自分らしく死ぬ の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
医療倫理の研究者として、「死」の扱われ方が「医療」の進歩によってどのように歪められてきたか、またそれで人間の死生観がどのような影響を受けて来たかという分析から始まり、人の「あるべき」死の受容方法とそれに対してできる医療の限界と効用を指摘している。 著者は「安楽死」に警鐘を鳴らす。それは「私的殺人」とのボーダーを曖昧にし、伝染病のように次から次へと伝播するからという。確かに「その人のためを想って」という枕詞のもとに「合法的に」その生を剥奪された人々も少なからずいた。考えさせられることの多い本だった。
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