愛国の作法 の商品レビュー
姜さんのファンになるきっかけの本。彼自身がそのアイデンティティに悩み苦しんで結論を出している様子がうかがえる。とても読みやすい。
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「愛国」のあり方についての本。 典型的な知的エリート左翼の主張かな。引き出しはすごいなと思う。 「愛郷」と「愛国」の違いなど、ためになることも多いが、外交、国防についてほとんど触れられてない。これなくして「愛国」は語れないと思うのだが。
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彼だから、書けるのだと思う。 あえて難しい内容を、自分に問いかけ、苦しみ、あえて答えを無理にでも出したいかのようだ。 確かな理由が存在してほしいのだろう。
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「したがって、「愛国心」を、与えられた環境への情緒的(感性的)な依存とみなすことは国民の原理そのものを蔑ろにすることですし、ましてや「愛国心」を強制することなど自家撞着と言わざるをえません」 ちょっと前までにあーだこーだ言われてた、「愛国心」を分析している。 その歴史の流れのと...
「したがって、「愛国心」を、与えられた環境への情緒的(感性的)な依存とみなすことは国民の原理そのものを蔑ろにすることですし、ましてや「愛国心」を強制することなど自家撞着と言わざるをえません」 ちょっと前までにあーだこーだ言われてた、「愛国心」を分析している。 その歴史の流れのところでは、過去の資料などをたくさん用いて、著者の引き出しの多さを物凄く納得。 そして、講義ならうとうとしてしまうような分かり難い箇所も多々・・・。 ですが、後半以降、この著者の考えが明確に論じてあるところに関しては明快!非常に分かり易かった。 そして、巷で溢れる愛国心論に対して自分自身が持ってた違和感を言葉にしてもらえたなぁ、という気がした。 面白いというか、ふふって思ってしまったのは「『美しい国へ』の著書」という表現がしばしば出てくるんだけど、多分その名前がしっかり出てきたのは1回ぐらいかな?こだわりがあるのかしら!? そして、まぁ、「怪しい外人」とこの人のことを表現した人がいるそうですが、その人よりも何倍もきっと人間的に出来ている、知識もある賢い人なんだろうなぁ、と思いました。 「悩む人」読まなくっちゃ! 【自分メモ】 石橋湛山『東洋経済新報』1945年10月13日
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いろいろなことを考えさせられます。引用されている『われわれは、さらに、この祖国をして、内は同胞とともに自由を享受する住みよい国土とすると同時に、外は世界の平和と文化に寄与する偉大な国民たらしめたい』の言葉に捕らえられました。ミーイズムから脱して、義務と責任を負った真の「愛国心」に...
いろいろなことを考えさせられます。引用されている『われわれは、さらに、この祖国をして、内は同胞とともに自由を享受する住みよい国土とすると同時に、外は世界の平和と文化に寄与する偉大な国民たらしめたい』の言葉に捕らえられました。ミーイズムから脱して、義務と責任を負った真の「愛国心」について考えたいと思います。なぜか「真理がわれらを自由にする」の言葉が浮かびました。世界には人の数ほど違う考え方が存在している。それを知る必要を強く感じます。無知が人びとを間違った方向へ導いていまう。そして自分の頭で考え、自分で選択することの大切さ、そんなことを考えました。ちょっと難しい文章でしたが、また必ず再読したいと思います。
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近代国家とは理性的・意識的に作り上げるものであって、「愛国心」と自然な感情としての「郷土愛」とは決して同心円状にあるものではないという分析にそういえばそうだとうなずく。
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舜臣を読んだあとだとどうしても霞むなぁ。なんでこうも批判的なものの見方ばかりするのだろう。結局明確なビジョンを自分から提示することはなく。故郷≠母国は非常によくわかる図式で、今やってることの参考にもなるんだが。
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当世流行の「愛国心」には主語がない。述語だけが異様に肥大化したような感情の暴走である。それは醜悪で身勝手なナルシシズムであり、そこには決定的に知性が欠けている。とまあ、そういう警鐘から始まり、民族共同体と国民共同体、愛国心と愛郷心、パトリアとナショナリティなど、まさに"...
当世流行の「愛国心」には主語がない。述語だけが異様に肥大化したような感情の暴走である。それは醜悪で身勝手なナルシシズムであり、そこには決定的に知性が欠けている。とまあ、そういう警鐘から始まり、民族共同体と国民共同体、愛国心と愛郷心、パトリアとナショナリティなど、まさに"知性"をフル動員して「愛国」の本質を明らかにしてゆく。この点、ついに情緒表現の域を脱せなかった現宰相の著書とは格段の違いである。「ただ日本の美しい伝統や国土、その情趣をナルシシズム的に吹聴する『愛国』」ではなく、「時には生身を引き裂くような激しい相克と葛藤を自我の内面の中に抱え込んでしまう」ことすら辞さない「努力」が、「愛国」には必要なのだと著者は言う。素直にその通りだと思った。
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情に訴える「美しい国」や「国家の品格」と違い、姜先生の鋭い視点で「愛国心」というパラドックスに挑む意欲作。 なぜ、負け組ほど「愛国」に癒しを求めるかがよく解りました。
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