地球を斬る の商品レビュー
佐藤 優 著「地球を斬る」を読了した。 彼の現状部分析は、以下である。 冷戦終結に伴う、「ナショナリズムの昂揚」が最大の問題であると すなわち米ソ・東西冷戦時代にはそれぞれ、自陣営の団結を堅持する必要があり陣営内の自己主張を抑えあっていた。 冷戦終結後、平和で安定した国際...
佐藤 優 著「地球を斬る」を読了した。 彼の現状部分析は、以下である。 冷戦終結に伴う、「ナショナリズムの昂揚」が最大の問題であると すなわち米ソ・東西冷戦時代にはそれぞれ、自陣営の団結を堅持する必要があり陣営内の自己主張を抑えあっていた。 冷戦終結後、平和で安定した国際秩序が現れるというのは、幻想であった。 東西の二項対立図式が崩壊した後、世界は19世紀末から20世紀初めの帝國主義の時代が再来した。ここでいう帝國主義とは、「商品の輸出」のみではなく、「資本の輸出」が主流となった資本主義である。各国が自らの利害・関心を提示して折り合いをつける勢力均衡外交が行われるようになったと、それ故に各国独自のインテリジェンスが必要であるという論である。 特に「ビジネスとしての自爆テロ」は考えさせられた。 高騰するオイル価格が、自爆テロをした人の遺族の生活保障を支えている現実・・・。 産業もない地域の人々の、「命を懸けたビジネス」となっている現実・・・。
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