”を証明していく。 カソリックが国のバックボーンになっている欧米で出版されていること、...
”神は存在しない”、そんな思想的なタブーにすらなりえないテーマを真正面から描き切った一作。 様々な角度から比喩・暗喩を多用し、エッジの効いたブラックユーモアと緻密で切れ味が鋭い文章で”神の不在”を証明していく。 カソリックが国のバックボーンになっている欧米で出版されていること、そしてリチャード・ドーキンスという既に当代きっての生物学者の著作であることは大きな波紋を読んだであろう。 内容は博学(天才?)なドーキンスらしく様々な学問(生物学、哲学、量子力学…)は言うに及ばず、文学から映画まで幅広いジャンルから例をとりながら、宗教(主に3大宗教)が持つ矛盾を仮借なく暴き出していくので、実に読み応えがあって面白い。 我々日本人の多くが精神的な背景としてもつであろう仏教や儒教は宗教ではなくむしろ哲学としてあえてとりあげていないところも面白い。確かに仏教には排他性がないのは他の宗教と大きく違うところなので納得できる。
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「利己的な遺伝子」で有名な生物学者ドーキンスが,宗教を完全否定する本。ほんと,完膚なきまでに。 疑問を封じ,理屈を枉げる宗教は絶対悪。科学の精神とまったく相容れない。とてもよく分かるのだけど,「宗教は現にある」というリアルをどう扱うかの視点に欠けるきらいはある。宗教は現にある。そ...
「利己的な遺伝子」で有名な生物学者ドーキンスが,宗教を完全否定する本。ほんと,完膚なきまでに。 疑問を封じ,理屈を枉げる宗教は絶対悪。科学の精神とまったく相容れない。とてもよく分かるのだけど,「宗教は現にある」というリアルをどう扱うかの視点に欠けるきらいはある。宗教は現にある。それも,相当広く根深くある。 日本にいるとあまり意識しないけど,世界の抱える深刻な問題は,今も宗教に起因するものが多い。 以下,雑感。 十代のころ,死について長いこと悩んでいて結局は自己解決したのだが,マークトウェインも同様の結論に至っていたことを知った。 「私は死を怖れない。私は生まれるまでの、何十億年ものあいだ死んでいたのであり、そのことから、ほんのわずかな不自由さえ感じたことはない」p.520 マザー・テレサ,一般には善人っぽいイメージだけど,ドーキンスも酷評してる。 “カルカッタのマザー・テレサは、ノーベル賞受賞講演において実際に、「妊娠中絶こそ、最大の平和破壊者です」と言った。なぜなのか?このような偏った判断力しかない女性の発言を、どんな話題についてであれ、真面目に受けとめることがどうしてできるだろう”p.427
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トリポリ条約(ジョージ・ワシントン起草、ジョン・アダムズ署名) 「アメリカ合衆国の政府はいかなる意味でもキリスト教の上に築かれたものではなく…」 ベンジャミン・フランクリン 「灯台のほうが、教会より役に立つ」 近年のキリスト教福音派の原理主義者たちが聞いたらどう思うだろう。
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宗教、特にキリスト教を科学的見地、特に進化論的見地から、ありとあらゆる方法で、キリスト教の「神」がフィクションであるか証明しようとした本。
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一神教については私も否定論者だし、敬虔なクリスチャンが神を証明しようとしたらどう頑張っても矛盾して存在しえないという結論が出てしまい心を病んだ、みたいな話をどこかで読んでいたりもする。私はキリスト教が大嫌い(クリスチャンに命を狙われそうなので理由は略すw)なので、バッサバッサと斬...
一神教については私も否定論者だし、敬虔なクリスチャンが神を証明しようとしたらどう頑張っても矛盾して存在しえないという結論が出てしまい心を病んだ、みたいな話をどこかで読んでいたりもする。私はキリスト教が大嫌い(クリスチャンに命を狙われそうなので理由は略すw)なので、バッサバッサと斬ってくれるのは痛快ではあるが、キリスト教文化圏でよくぞここまで思い切ったことを書いたものだと思う一方、このような本が過去にはあまり大々的に出ていたという話は聞いたことがないが、今までは書くことも憚られるような社会だったのかも知れない、とも考えた。時代は変わってきた。
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