詩集 サムシング・クール の商品レビュー
研ぎ澄まされた感性と透明度、それに言葉の切れ味がすごい。詩でありながら、その言葉のつむぎだすイメージはシュールレアリスムの絵画をみているようでも、ジャズや映画の音楽を聴いているようでも、モノクロームの写真をみているようでもあり、「感覚」に働きかけるセンスには脱帽の一言しかない。モ...
研ぎ澄まされた感性と透明度、それに言葉の切れ味がすごい。詩でありながら、その言葉のつむぎだすイメージはシュールレアリスムの絵画をみているようでも、ジャズや映画の音楽を聴いているようでも、モノクロームの写真をみているようでもあり、「感覚」に働きかけるセンスには脱帽の一言しかない。モダニズム詩の北園克衛の影響を受けつつも、それは黒田の感性と良い意味で融和された上、北園とはまったく別の作家独自のオリジナリティ(個)はゆるぎなく確立され、もはや誰のものでもない黒田維理の世界として確立している。この詩人の存在はもっと知られるべきだと思う。
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