ナノフューチャー の商品レビュー
化学を専攻し、現代のナノテクノロジーに関する話題もよく耳にする身としては、本書に出てくる「ナノテクノロジーの未来」については些かSF的である、と感じざるを得ない。 特に、そこら中の適当な元素からあらゆるものをつくれるというユーティリティ・フォグの概念。 ・安定な化学結合を切るた...
化学を専攻し、現代のナノテクノロジーに関する話題もよく耳にする身としては、本書に出てくる「ナノテクノロジーの未来」については些かSF的である、と感じざるを得ない。 特に、そこら中の適当な元素からあらゆるものをつくれるというユーティリティ・フォグの概念。 ・安定な化学結合を切るために必要なエネルギー ・それらを再構成するために必要なエネルギー がどれだけたくさん必要か、というのを頭に思い浮かべてしまうと エネルギー効率の点で「ユーティリティ・フォグ」は不便だと感じてしまう。 この夢物語が現実になる日は来るのか、はたしていつになるのか。 一方で、ナノマシンを中心とするナノテクノロジーの制御が完全にできると、こんな世の中になる!という例は大変多く示されていて面白い。 実現できるかどうかはさておき、「未来の世界はこうなっていたらいいのにな」という、夢やら頭の柔らかさやらを思い出させてくれる本でした。
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