ひきこもり その心理と援助 の商品レビュー
2006年に出版された、ひきこもりの心理について、著者の視点から書いた本。 著者はひきこもりを以下のようにとらえている。 ひきこもりのほとんどのケースは、いじめや不登校などの心的外傷体験をしている。「学校に行くべきである」「不登校は良くない」という社会や親の意識が存在する。その...
2006年に出版された、ひきこもりの心理について、著者の視点から書いた本。 著者はひきこもりを以下のようにとらえている。 ひきこもりのほとんどのケースは、いじめや不登校などの心的外傷体験をしている。「学校に行くべきである」「不登校は良くない」という社会や親の意識が存在する。そのような意識から本人が脆弱なのだというレッテルが張られ、社会から切り捨てられる。その結果、心の傷を抱えたまま、自己否定感を持ち、自分の人生を生きる意欲も持てずにひきこもる。それが現代の青年たちのひきこもりの本質ととらえている。 それに加えて私は現代の若い人たちの傷つきやすさが、より一層そのような状況を生んでいるのではないかと思った。
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私は数年前,著者の西村先生の講演を聴く機会に恵まれました。 ひきこもる青少年の親から「うちの子は病気じゃないか」と相談を受けられるそうですが,病気でなく引きこもる人も居るし,そもそも一つの行動様式なので,その子にどのような事情があるのかを,きちんと理解しないと見えてこないというこ...
私は数年前,著者の西村先生の講演を聴く機会に恵まれました。 ひきこもる青少年の親から「うちの子は病気じゃないか」と相談を受けられるそうですが,病気でなく引きこもる人も居るし,そもそも一つの行動様式なので,その子にどのような事情があるのかを,きちんと理解しないと見えてこないということです。 講演の中で「私たち人間は,困ったことが起こって解決できない時に,『引きこもる』という行動様式によって身を守ってきました。そこで,ひきこもりは人間の『適応行動』の一つとして捉え,『引きこもる』という行動は大切にしなければいけないと」いうお話を聴き,眼から鱗が落ちる思いでした。本書を読んで,当日の講演で得た素晴らしいお話が甦ってくるような感じがしました。
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