誓いの夏から の商品レビュー

永瀬隼介【著】

2018/10/16

高校生の時の彼女が家庭教師先での一家惨殺事件に巻き込まれ、その真相を探るべく捜査一課の刑事になった男の物語。真犯人判明までのミスリードは雑だし、真犯人判明も突発過ぎ。何より主人公を始めとする登場人物の誰にも、全く共感出来ない。

2014/07/30

#読了。進学校の剣道部に所属する十川は、同じく剣道部の杏子と付き合う。しかし、杏子がバイト先で一家殺人事件に巻き込まれ唯一生き残ったことをきっかけに、二人は離ればなれに。それから19年、十川は刑事として杏子の前に現れるが。。。

2013/04/23

優秀な十川。その一途な思いとクールな感じ。とても好きになりました。京子との19年振りの再開。涙を流した最後、ただひたすら自分の気持ちに向き合った37年。孤独だったが何か晴れ晴れとした最後ではなかったと思います。とても面白く作品に引き込まれました。

2013/02/22

　男というのはウブでバカなんだなあと思う、女に比べて。
　無知で周囲が見えなくて思い込みだけで色々なものを抱えてしまって……なかにはそういうナイーブな部分を美学みたいにスタイルとして持ち上げて、誇らしげな態度をとる人もいるけど、そういう男は嫌だなあと思う、同性として。
　どうせなら貫ける所まで貫けばいいのだ、覚悟を決めて、死ぬ気で己の美学として貫けばいい。そういう覚悟もないくせに美学に酔うのは止めた方がいい。
　貫いた先に悲劇が待っているのは辛いけど、その辛さが美しさとして輝く時は必ずそこにあるはずだから。

　登場人物の男どもが抱えてしまった、そんなウブな部分がこの小説の中では物語の芯として貫かれているのが心地良い。ストーリー自体は凄惨でスリリングなのだけど、読後感に爽やかなものが残る。
　特にラストの老刑事の姿は印象的。自ら老醜を晒しながら、目の前を通り過ぎて行った“ウブでバカな”美しさを温かく認める視線が優しい。

　推理小説やミステリーのマニアックなファンが読んだら、どう思うのかな。
　むしろこれは、あえてジャンル分けをするなら、この本は紛れもない“男の青春小説”なのかもしれない。

2011/09/10

高校三年生の時一家３人惨殺事件に巻き込まれた彼女。彼女を思い続け警官になり19年、結末まで暗い話。　

2009/12/24

永瀬氏の作品には犯罪モンスターともいえるべき超人的な人物が登場するのが常なのだが、今回のモンスターもすごい。最初は小市民のように描かれるのだが、少しずつほころびが出始め、最後のシーンでは戦慄されるような冷徹な恐怖に打ちのめされる。

最後の謎解きで感動することはするのだが、ちょっと書き込みが浅いというか、20年近くも想いつづける人に会うシーン、その想いを通じさせるシーンがぎりぎりまで控えられ過ぎなのが少し消化不良なので★をマイナス。

2009/10/04

　はじめて読んだ作者だけど、結構おもしろい。

　一家三人惨殺事件の犯人はだれなのか。その時、家庭教師としていた女子高生は、レイプされそうになりながらも殺されずにすんだ。そして、その時、女子高生が剣道に師事していた警察官が、やがて、彼女と結婚する。

　ぐるぐるとほぐれそうになっては、また引き戻される人間関係の罠。やめたくてもやめられない読書の楽しみをあちこちにちりばめた作品だ。

　ただ、主人公の人物像が、あまりにも年代とともに変わりすぎていて、イメージがピンとこない。人物が描けてないってこういうことを言うのかなどと思った。

2009/10/04

一人の少年の大人になって、その死までの悲しくも少し美しくて、ギラギラした人生。
ただ杏子が最後は冷たすぎる。というとおかしいが「青春の証明」みたいに最後の最後で悟ることもあると思う。

2009/10/04

高校時代の出来事。その事件をきっかけに自分の一生をかけて守ろうとする女性。ミステリーだけど、ラブストーリー。そんな一途な生き方にあこがれてしまいます。

2009/10/04

久しぶりに重たい感じの本を読んでみました。夢中で読んでしまったんですが、私には女の子の気持ちが全然わからなくて、読み終わった後の気分はあまりよくありませんでした。でも、一部の高校生の感じと二部の謎めいた感じの差が激しくて、私はそこにすごく引き込まれました。主人公になにが起きたんだろう？何を考えているんだろう？ってすごく考えながら読みました。