海の仙人 の商品レビュー
「ファンタジーか」「…
「ファンタジーか」「いかにも俺様はファンタジーだ」「何しにきた」「居候にきた」会った事はないはずなのに、なぜだかずっと前からよく知っているような不思議な存在、ファンタジー。彼が居候に来たのは、海の側でひっそりと暮らす男の元だった。過去の傷、不器用な恋、変わり者に見えて根は真っ直ぐ...
「ファンタジーか」「いかにも俺様はファンタジーだ」「何しにきた」「居候にきた」会った事はないはずなのに、なぜだかずっと前からよく知っているような不思議な存在、ファンタジー。彼が居候に来たのは、海の側でひっそりと暮らす男の元だった。過去の傷、不器用な恋、変わり者に見えて根は真っ直ぐな人々、そして神様ファンタジー。ファンタジーの存在がたまらなくいいです。
文庫OFF
勝男のところに居候に…
勝男のところに居候にきた一番出来の悪い神様-ファンタジー。幸運を与えるわけでも、不運を与えるわけでも、奇跡を起こすわけでもない。誰にでも見えるわけでもないのに、見える人には、ファンタジーだと判別できる不思議な存在。孤独を抱えた登場人物たちが織り成す物語が、大人な感じで美しいです。...
勝男のところに居候にきた一番出来の悪い神様-ファンタジー。幸運を与えるわけでも、不運を与えるわけでも、奇跡を起こすわけでもない。誰にでも見えるわけでもないのに、見える人には、ファンタジーだと判別できる不思議な存在。孤独を抱えた登場人物たちが織り成す物語が、大人な感じで美しいです。そして、とても悲しくて優しい物語です。もう一度、ゆっくりと読みたいですね。
文庫OFF
もしものもしもだけど、 もしも宝くじで何億円 も当たったらどうする ? あ、前提として家族は いないものとします。 うーん、住宅ローンを 繰り上げ返済して、 行きたかったあそこと あそこを旅行して、 で、うーん、あとはね 週一でケータリングで 美味しいものを食べて ・・...
もしものもしもだけど、 もしも宝くじで何億円 も当たったらどうする ? あ、前提として家族は いないものとします。 うーん、住宅ローンを 繰り上げ返済して、 行きたかったあそこと あそこを旅行して、 で、うーん、あとはね 週一でケータリングで 美味しいものを食べて ・・・ え、仕事?仕事は辞め ちゃうかもね。 で、この主人公みたく 碧い海を日がな眺めて 仙人のように暮らすの。 あーやっぱりそうなる のね。 絵に描いたような現実 逃避(´ㅂ`; ) 煩わしい人づきあいと サヨナラして猫ちゃん とノンビリマッタリ。 でもけっきょくのとこ 人恋しくなって、 空瓶に手紙を詰めては ときどき海に流すの。。 って、なんのこっちゃ ? さっきから妄想を垂れ 流してるだけですやん。 さすがのファンタジー も私のことはあきれて 相手にしないでしょう。
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静かに風が吹くような読み心地。 登場人物みんなしっかりとした価値観をもつ成熟した人たち。 どっしりと構えて、多少のことでは揺らがない芯を感じ、好ましく思う。 ファンタジーという神様のようなものの名前が秀逸。孤独と寄り添うような、夢を見せるような名前だが、実態はないという。 実際...
静かに風が吹くような読み心地。 登場人物みんなしっかりとした価値観をもつ成熟した人たち。 どっしりと構えて、多少のことでは揺らがない芯を感じ、好ましく思う。 ファンタジーという神様のようなものの名前が秀逸。孤独と寄り添うような、夢を見せるような名前だが、実態はないという。 実際に神様に出会ったら縋ってしまいそうなものだが、割とみんな淡白な付き合いをする。 最後の方は怒涛の展開で驚いたが、淡々とかかれているため、そうなの…?と思いつつ受け止めてしまった。雷の伏線はそういうことなのかと。 宝くじに当たるなんてついているんだけど、ついていないところもあり。贅沢はせず、トラウマを抱える主人公と、優しく受け止める恋人。 敦賀の海が見えるような、綺麗なお話だった。 そして私も好きな曲、「恋はあせらず」が頻繁に登場して嬉しい。
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良書☀️あの、関西弁、まったり加減、癒される。静かな物語だったけど、心に残る。また時間を置いて読みたい一冊‼️
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作者が描く風景とメッセージが胸に流れ込んできて、いい読み心地でした。絲山秋子さんの物語はどっしり背中を預けて読めます。
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切なさが残る。 読み終わってすぐはあっさりとした感覚だった。でも、この本のことを考えると少しずつ心の奥底に切なさが降り積もっていき、今はずっしりとした気持ちになった。 会ったこともないはずのファンタジーに想いを馳せる。彼は一体誰なのだろう。とても不思議な存在で、そこにいなくても...
切なさが残る。 読み終わってすぐはあっさりとした感覚だった。でも、この本のことを考えると少しずつ心の奥底に切なさが降り積もっていき、今はずっしりとした気持ちになった。 会ったこともないはずのファンタジーに想いを馳せる。彼は一体誰なのだろう。とても不思議な存在で、そこにいなくても誰も困らないし、いつかきっと忘れてしまう人。それなのに会うと嬉しくて心が温まる人。まるで人の希望が具現化したような人だな。 不器用でも、傷を抱えていても、孤独でも、人は生きていかなくてはいけない。私たちはみんな、孤独とともに生きるのだ。静かな夜にじっくりと読みたい一冊。
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「海の仙人」絲山秋子著、新潮文庫、2007.01.01 170p ¥380 C0193 (2022.09.30読了)(2009.04.20購入・拝借) 絲山秋子さんの本が、何冊か手元にあるし、薄くて取りつきやすいので、骨休め的に読んでいます。この本が三冊目です。 薄いけど、お気楽...
「海の仙人」絲山秋子著、新潮文庫、2007.01.01 170p ¥380 C0193 (2022.09.30読了)(2009.04.20購入・拝借) 絲山秋子さんの本が、何冊か手元にあるし、薄くて取りつきやすいので、骨休め的に読んでいます。この本が三冊目です。 薄いけど、お気楽な内容ではありませんでした。 登場人物 河野勝男、主人公、海の仙人 ファンタジー、出来損ないの神 村井豊、船主 中村かりん、ニックネームが部長 片桐妙子、元同僚 澤田、元同僚 ☆関連図書(既読) 「袋小路の男」絲山秋子著、講談社、2004.10.29 「イッツ・オンリー・トーク」絲山秋子著、文春文庫、2006.05.10 (「BOOK」データベースより)amazon 宝くじに当った河野は会社を辞めて、碧い海が美しい敦賀に引越した。何もしないひっそりした生活。そこへ居候を志願する、役立たずの神様・ファンタジーが訪れて、奇妙な同居が始まる。孤独の殻にこもる河野には、二人の女性が想いを寄せていた。かりんはセックスレスの関係を受け容れ、元同僚の片桐は片想いを続けている。芥川賞作家が絶妙な語り口で描く、哀しく美しい孤独の三重奏。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
~森の青葉の蔭に来て なぜに寂しくあふるる涙 想い切なく母の名呼べば 小鳥答えぬ亡き母恋し~♪ 霧島昇と高峰三枝子の「純情二重奏」(1939年)。この物語は「孤独の三重奏」でしょうか。絲山秋子「海の仙人」、2007.1発行、文庫。ファンタジーの世界が広がっていました。
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リアルと不思議に浸った本。 ちゃんと自分を律する大人たちの、安らぎと悲しみと愛情。 とても丁寧な思いやりと、心地よい距離。 素敵な風景が豊かな表現でいつまでも読み続けたい気持ちになりました。 もっと分厚いページにしてほしかった。 せめて、あと1ページほしい。 それもファンタジー...
リアルと不思議に浸った本。 ちゃんと自分を律する大人たちの、安らぎと悲しみと愛情。 とても丁寧な思いやりと、心地よい距離。 素敵な風景が豊かな表現でいつまでも読み続けたい気持ちになりました。 もっと分厚いページにしてほしかった。 せめて、あと1ページほしい。 それもファンタジーということか。
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